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疑惑 5


そのまま、時緒の腕の中で眠っていた。


ふと、目が覚める。


喉が渇いたな。お水、飲んでこよう。



時緒の眠りは深くなっているみたいで。今度は何とか彼の腕の中からすり抜けることができた。


時緒のシャツを羽織ってキッチンに立つ。ここに…私が住むのか。私が作ったご飯を食べて、私が洗濯した服を着た時緒と一緒に動物園で働く。夜も当然、眠るときも、一緒なわけで…。



うわー……24時間、ずっと一緒だ。



私、冷静でいられるかな。仕事中はともかく、それ以外はずっと時緒に翻弄されるんだろうな。でも、その翻弄されるのは他の誰でもない、私自身であって欲しい。他の誰かにその席を譲るなんて、絶対嫌だ。



同棲、嬉しいな。私、ちゃんと時緒の彼女だった。セフレじゃなかった。大好きな人に必要とされてた、その事実がくすぐったいぐらいに嬉しい。



浮かれ切ったまま、お水を飲んで寝室に向かう。その途中、時緒のスマホが光っているのに気付いた。着信?いや、メッセージアプリの通知かな?


その光に吸い寄せられるようにスマホに近づく。



『もうだめだ。自首しようと思う』



──え?


自首って……何?


時緒はやっぱり、何かに巻き込まれている。



幸せに浸り切った私の頭に何か強いショックが与えられた感じがした。


ふらつきながら寝室へ戻る。


すやすやと、今度は穏やかに眠る時緒。



この穏やかな眠りを、守りたい。



私に出来ることが何なのか、わからない。


何があっても、彼に寄り添う。


それだけは、私は誓える。


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