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第2部 プロローグ 世界が滅ぶ日

2021/05/17 改稿

◆ニューズ・オンライン ギニーデン西門◆



 最初は目眩かと思った。足元がふらつき、地に足がついていない感覚。しかし、耳を澄ませるとかすかに地鳴りのような音が聞こえ、「あ、地震か」と思い直した。


 いやしかし――とヤジマは考えを改める。ここはニューズ・オンラインの中。地震というイベントに心当たりはなかったので、この揺れの正体がわからなくなる。


「ジーモ、何が起こってるんだ――」


『大変だぁあああ!! 誰か外壁の外に来てくれ!!』


 一人の騎士が息も絶え絶えに、ギニーデンの外から西門を抜けて走り込んでくる。


 なんだなんだと、野次馬たちがゾロゾロと西門に集まっていく。ヤジマもそれに続き、西門を抜けて外壁の外に出た。そのころには地鳴りはヤジマの全身に響くほど大きくなり、ただ事ではないことは明白となっていた。


 ヤジマは外の光景を見るなり唖然として体が固まってしまった。その他の野次馬たちも皆同様に、信じられないといった様子で立ち尽くしていた。


 地平線上を埋め尽くすように、大量の黒い影がギニーデンに向かって進行してくるのがわかった。


 黒い影のそれぞれは、ヤジマの目にはまだ小さく写っているものの、この距離からでも視認できるほどの大きさである。


 その光景はまるで黒い津波が世界を覆い尽くそうとしているようだった。世界が滅ぶ日はこんな光景なのだろうと本気で思えた。


 ヤジマはどうすればいいか分からず、頭を掻きむしる。


 今すぐに目的地に向かわなければニューズ・オンラインのサービスが停止してしまう切羽詰まった状況。


 しかし、この迫りくる黒い影を放置するのは危険だ。一刻も早く対処すべきだろう。どちらを取っても地獄という気がして泣けてくる。


 ヤジマはGM一週間目にして最大のピンチを迎えていた――


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