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転生した元社畜男子は聖女になって人生逃げ切る事を諦めません!  作者: hazuki.mikado
一章.聖女と出会いと王宮と
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攻略対象という名の三●●トリオ

それがゲームの強制力とかいうものなのか・・・単に髪型への違和感なのか・・・


「なあなあ、聞いたか」



 正統派攻略対象第一位。


 スチル映えをメチャクチャ体現したようなハニーブロンドに、王家特有のラピスブルーの瞳。


 容姿端麗を絵に書いたような第一王子アレクである。



 「なんですか王子、今忙しいんですよね。つまんない事だったら殴りますよ」



 執務机の上の書類から顔を上げずに答える宰相の息子クロード。

 深緑色の髪の毛に榛色の目には銀縁眼鏡をかけている。インテリ系のイケメンだ。


 攻略対象第二位のクールビューティー。


 王子とは幼なじみでお目付け役でもある為、くだらない質問なら容赦なく殴る所存である。



「今度のデビュタントにアークライド侯爵家の『妖精姫』が出席するらしいぞ」


「へー。有名なアレですか」



 答えたのは出入り口付近に立っている赤毛に鳶色の瞳の野性味溢れるイケメン。


 攻略対象第三位、騎士団長の息子ハリーである。


 他の二人に比べると一回り背が高く、どちらかというとガチムチ系の脳筋である。



「この学院にも通わず、神殿で教育を受けてるっていう箱入り娘って評判ですよね」


「聖女認定が間近との噂もありますよ」



 顔も上げずに書類にペンを走らせながら答える宰相の息子。

 中々に苦労人の気配がする。



()()に絶対に手を出しちゃ駄目ですからね。覚えといて下さいよ殿下」



 いきなり、書類から顔を上げて王子を睨むクロード。



「おい、お前が書類から顔上げるなんて最重要事項かよ」



 ガハハと笑う騎士団長の息子ハリー。



「ええ。絶対に手を出す事はやめてください。ハリー、貴方もです」


「え~。可愛いって噂じゃないか」



 口を尖らせてクロードに異議を唱えるアレク王子。



「国を滅ぼしたいんならご勝手にどうぞ。そんなことしたら側近なんか速攻で辞めて隣国の親戚の元に僕は逃げますからね」



 メガネを左の中指でクイッとあげ、何処か遠くに視線を向けるクロード。



「「え~。そんなに?」」


「二人共、アークライド侯爵家の噂知らないんですか! 彼処の奥方に手を出した貴族の息子の末路・・・ うわっ思い出したらヒュッとなっちまった。クワバラクワバラ・・・ そのお嬢様で『深窓の令嬢』とか・・・ 無理、無理・・・」


「「・・・」」



 急に青い顔になり、股間を一瞬押さえてから書類仕事に戻るクロードを無言で見つめるニ人。


 学園から帰ったら最速で自分達の父親に詳細を聞く事を絶対に忘れないよう心に刻んだアレク王子とハリー騎士見習いである。



××××××××××



 学園内の生徒会執務室のドアが『コンコン』とノックされ、こちらの返事と共に入室して来た少女。


 学園の制服に身を包んでおり、その金髪をドリルの様な形にガッチリ整え、薄っすらと化粧を施している辺りが実に悪役令嬢ポジションめいているティーダー侯爵家のご令嬢、ティリアである。



 現在王太子妃候補筆頭ナンバー・ワンの位置と称されており、本人も煽られてそのつもりで行動中と噂されている。



「御機嫌よう。殿下方」


「ティーダー侯爵令嬢、何か殿下に御用でしょうか」



 正式な婚約者ではない為、取次はクロードか、ハリーの役目である。



「来週のデビュタントでのファーストダンスの件なのですが・・・」


「? ファーストダンスは、当日のエスコート担当の親族でしょう。どうされました」



 眼鏡を、クイッと上げるクロード。



「実は殿下が当日のファーストダンスを、アークライド家のご令嬢と踊るのではという噂が御座いまして」


「「へ?」」



 思わずアレクを振り反ってしまうクロードとハリー。


 王子は首を横に勢いよく振っている。



「事実無根の噂ですね。ご令嬢も意味なく殿下を煩わす事など無き様にお願いしますね」


 ニッコリ笑って退室を促すクロード。



「分かりました。それでは失礼致します」



 スッとカーテシーを披露し、音もなく退室して行くティリア嬢。


 パタンと扉を閉めた後、振り返ったクロードの額に青筋が・・・



「書類が遅れる! 全く何なんですかねっ女性っていうのは本当に下らないっ! 」



 席に戻ってバリバリ書類にサインをし始めるクロードを横目に



「うーん、ティリア嬢が、アレクの横に並ぶっつうのが何だかな~シックリ来ないんだよな~・・・」


「うーん、僕もそう思ってるんだよな~」


「「あの髪形なあ~・・・」」



 イロイロと、なんでだろうと首を傾げる王子と騎士見習いであった。



いつもお読み頂き感謝です(^^)

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