で、どうすんだ?
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「はあ、ナルホド。そういう訳ですか」
翌日の神殿教育の時間の休憩時に、例のお茶会の裏話を聞いているミリアとお爺ちゃん。
「フィルも大変だわね~ まあ、アレクはおっちょこちょいだから。そこがチャームポイントではあるんだけど・・・」
お爺ちゃんが呆れ顔で煙管をふかす。
「まあ、フィルの子供の時もあんなモンだったから親に似たのね、きっと。今の王妃みたいにお尻叩いてくれる嫁じゃないと務まらないわよ~ 」
「え、お爺ちゃん何で陛下の子供の頃を知ってるんで・・・ああ、そうか百歳超えだったっけ。だから知ってるんだ」
ケタケタ笑う大神官。
「そうよ、フィルなんか、オムツ履いてる頃から知ってるわよう」
「「・・・オムツ」」
ミゲルが首を捻りながら
「まあ、基本的に元々アレクの婚約者候補として決まってたご令嬢は八人なんだ。その令嬢達以外は別の庭に案内するしか無いだろうな。さらに言えば今回の事でキチンと制度として制定するのか、それとも慣習を撤廃して王族に婚姻の自由を与えるのかを貴族院と王家で話し合いをしねえとな」
「そうねえ。この国は王族も一夫一妻制になったんだから、その辺も決めとかないとね。今後困るわよう」
お爺ちゃんがニヤニヤするのを見ながら肩を竦めるミゲル殿下。
「色々と王家もゴタついててな。手が回らんのだよ」
「アンタが国王になりゃあ解決するんじゃないの~ 」
「あー無理。ぜってー無理」
ミリアがお茶を飲みながら首を捻る。
「何でミゲル様が国王になると解決するんですか」
「「んあ?ああ」」
お爺ちゃんとミゲルが顔を見合わせる。
「未だにミゲルを王太子にっていう連中が貴族に結構いるのよ。あと変わり者だけど神童って言われてたから貴族院には神聖視する連中もいるわね。騎士団もミゲルならついていくし、平民の人気は王族の中ではダントツ一位なのよ。まあ、カリスマ度が高いからアチコチから文句が出にくいって感じよなのよね」
ニヤニヤ笑いながら説明するお爺ちゃん。流石は娼館・・・いや、庶民の実情に詳しい聖王様である。
「ほええー。凄いんですねー ミゲル様」
「うるさい、こらあんまり色々言うなジジイ」
「ジジイ言うな小僧」
煙管で頭を小突かれるミゲル。
「痛ってえなあ。もう・・・所でミリー、お前お茶会に出席するのか? 」
「一応。父様が、貴族である以上王家の招待を断れないって言ってました。アークライド家はマナーハウスじゃなくてタウンハウス住まいなので、登城の為の費用もかからないから益々出席は断りにくいそうです・・・やだなあ~・・・ 」
お爺ちゃんが、ジト目で
「最後、めっちゃ本音出たわよ~ 」
「サーセン・・・ 」
×××××××××
「実はだな、今回のお茶会の招待は十五歳以上の貴族子息にも出される事になったんだよ」
「へ? 何で」
「伯爵位クラスだと、もう既に婚約を済ませてる令嬢もいるだろうから、そういう連中は王子妃を望める立場では無いだろ? だから自分のパートナーにエスコートしてもらえば、いらんイザコザは避けられる」
「ああ、ナルホド。確かに」
「まあ、要するに王子だけじゃなくて自国の貴族子弟の集団見合いにしてしまえって事になったんだよ」
「太っ腹ね~ 」
ケタケタ笑うお爺ちゃん。
「まあ、アレだ。前世で言う結婚斡旋システム? 要はお見合いコンパだな。」
「あ、成程! 」
「仲介は王家って事ね~ やるじゃない」
肩を竦めて
「事態の収拾の方法が、ソレしか思い付かなかったんだよ。各方面から文句が出にくい方法が他にありゃあ良かったんだが・・・」
「皆には良いかも知れない方法ですけど・・・」
ミリアンヌがハの字に眉をして
「私の救済策では無いですね・・・」
「スマン! ミリアは余計にヤバくなるとは思ったんだが・・・」
ミリアンヌ・アークライド侯爵令嬢。
婚約者のいない上位貴族のご令嬢でしかも筆頭侯爵家の娘・・・持参金目当てのハンター達の標的になるのは確実であろう。
そうじゃなくてもアレク王子がミリアンヌに拘っている事は一部ではあるが、周知の事実。
もっとも、国王陛下がソレだけは絶対に許さない気がするが。
主にウィリアム・アークライド侯爵が怖くて・・・
一波乱ありそうな王家主催のお見合いティーパーティーは一ヶ月以上先の予定である。
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