聖女の仕事は浄化です!
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突然、ミリアが手をポンと叩き、
「じゃあ、ルート潰すのは騎士団にお任せしましょう! 結界石を設置してもらえばいいんですから。この土地に関してはこれ以降蜂が来なくなればいいんですからね! 魔獣の討伐はギルドに国王様から手配してもらえばいいんですよ! 」
「おいおい、急にどうしたよミリー・・・」
「この村の周辺一帯を浄化します! そしたら残務整理をお願いする先は、決まってるんですから! 」
「残務整理って・・・お前な」
「要するに、それ以外が私のお仕事ですよね」
にっこり笑うミリアンヌ。
「絶対に無理するなよ・・・」
ミゲルが嫌そうな顔になった。
「アークライド嬢、しかしそれは・・・」
ストレリチア将軍が、慌てて止めようとするが
「現段階では、一番確実ではあります」
魔道師長親子が頷く。
「依頼なしでいいのか? 」
ギルドマスターが首を傾げるとミリアが
「まだ、見習いの身なので良いと思いますよ~ 」
えへへと笑う。
「まあ、依頼自体が騎士団預かりになった時点でどこにも利益そのものが発生しない。領主が国に助けを求めたのと一緒だからな。ミリーはまだ何処にも所属してないから構わんだろう」
ミゲル肩を竦めると、
「なるほどな」
ギルドマスターがニカッと白い歯を見せた。
何のことやら分からない冒険者達がポカンとしていた。
××××××××××
国境を挟んだ森の近くには人の住む村がここにしかないのは地図で確認した。
恐らくだが、隣国の森の結界石にも異常があって入り込まれたのではないかという結果に落ち着き、国を跨いで連絡を入れてもらう事となった。
実は人間界にいる普通の穴蜂達も人の耕した土地が以外に好きなのであるが、この辺りの土地は人の手が入り比較的穴が掘りやすい場所なので村の畑や入口を選んだのではないかという意見に落ち着いた。
「じゃあ、浄化をこの村一帯に施してここに卵を産み付けに来ないように予防するってことで良いですよね! 」
めちゃくちゃいい笑顔でギルド長と将軍に確認するミリア。
「「あ、ああ。お願いします」」
「じゃあ、村の入口つまりこの辺りが一番ヤバいんでこの場でちゃっちゃとやっちゃいましょう! 」
全員目が点になる。
「まてまて、待て。ミリーまた全力でとかいうのは俺の心臓が持たん! 」
慌ててミゲルに止められた。
「じゃ、この村を中心にして延長線上何キロくらいが妥当か地図で確認しましょう」
そう言って、地図を覗き込む。
「範囲を限定するより、土の状況で決めたほうがいいでしょう」
マーロウが地図を指差す。
「そうだな。街道沿いは必要ないだろうな」
ミゲルが街道が途切れる場所を指さした。
「人が通るところは奴らも避けるだろうからな」
「土も硬いでしょうな」
この村は結構野原が多くて野生のウサギなども多いらしい。
「元々の狙いが野原のウサギと孵化室の両方かも・・・」
「森の穴ウサギよりは捕まえやすいでしょうし」
皆の意見を聞いているうちに段々ミリアの目が据わっってきた。
「ウサギかわいいですよね。耳がピコピコ・・・ピコピコ・・・ 」
いかん、カワイイもの好きが発症して暴走しかかってきたぞとミゲルが焦る・・・
「お、おいミリー」
「えーい! このままミリアいきまーす! 」
ロッドを片手に持って振りかざし地面に杖尻を打ち付け
「いっけー! アバッツゥゥ! 」
「「「「「「あ~ 」」」」」」
ミリアの足元からうっすら緑がかった金色の衝撃波が生まれ、鏡の様に凪いだ湖面に水滴が落ちたように広がり始める。
音もなく次々と生まれて何度も何度も広がり続ける輪が音もなく広がり続けていく。
金の波は村の中外関係なく広がり続け、まるで見渡す限り金色の絨毯に埋め尽くされていく。
「これは・・・」
「見事な・・・」
「「「何だこりゃ~ 」」」
金の波打つ先に泡のように光る金の雪が散り、チリチリと鈴のような音をさせて消えていく。
「「「「「凄い・・・」」」」」
「ミリー、もう良いと思う所で止めろよ」
ミゲルがそっと肩を抱くと
「はい! 全力でやらないように頑張ってます! 」
力いっぱい返事が返ってきた。
「お前らしいよ」
フッと笑った時の暗い茶色の瞳に金の星が輝くのが見えた。
「あれ、ひょっとしたら何か魔力供給とかしてくれてます? 」
「まあ、ちょっとだけ干渉してるな」
「それで、凄く安定してるのかな? 元々広げるっていうのが得意じゃないんです。でも今やってる浄化はうまく広がってますもんね」
「ふうん」
ああ、またこの人に助けられてる?
「ありがとうございます」
「いーや、気にすんな。また倒れられたら俺が堪えるからな」
優しい手が桜色に染まったミリアの頬を撫でると耳まで同じ色に染まり、心臓がギュッとした。
「ねえ、マスター。ミリアちゃん、ひょっとして聖女? 」
「お、マリン気がついたか」
ギルドマスターがハハハッと笑って
「浄化はある意味魔法じゃねえからなぁ。魔法使いには異質に感じるだろ? 」
「そうだねえ。でも綺麗だよねえ」
皆が広がり続ける金の絨毯を目を細めて眺めていた。
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