お爺ちゃんと内緒話2
説明回でございます~~
更に説明を続けるお爺ちゃん。
「この世界の五大魔法は火水風木土で、特殊魔法が光と闇なんだよね」
「そう習いました」
「光と闇の色は?」
「銀と黒」
・・・因みに聖属性は金色で、光属性の上級に当たる。
「火は赤、水は青、風は黄色、土は橙色、木は緑色だよね」
「・・・うーん五色ですね」
「紫と藍色は何かな?」
「うーん氷と雷とか?」
「ふふふ。ハズレ。氷の魔法は水魔法の上級だから判定時には青で表示されるんだよね」
「え~ そうなんですか」
「判定では潜在的に理解できていて尚且使いこなせる可能性のある魔力が色で表示されるから、どういうものかという概念が本人に内包されていないと表示されないんだよね」
「・・・」
「藍色は時間で、紫が雷だよ」
「この世界の住人は、五大魔法が揃うことすら稀なんだよ」
にっこりと笑顔になるお爺ちゃん。
「水の上級魔法の氷と、火魔法と風魔法の三種類を錬る訓練をすれば、雷の魔法は使えるようにはなるけどね。使えるようになるってだけで生まれつき適正がある人はいないんだよね。だから判定時に表示されないんだよ。時間魔法は理解できる人間なんかほぼ居ないからねえ~」
この世界よりもっと高度な教育を受けていないと、水晶球には色として表示されないらしい。
「転生者でも、藍色とかは珍しいんだよ。君、前世はかなりなヲタク? だったでしょう」
「・・・ハイ」
「雷が生まれる条件とか、ラプラスの悪魔とか、ネットで見たり調べたりをしたクチ? 」
「・・・イイエ」
「後はパソコンとか、情報処理関係とかを勉強してたか、理工系の学校を卒業したか、仕事にしてたか。」
「あ、ハイ」
「ソレか~」
お爺ちゃん詳し過ぎる~!
「ゲーム会社の社畜でした・・・」
「えっ!」
目を真ん丸にするお爺ちゃん。
「じゃ、じゃあさあ」
「あ、はい」
「この世界が、乙女ゲームがベースになってるって知ってたりするの?」
「あ、ハイ。製作者サイドでこの『乙花』担当でした」
そう、通称『乙花』。
『乙女の恋は花盛り~恋も冒険もあなた次第☆』とかいう、こっ恥ずかしいタイトルのこのゲーム。
ネットのダウンロードのみの販売で「今更感」満載で売り出されたが、全年齢対象で、お子様も大丈夫な乙女ゲームとしてPTAの監視をくぐり抜け、順調に売上を伸ばして安定の利益率をキープしていた、我社の土台骨ゲームだったのだ。
ま、途中で死んじまったので続編とかあったかどうかは知らないんだけどね。
お爺ちゃんが黙ってしまった・・・
「あの~??」
「なんてことだ・・・」
「? 」
「神様って呼んでいい?」
お爺ちゃんにガシッと両手を握られた。
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