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転生した元社畜男子は聖女になって人生逃げ切る事を諦めません!  作者: hazuki.mikado
四章. 転生聖女と冒険者ミハイル
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●女の宅●便再び

お読み頂きありがとうございます(_ _)


 その女の子はワイバーンが群れで湧いてる近くで、デカイ猫を連れてボーッと空を見上げていた。


 人じゃないみたいに綺麗な子だなと思った。多分貴族だ、あんな色は平民には滅多に出ない。



「なあ? さっきの女の子何処行ったんだ? 」


「さあ。エラく辺鄙な所にお貴族様がなんの用事かねえ」



 女といえば、このマリンとお袋位しか俺は知らないから、アンタ呼ばわりは失礼だったかもと、あとで後悔した。



「キレイな子だったじゃないか? お人形みたいでさ。アンタよりは年下だろうねえ」



 魔法を使って、ワイバーンにマーキングを入れるマリン。こういう所は素直に凄いと尊敬するが、男の趣味が悪いんだよなあ。



「それよか、畑に行った連中が遅いわね。アタシは探査とかは出来ないから行かなかったけど。どうなってんのかしらね? 」


「ウ~ン、見てくるか? 」


「ジル、どうするよ? 」


「ワイバーンが先だ。全部にマリンがマーキングを済ませたら一回行くか」



「「オッケー」」



 まあ、お貴族様とかそうそう何回も遭うもんじゃ無いしな。可愛いモン見られてラッキー位で忘れとくか。



「ちょっとジェーン、あのハエ撃ち落としてよ」


「無理言うなよ、もう」



 クロスボウを思い切り引絞り手を離すと、黒い奴が落ちてきたのが見えた。



「やるじゃん。よっしゃ~ 」


「あ、ワイバーンが」



 黒い奴が落ちた途端に急上昇していく・・・やっぱりあの黒いのを追いかけてきてたんだ。



「・・・あの虫、落としたら駄目だったのかしらね? 」



 俺はしらん。マリンの言う通りにしただけだ・・・



××××××××××



「メルちゃん、あそこあの畑」


「そうですアソコです御主人様の気配です」



 ミリアとメルが向かった村の端の畑は、何故か金色に輝いていた。



「この光、きっとミゲル様の神聖魔法だよ」



 畑の近く迄近づくと急ブレーキをかけるメル。



「うわ、どうしたの? 急に止まっちゃって」


「ミリア殿。この畑とやらは地面の下が空洞で、足を踏み入れたら落ちる仕掛けです」


「ええ!? 」



 金色に輝いている事を除けば普通の畑に見えるのに・・・でもこの畑のどこかにいる筈・・・穴?



「ねえ、ひょっとしたらこの下にいるんじゃないの? ミゲル様」


「吾輩もそう思いました」


「ウ~ン足を踏み入れない方法で畑に入るには・・・あ、アレだわ。メルちゃんちっちゃくなれる? 」


「承知致しました」



 シュルシュルと体が小さくなっていくメルヘン。代わりにミリアのロッドが大きくなった。



「じゃ~ん。●女の宅急便! 」



 ロッドに跨るミリア。



「ここにメルちゃん乗って」



 ロッドの先端をポンポン叩くミリアンヌ。



「はあ」



 メルが、ぴょんと示された位置に飛び乗ると



「行くよ~ 」



 ロッドに乗ったままふわりと二人は浮き上がる。



「おお。ミリア殿流石ですな」


「へへへ」



 猫が黒く無くても完璧! と内心ニマニマしているミリアンヌ侯爵令嬢である。



××××××××××



 上空から畑を見ると、金色の光の中心部が怪しいとメルヘンは言う。



「アソコに恐らく御主人様がいらっしゃいます。しかし・・・降りることができません。踏めば恐らく陥没します故」


「うう~ん、どうしようかな」



 どう考えても土の中だよねえ。地面に降りられないんなら、上がってきてもらうかー・・・



「じゃあ、地面を上げちゃおう! 」


「へ? 」



 メルの瞳孔が開きっぱなしになった。



××××××××××



「おーい、ミハイルもう大丈夫だぞなんか知らんが眠気もないし、脇腹も腫れが引いたぜ」


「鑑定で正常って出たぞ! 」


「・・・分かった」


「良かった良かった。ありがとうな! 虫の餌にならずに済んだ」



 半泣きのデカイ男二人に抱きつかれる。



「ぐえ・・・」



 初めて神聖魔法の浄化を使った。多分もう大丈夫。鑑定で正常って出たし・・・しかし



「腹減った・・・」



 ミリーの事を燃費が悪いって思ってたけど、こりゃあ使いすぎると腹が減るわ・・・



「しっかし、誰も来ねえな」


「外がどうなってるかが分からんからなあ」


「人参でも#齧__かじ__#るか? 」



 土だらけの服を寝転がったまま着るミゲル達。



「あ~もう」



 変な風にミリアンヌを思い出してモヤモヤして叫ぶミゲル。



「もう三日会ってねえ! 」


「おいおい、どうしたミハイル。ミリーって誰だよ」


「ばーか、コレだよこれ」



 小指を立てるサム。



「そうだよ、なんか文句あっか?! 」



 そう叫んだ途端、『バコーン』という間の抜けた音がして、天井が揺れ土がパラパラ落ちてきた。



「うわ、どうなってるんだ」


「揺れるぞ。おいおい俺達埋まるんじゃねーよな? 」



『バコーン』何だろうこの音・・・





お察しください・・・(^▽^)

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