表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
199/288

露見 6


「俺は──胸の張れないことはしないで生きてきたつもりだった。それでも現実は、こうだ。だから英」


嫌だ。言わないで。


「俺は英に相応しく無い。警察にマークされるような男と、一緒にいてはいけない」


「と、時緒は……何も、悪いこと、してないじゃない。充さんをほっとけなかっただけじゃない」

目頭が熱くなる。時緒の姿が涙で滲む。

「時緒は、充さんを助けようとしただけじゃない……!それなのに……」

それ以上は言葉にならなかった。涙がどんどん溢れて止まらない。


「私、離れないから。時緒は何にも悪いことしてない!困ってる充さんを助けようとした時緒とどうして離れなきゃいけないのよ……!」

「英、俺だって離れたくないけど。でも、このままではいけない」

「離れない!離れないよ⁉︎時緒の側にいる!頼まれたって離れるなんて絶対嫌!嫌あっ‼︎」

泣き崩れた私を時緒がそっと私を包んだ。時緒の背中に手を回してしがみついた。


「私、時緒が大好き。困ってる充さんを放っておけない時緒が大好き。私のことを考えて離れようとしちゃうお人好しの時緒が大好き。でもっ……離れてなんかやらないから。私も一緒に時緒と悩む。お願い、悩ませて。一緒に考えさせて。お願い……‼︎」


長い時間、時緒は私の頭を、背中を撫でてくれていた。泣き喚く小さな子どもを宥めるように、ずっと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ