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Animal rhapsody 6


「山吹さ…」

「ん?」

顔を上げると何か言いたげな表情の時緒と目が合った。どうしてか目を逸らすことが出来ず、そのまま動けないでいた。


「やっと終わったー!お疲れさーん!…ん?山崎先生も山吹先生もどうした?」

安藤先生が伸びをしながら医局に戻ってきた。

「ど…どうもしないです!お、お疲れさまです!」

「お疲れっす」


時緒は早々と記録に戻った。このままでは変な空気じゃないか。

「ブーちゃん、今どれぐらいですかね?」

「もう1ヶ月は過ぎてるだろうなあ。この感じだと…出産は7月の初めぐらいかな」

イノシシの妊娠期間は4ヶ月だ。

「暑い時の出産かあ…。大変そうですね」

「人間でも夏の出産はきついからな。うちの奥さんもそれぐらいになりそうでさ」

「え、奥様妊娠されてるんですか?おめでとうございます!」

上司の奥様の妊娠話に時緒も顔を上げた。

「ブーちゃんとうちの奥さんの出産がかぶったら俺いないから、ブーちゃんよろしくな」

柔らかい笑みで恐ろしい事を口にする安藤先生は幸せそうに見える。

「えっと…そのときはきっと瀬崎先生が…」

「毎回絶対私がいるとか思わないでー?」

いつの間に医局に戻っていたのか、瀬崎先生は自席でコーヒーを啜っていた。

「山吹先生も山崎先生も、もう2年目なんだから不測の事態の経験も積まないとね?」

美人のウインクは仕事が絡んでなければ最高なんだろうか…?少なくとも今の私には背筋が凍るきっかけにしかならない。

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