可愛いは正義!
ミリアンヌ、(元)魔王に闇堕ちルート決定!・・・ウソです。
「ねえ、ミリア。いつの間に王弟殿下と仲良しになったのかな? 」
廊下をエスコートされる中、ミリアに向けてミリアンヌパパが問いかける。
「うーん、仲がいい? 何かちょっと違うような気もしますが。最初会ったのは大神官様の所です」
こんな事もあろうかと事前に誤魔化し方のすり合わせ三人でしといて良かった~(汗)のミリアである。
流石お爺ちゃん、伊達に百年も歳食って無かったよ感謝!
「コレは実は機密事項なのです父様」
声を急に潜めるミリア。慌てて耳を娘に近づけるアークライド侯爵閣下。
「ミゲル様が森で拾った猫がいるのです」
「猫? 」
「実はその猫が何と聖獣だったのですよ! 」
「聖獣? 何だいそれは? 」
「魔獣と対極の生き物で光属性の生き物なのですわ」
「え、そんなのいるの!? 」
「しーっ。父様声が大きいです」
「あ、ゴメンね~ 」
思わず周りを見回す侯爵閣下。何か可愛いイケオジ・・・
「で、その猫の魔力を調べに殿下が神殿においでになった時に私が・・・」
「私が・・・? 」
思わず唾を飲み込む侯爵閣下。
「その猫ちゃんにメロメロになりましたの~~ 」
両手を頬に添えて顔を赤らめて目をウルウルさせるミリアンヌ。
「・・・心配して損した・・・」
「何かおっしゃいましたか? 」
「いや、で、どうなったの」
「殿下に頼み込んで、メルちゃんと遊ばせて貰えるように許可を頂きましたのよ! ああ、メルちゃん~ 早く会いたいですわ~~ 」
目を♡マークにしてぷるぷる悶る娘を見ながら
「うーん。全然悪い虫要素が無い・・・」
「何ですの? 又昆虫ですの? 」
「いや、王弟殿下は王族の中では安全パイだから、キャサリンがね・・・」
「昆虫じゃなくて、背中に羽根の生えた天使みたいなモフモフの白猫ちゃんですの! ホントに可愛いんですのよ! 」
両手の指をワキワキといった感じで怪しい動きをさせるミリア。
「はあ」
「しかも喋るんですのよっ! 」
「ええ~っと・・・ミリア? 」
「何でしょうかお父様? 難しいお顔でどうしましたの? 」
「ミゲル殿下はどうなったの? 」
「ミゲル様はメルちゃんの飼い主様ですけど? 」
「いや、そうじゃなくて・・・ 」
「可愛いは正義ですわあ~~♡ 早く帰って、ミゲル様の離宮でメルちゃんに会いたいですわ~♡ 」
「いや、殿下はまだ謁見室だろう? 」
「あら、殿下は自分が居なくても、私が行けば離宮でメルちゃんに会えるように執事さんに手配してくれてますわよ」
「ねえ、殿下は居なくてもいいのかな? 」
「え、メルちゃんに会えれば満足ですけど? 殿下は騎士団での鍛錬でいないだろうからって言ってましたわ」
コテンと首を傾げる妖精のように美しい我が娘・・・
「複雑だ・・・ 」
「何がです? 」
「何でもないよ・・・ 」
額を抑えるミリアンヌパパ。
「話は分かったから、大広間にそろそろ移動しようか」
「あら、忘れてましたわ」
妻が喜ぶ様な報告は無さそうである・・・
「猫かぁ・・・ 」
「可愛いんですのよ~ 」
更に頬を薔薇色に染めて悶るミリア。
「・・・ 」
娘を会場へとエスコートする侯爵閣下の胸中はモヤモヤしっぱなしなのであった。
お読みいただきありがとう御座います(^^)
お年頃の娘のパパさん・・・胸中お察しください(爆)




