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異世界最強国家 ~転移先はリアル中世ヨーロッパでした~  作者: Lapis
第三章 新しい町、そして国
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第四十五話 お金を作ろう

 ハンスとマックスは一日石灰岩と火山灰を掘り、村人たちとともに帰宅した。石灰岩と火山灰は積み上げておき、マックスは彼の家へ帰ったので、ハンスは一人だった。そこへ哲郎たちが帰ってきた。


「どうだった、兄貴」


「大収穫さ。ほら、これを見ろ」


 哲郎はそう言って、自慢げに黄銅鉱を見せた。


「きれいだな」


 ハンスが言った。


「でも、これがお金になると聞いたら、もっと驚くだろう?」


「お、お金だって!?」


 ハンスは声を上げた。


「テツロウさんの計画なんですよ」


「どういう訳なんだ、兄貴」


 ハンスは訊ねた。





「……という訳で、この黄銅鉱でお金を作ろうということになったんだ」


「なるほど……」


 ハンスが声を洩らした。


「すごいな、俺じゃあ考えてつかねえぜ」


「いや、これはロレンツォの助力があったからで……」


「でも、最初にアイデアを出したのはテツロウさんですよ」


 哲郎が謙遜すると、ロレンツォがほめた。


「まぁ取り敢えず、俺達のやるべき事は……コンクリートとかいうやつの製造と、お金の鋳造だな」


「ああ、コンクリートの建造は明日にでも教えるから、ハンスはマックスと村人に伝えてくれ」


「合点だ。まずは何を作るんだ?」


 まずは、と問われて哲郎は悩んだ。できれば町を全てコンクリートで作りたいが、最初からそれはできない。


「そうだな……。役所でも作ったらどうかな」


「役所?」


「村人達の相談窓口のようなものだ。村の運営もしばらくはそこでやるだろうな」


「そりゃいいな」


 じゃあ、と哲郎は立ち上がりながら言った。「とりあえず明日はお金の職人とも相談しないとな」


「そうですね」





 翌日、哲郎はハンス、ロレンツォとともに貨幣を造れそうな人を探していた。


「確か、リブラ銀貨を鋳造している奴がどこかにいたんだがな」


 ハンスが言うと、


「それは心強いですね」


 ロレンツォが答えた。


「で、結局どこにいるんだ?」


 しびれを切らした哲郎が訊ねた。ハンスは、


「俺も分かんねえ。どの家にいるかがな」


 答えた。


「とりあえず、村人に聞いてみましょう」


 見ると、ロレンツォが村人の一人と話している。


「何か分かったか?」


「ええ、分かりました。三軒先です」


 三人はすぐに職人の家に辿り着いた。


「しかし、最近あまり村を歩いていないから、家の配置が分からなくなってきたな」


「ええ、あれから随分と家が建ちましたからね」


「だがその家も、いずれは区画整理され、コンクリートで作られるんだ!」


 哲郎が強く言うと、


「そうなればいいな」


 ハンスが呟いた。

 そこに、


「どうしたんだ」


 職人が出てきた。


「おや、お前はあのハンスじゃないか」


「ああ、どうも。今回はお金を造ってもらいたくてな」


 ハンスが単刀直入に言った。


「お金……? リブラ銀貨を勝手に作るのか? 俺があの町で銀貨を造れていたのは許可状があったからで、俺達は存在していない事になってるから許可状も無効になってるぞ。それに銀貨を作るなら、銀は一体どこにある?」


 職人がまくし立てた。ハンスは笑って、


「そんなにムキになるなって。村長さんが、いや、今や国王さんが新たな通貨を作ろうって言ってただろ? あれのことだ。聞いてやってくれ」


 と言った。哲郎が口を開こうとすると、ロレンツォが先に、


「私が説明しましょう。テツロウさんよりも上手く説明できると思います」


 と言ったので、哲郎はロレンツォに話を譲った。





「……という訳で、新たなお金を作ろうとしているんです」


 ロレンツォがそう説明した。


「ふうむ……なるほどな。リブラ銀貨は勝手に鋳造できないからな」


「ええ、そのために力を貸していただきたいのです。上手く行った暁には給料として出来立てのお金を差し上げます」


 職人はそれを聞いて笑った。


「失礼ですが、リブラ銀貨はどのようにして造っていましたか?」


 哲郎が訊ねると、


「鉄で金型を作って、それを円盤形にした銀にプレスしていたね」


 職人が答えた。


「それなら問題ないでしょう。新しい硬貨は銅で作る予定ですが、問題ないですね」


「そうだな、次は単位だな」


「レンゲルドなんかでどうだほう。一レンゲルド、五レンゲルド、十レンゲルド、五十、百、五百くらいまでかな」


「いいですね」


「あとはデザインだ」


「デザインか……」


 哲郎たちは腕を組んだ。


「まず、表にはその硬貨の持つ価値を数字で入れよう。例えば1や5などだ」


「ええ、そうですね」


「後は硬貨の裏面のデザインだ」


「兄貴の横顔は必須だよな」


「百レンゲルト銅貨にはテツロウさんの横顔を入れましょう」


「一レンゲルト銅貨には小麦だな」


「他には……」


 こうして、新たな貨幣作りは着々と進んでいった。





「で、どうやってコンクリートで家を建てるんだ?」


 帰宅したハンスが、哲郎に訊ねた。


「職人に頼んで、木の枠か何かを作ってもらう。これを基本のブロックとして、それらを積み重ねるんだ」


「レンガのようにするのか」


「ああ、その上からさらにコンクリートを流し込んで固めるんだ」


「職人がそれに納得してくれるかだな」


「それをハンスとマックスにやってもらいたいんだ。僕やロレンツォは村人たちには馴染みがない。その点、ハンスはレンブルク市民と知り合いだろ」


「ま、まあな」


「もし問題があれば、また言ってくれ」


「分かった」


「あともう一つ、コンクリートで家を建てるからといって職人の仕事が奪われる訳じゃないってところも伝えてくれ」


「了解だ。じゃあ俺はマックスを探しに……」


「頼んだぞ」


 哲郎はハンスにそう言った。

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