表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/288

疑惑 6


時緒との同棲が始まった。そもそも時緒の部屋は物が少なかった。私の物を置いても、散らかることは少ない。


腕に閉じ込められまま目を覚まして、起きて出勤して働いて。同じ家に帰って生活を共にして、また彼の腕の中で眠る。身体が固まっちゃって、そろそろ全身がゴキゴキ言いそうだ。


職場の先生方には伝えてない。同棲どころか付き合ってることすら伝えてない。そのうちちゃんと伝えられる日は来るのだろうか?



時緒と暮らす毎日は、愛おしい程に大切で、大好き。でもそれは、上っ面のもの。


あの日見た、『自首する』というメッセージ。その後送り主がどうなったかなんて聞けないし、そもそもそんなメッセージがあったことすら時緒に訊けてない。


私達は、いつも肝心なことを話せない。話す必要はあるのに。話す勇気が無い。私も、きっと時緒も。肝心な事からは目を逸らして、今日も身を寄せて2人で眠る。このままではいけない。それはわかっている。でも、この上っ面だけでも幸せなこの生活を、壊したくもないのだった。




でもそれは、一瞬にして崩れた。




『英、今度の土日、どっちか時間ある?』

『どしたの?お茶でもする?みんな招集する?』

『ううん、英とサシ飲みがしたくて』

碧からこう言ってくるのは珍しい。この幸せに浸っていて忘れて…無理やり忘れていた。


アフタヌーンティーの後の碧の違和感の謎が解かれようとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ