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クラージュ・イストワール  作者: Hanna
プロローグ ―全ての始まり―
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序節1 何気ない日常

 何気ない日常。楽しい事もあるけど、正直つまらない。

 受験シーズンへと向かう中、高校三年の光を持たぬ瞳を持つ少女『式守(しきもり) (ほのか)』は、そう思いながら授業を受けていた。

 彼女は運動をしない割に、見た目と体格は悪くない。コンタクトをつけており、オフの日は眼鏡をつける。また、制服はスカートではなく、女子用のズボンを履いている。

 更に、焔は十五分で集中力が切れてしまう。実際に、成績は彼女が小学生だった頃を境に落ちている。


(はぁ。このままじゃ、いけないのは分かってるけど)


 と焔はそう思っていたが、中々行動に移せない。情けない心を持っている。

 今まで、部活以外の習い事はやっていたものの、直ぐに辞めてしまっていた。おかげで、今は何もやっていないに等しい。


(学校に行かずに、二次元へ飛び込みたい!)


 そして、れっきとした重度のアニメヲタクである。彼女の筆箱には缶バッジが三個ついていて、キーホルダーが三つがついている。

 これだけでない、クリアファイルは全て推しキャラ。部屋のポスターも推しキャラと好きな声優ので、三対一の比率で埋め尽くされている。

 また、趣味でネット小説を執筆していて、現在は一つの小説を連載している。そこそこ、上手く行っている。



 休憩時間となり、彼女はスマホを取り出してアプリゲームを始めた。殆ど、乙女系か歴史人物擬人化系である。


(あぁ、推しは最高! 癒やされるわ〜)


 と思ったその時。女子たちが、何かで盛り上がっているのだろうか「キャー!」と叫ぶ。


(どうやったらキャーとか出来るんだか……。羨ましい)


 焔はアルト声質で、女子たちのように「キャー」と叫ぶ事は絶対にしない。すると、今度は廊下から「ドンっ」と大きな音がする。数人の男子たちが話して大声で笑う。


(どうやったら、ふざけられるんだか……楽しんでいる所悪いんだけど、もう少し小さくやってくれないかな?)


 と、彼女はそう心の中で呆れて言う。

 そう言う前に、彼女は幼い頃から大きな音などがいきなり響いたり、叫び声の音が高く耳に響いたりするのが嫌いなのだ。最近は、多少慣れたものの、やはり苦手らしい。

 しばらくして放課後となり、焔は帰宅していた。


(あぁ、早く帰れたぁ~!)


 と焔は、帰ることに嬉しかった。

 彼女は、過去に虐めを受けており、心に傷を抱え始めてから学校が嫌いになった。また、その延長線上で、人混みや勉強も徐々に嫌いになっている。


(あぁ、でも、あの二人が帰ってくるとなぁ)


 と思う。焔が言う二人とは両親の事である。

 父親は、家の手伝いをせずに怒られるような事があれば、だんまりになる。母親に関しては、仕事から帰ってきて焔が話しかけてもなかなか応えてくれない。

 また、一緒に暮らしている祖母に迷惑を掛ける事が多く、困らせている。

 焔は、そんな両親が苦手で悩んでいる。祖母に迷惑を掛け無い様に心掛けているつもりだが、つい八つ当たりしてしまう。

 過去の虐めで、性格は歪んだ状態になり、やさぐれている事も多い。つまり、不器用なのだ。

 そんな彼女の将来の夢は、声優である。友人の影響もあるが、アニメや声優のイベント映像を見てからの影響が強かった。

 しかし、コミュニケーションが苦手な彼女にとって、課題は少しありそうだ。



 家に帰り、夕食と風呂を済ませた焔。彼女は直ぐ様部屋に入り、ベッドへ横になりながら、カーテンを摘んで窓越しから夜空を見る。


「明後日まで学校か……。面倒くせぇ」


 そう考えている内に睡魔に襲われ、焔はベッドで眠りに落ちていった。

 読んでくださいまして、ありがとうございます。前作の事を活かして、書こうと思います。予定としては、序盤の“立志編”、中盤の“継承編”、終盤の“勇者編”(開始時点での予定)として書き記したいと思っていてます。

 まだまだ、努力する事が多いので温かい目で呼んでいただけると嬉しいです。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

 焔:いよいよ始まりましたね。と言っても、まだまだ序盤の始めです。次回『序説2 異世界の異変』。お楽しみに。

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