私の天使
神の恩寵=キャラデザの才能=神絵師?
可愛い三段盛り・・・
お読みいただき感謝です(*´ω`*)
「『影』からの報告を聞くかぎり、お前が王家の宝物庫から『隷属の鎖』を持ち出し、マーロウを自分の思い通りに動かしている事は明白だ。マーロウの自由を奪い何を企んでおるのだ」
国王陛下の顔は正しく施政者の顔であった。
眉一つ動かさず、冷たい刺すような瞳でシンシア王女を見つめている。威圧を放ってこそいないが本気になったらどうなるのか・・・
場違いにワクワクしているミリアである。
『おおお~ 国王陛下カッコいい~ 』
ドキドキしながら事の成り行きを見つめていると、シンシア王女がコチラを振り返って、ミリアンヌの姿を認めた様で、眉がピクッと上がり目を見開いたあと、その表情が段々と崩れていく。
入室した時は、氷の魔女だった筈が、段々と顔が赤らんできたのである。
『? シンシア様は一体どうしたんですかねえ~? 』
小首を傾げ呑気にクエスチョンマークを飛ばして、その変化をじっと目を見開き見つめるミリアンヌ・・・
突然シンシアが両手を頬に当てて
「天使が! ・・・何て、ワタクシは、愚かなことを・・・神よ・・・」
と、懺悔の言葉を呟きながら、その場に崩れ落ちたのである。
「堕ちたわねシンシア。・・・ふふふ・・・分かるわあ~・・・ 」
何故か、お妃様が広げた扇の向こう側で、勝ち誇った様に放つ言葉が謁見室に響く。
ミリアの隣の席のミゲルが
「本領発揮ってとこだな~ 」
と溜め息を付きながら小さく呟いた。
「本領発揮ってなんの事ですか? 」
小首を傾げるミリアンヌ。
××××××××××
本来、乙女ゲームは女性がプレイヤーになる事を想定して創られる。その攻略対象が麗しい少年や青年である事はまあ、想定内である。
だがそのプレイヤーが動かす主人公はどうだろう?
手に入れる『スチル』と呼ばれる静止画面は所謂お宝である。各々の憧れの攻略対象と一緒に画面に残る主人公・・・スクショで常に持ち歩きたくなるスチル。
『乙花』は実はそこに力を入れたゲームであった。
世界中のデータを元に一番女性に好まれるであろう少女の姿というのを再現した結果が、侯爵令嬢ミリアンヌである。
結果。出来上がったのはやたらと女性受けがする、全年齢対象の憧れの『着せ替え人形』の様な美少女となった・・・のである。
男性は多少なりとも女性に対して好みのタイプという振り幅が発生する。
しかし女性は『着せ替え人形』に対して、ほぼ『可愛い』という認識を持つ(当社比による)ようで、忌避するという事は滅多にない。
ミリアンヌの姿は、着せ替え人形を上回る、着せ替え人形の最高峰の姿を模した美少女・・・つまり、男性よりも女性の方が『メロメロ』になる確率が高い『女性陣キラー』として仕上がった理想の姿なのである・・・
遠目に見るとミリアは小さく迫力に欠けるのだが、ほんのちょっと近くで見ると、兎に角、可愛くて可愛い上に、可愛いのである←
中身はどうあれ・・・
美味しいもので極上の微笑みをコチラに向け、優しくすると子猫の様に甘え、喜ぶと周りに薔薇の花弁が舞うような、理想の生きてる私の着せ替え人形・・・
そして見る者によっては『妖精姫』或いは『私の天使』として認識する・・・
ちょっとスレちゃって、『もうお人形遊びは卒業ですのっ! 』と突っ張った挙げ句に、理想のお人形を目の当たりにし『メロメロ』になってしまった姿が、今のシンシア王女である。
無自覚だったとはいえ、自分の天使を辱めようとしていたという驚愕の事実がシンシアに後悔と反省という神の恩寵を与えたのである・・・
何も言うまい。美少女にひれ伏すがよい←今ココ。
要はリ●ちゃんか、ジェ●ーちゃんかバー●ーか・・・まあ、コメディなので( ・ิω・ิ)キリッ