afternoon tea
──side 碧
月イチの定例会。定例会って何か固い。女子会と呼べばいいのか。
「アフタヌーンティーに行ってみたい」と澄麗が言い出して。じゃあ行ってみようかと調べてみたら駅ビルのホテルのラウンジで食べられることがわかり。今日の主戦場はここになった。
アフタヌーンティーは梨愛が言うには「アフヌン」と略すらしい。ヌンティーの方がしっくりくる気がするのは私だけだろうか?
アフタヌーンティーはアフタヌーンティーのティールームでも食べれるらしいんだけど。平日しかやっていない事が発覚。アフタヌーンティーでアフタヌーンティーを食べるというややこしい事ができるかと思ったのに実現出来ず。夏休みにでも澄麗巻き込んで突撃しようかな。
駅ビルの大きな時計…とはとても言えないけど、それなりに特徴のある時計の前周辺が今日の集合場所。どんどん到着報告メッセージがやって来る。私以外の3人はもう既に到着したらしい。まだ15分前ですけど。みんな早過ぎでしょ。
『ごめん、遅くなります』
必死そうな顔の絵文字を添えて送信する。集合時刻に間に合う時間なんだけどね。でもみんなよりは遅いから一応遠慮がちに送信してみる。
スタンプがどんどん送られてくる。
澄麗はよくわからない漫画のキャラがドヤ顔してるスタンプ。英と梨愛はメッセージアプリの標準装備のスタンプ。標準のスタンプでの動くやつがあるって初めて知ったわ。
『着いたら即ダッシュするね!』
走らなくて大丈夫、と梨愛から優しいメッセージが来た。と同時に英から『世界最速期待してます!』という鬼なメッセージも届いた。
『誰かタイム測りに来てーw』
測りに来てくれたら待ち合わせの意味ないよな…と笑いを堪えていた。地下鉄の中で、私は一人笑いを堪える不審人物になっていたと思う。
『もうストップウォッチ動いてるよ』
澄麗から絵文字無しのメッセージ。真顔で送信したに違いない。