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⑷『箱に詰められた、ハート型の神々』
⑷『箱に詰められた、ハート型の神々』
㈠
いわゆる、虚像を押し付けてまで、俺は俺だという俺を、世間は認めまい。或る一つの循環運動があって、それに自己を準えて小説を書くと、どうしても、しかし、虚像は現れる。だから、俺は神々に頼り、精緻を極めた内容に、文章を練るという訳である。
㈡
しかしまた、それは、自己を箱に詰めることに、他ならないだろうから、自己の能力の範囲内で、自流にやってみることも、有るにはある。ただ、ハート型の神々は、そんな俺の自流の小説などは、燃やして消失させてしまうだろうから、俺は書かないだろう。
㈢
難しいことなど、何もないのだ。要は、箱に詰められた、ハート型の神々を、納得させるために、範囲内の芸術を箱に詰め、ハート型の神々に、定時に提示すればいい、拝跪すればいい。ただ、実のところ、墓場の中で俺は、ハート型の神々が、最後に自分に感謝させる方位を持って、眠りにつくだろう、最後の最後に。