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第3部 プロローグ ブラックスワン

お待たせしました!第3部開幕です。

あまり書き溜めることができなかったので、投稿遅めになります。

そして、「改稿御免」になるかと思いますが、ぜひお付き合いください!


2021/6/29 改稿

 ニューズ・オンラインでは、日が徐々に傾きつつある。そんな中、観客席にいるヤジマは闘技場で繰り広げられる二体のアバターの一騎打ちに目を奪われていた。


 徐々に薄暗くなりつつある闘技場の舞台を立体的に使い、二人の激突によって各所で生み出される閃光。二人の間で幾度となく刃が交わされ、リズミカルな剣戟(けんげき)音を奏でる。その華麗な剣舞はまるで、二羽の水鳥が水面で戯れているかのように優雅だった。


 その時、闘技場から凄まじい突風が吹き付け、ヤジマは思わず腕で目の前を覆う。すると同時に、観客席から一際大きな歓声が沸き起こった。


 腕越しに闘技場を垣間見ると、一方のアバターが鳥かごのような球体に囚われ、身動きが取れなくなっているのが見えた。そして、もう一方のアバターがとどめを刺さんと攻撃態勢に入る。


 すると次の瞬間、闘技場の端に黒い帷子(かたびら)を着た少女が現れた。少女は何を思ったのか、二人のアバターの間に息を弾ませながら立ちはだかる。


 全く想定外の出来事に、ヤジマは呆気にとられながら少女のことを見つめる。すると少女は、何かを探すように大粒の涙が溢れる目を観客席に向けた。その刹那、ヤジマと視線が交差する。


「ヤジマ!!」


 少女は叫んだ。名前を呼ばれたヤジマは心臓を鷲掴(わしづか)みにされたように胸が苦しくなる。そして、思わず少女のもとに駆けつけてしまいたくなる。


 しかし、ヤジマにはGMという足枷がある。この足枷がある限り、ヤジマは今動くことはできない。GMがこの一騎打ちに介入してしまえば、運営側の公平性が疑われてしまう。


――GMなのだから身近な人よりも他人のことを大人しく尊重すべきなのだろうか


 ヤジマはこの瞬間、大きな決断を迫られていた。

ここまで読了いただき、ありがとうございます!


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