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翻弄 8


椅子が固定されているわけではない。自分で動かせるタイプだから調節可能なはず、なんだけど。



「え、美味しい…」

声が出てしまった。ラーメンが手元に運ばれ、スープと絡めた麺を一口食べると、程良いとろみを感じた。

「ね、美味しいでしょ。こってりだけどしつこくなくて」

私はまだ一口目なのに既に器の三分の一ぐらいの麺が消えてる沢田先生が幸せそうな顔で答えた。


「スープ…いいですね」

「だろ?どんどん食べれて麺があっという間に消えるんだよ」

私を挟んで九条くんと沢田先生のラーメン談義が始まった。スープの味付けだけでなく、会話の内容まで濃厚になってしまってついて行けない私は大人しくラーメンを食べ進めた。



「九条先生とこんなにラーメンについて語れるなんてな。もっと早くラーメン誘えば良かったよ」

「うちの学校、結構ラーメン好き多いんですよ」

そうなんだ。いつも仕事が忙し過ぎてラーメンの話はおろか、プライベートな事を話す余裕がなかなか無い。全体の飲み会は春先の歓送迎会だけだったし、次にみんなで飲むなら1学期のお疲れさま会だっけ。そこでみんなで色々話せるかな?


前の学校だとちょいちょい学年で飲み会やってたっけ。それこそ月イチで。


今年は私、来たばっかだし、稲垣先生はお早めにおうちに帰られるし。だからといって九条くんだけを誘うのは、それはそれで男女一人ずつになってしまって端から見たらただのデートになってしまう。



ただ仲良くなりたいだけなのに、異性というだけでハードルが高くなってしまう。そうでなくても、少しギクシャクしていたのに。

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