HYPNOTIC POISON [ヒプノティックプワゾン]3
「くすぐったい所って感じる場所でもあるよな」
言うなりブラウスをめくられる。露わになったくびれに満紘は唇を寄せた。
「えっ……ちょ、満紘……んん…」
リップ音を立てながら満紘はスカートのファスナーに手を伸ばした。
「満紘……ま、だ……ご飯、食べてない、から……」
「先に梨愛食べてもいいじゃん?」
うんと甘くなったその低音が鼓膜に響く。言われるがまま身を任せようとした、そのとき。
ぐうううう!
満紘のお腹から盛大な音が部屋中に響いた。
「……ぷっ」
「笑うな」
「だって」
「しょうがねぇだろ」
さっきまでの甘い雰囲気は何処へやら。ダメ押しのように、もう一度満紘のお腹が主張した。
「ふふ。何か、作るね。もうこんな時間だし」
時計の針は18時を過ぎていると示していた。
「……俺、肉食いたい」
「お肉か……」
冷蔵庫の中を確認する。作り置きの野菜料理はあるけど、生憎お肉は冷凍のストックすら使い切ってしまっていた。
「お肉、買いに行かないと無いや。今から行こうか?」
今からスーパーに行って部屋に戻って作ると……。満紘に邪魔されなければ19時台には何とか食べ始められる、かな?
「んー。梨愛、今日は外食しない?」
「外食?」
「たまにはいいじゃん。うまい焼肉屋があるんだよ」
「満紘オススメのお店?」
「そ。職場に歩く食べログみたいなやつがいてさ。そいつがうまいって言ってたとこ。梨愛と行ってみたいって思ってたんだ」