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ユメトキドキ ~この異世界の果てに~  作者: ぴい
第1章 夢から覚めて
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第1章 001 〜出会い〜

『カラーン、カラーン』


何処かからそんな音が響き渡る。


「なんだ? 今の音…こんな時間に…まあ、いいか、寝よ」


 とは言っても、間も無く日の出てくる時間で外は少し明るくなってきている。 そんな昼夜逆転生活をしてる1人の男が今日もまたいつも様に眠ろうとしていた。


 狭いアパートの一室。 室内はまあ割と綺麗にしてある方だ。 というか特に物が無く寂しい感じだ。 いつの間にか男は眠り、太陽が昇っていた。


『カラーン……』


 ーー違和感を感じた。


「ん? あ、? なんだ? どこ? …だ?」


寝ぼけながら辺りを見渡す。

さっきまで自分のアパートで寝ていたはずなのだが、明らかに違う。 というか、外。 しかも丘のような場所。 夜で星が輝いていた。


「んーー。 夢…か? ん? 夜?」


男は混乱していた。 それもそうだろう。 さっきまでベッドで寝ていたはずなのに、硬い地面に寝そべり、朝を迎えたはずなのに今は夜なのだ。


「まあ…いいか。 また夜になってるし、ラッキーって事で……むにゃむにゃ」


『むにゃむにゃっておいー!! よくこんな状況で寝れるよね、君は。 相変わらずいい神経してるよ。』


声が聞こえた。 高い声だ。 しかもちょっと可愛い感じの女…の人? かな。 あれ? これってまさか、よくある召喚モノのやつとか? こんな事あるんだ! ウハーラッキー!! いきなりメインヒロイン来たよ! 声だけで可愛いってわかるよ!よっしゃー! などと思いながら、声の方を振り返った。


『やあ! やっとお目覚めかな?』


そこにはなんとも愛らしい……猫? のような容姿の愛くるしさ全開のへんな生き物がいた。 浮いていた。。。

白い猫で、綺麗な青い目をしている。


ーーっていうか、なんでしゃべってるんだコイツ。


ああ、なんだ。 やっぱ夢かと思い。 可愛い女の子ではなかった事に肩を落としたが、ニッコリと笑顔をつくり「おやすみなさい」と猫(?)に一礼し、二度寝を決め込む。


『コラコラコラーっ! 本当に昔から眠るのが大好きだなぁ君は。 ほら起きて起きてよー』


猫(?)はポンポン叩いて起こしてくる。 フニュフニュしてて全く痛くはない。 がとてもうざい。


「アーーー!!! なんだよお前! うるさいなあ。 それに相変わらずとか、昔から俺を知ってるような話し方しやがって。 それに俺は猫より犬派なの! OK?」


『ボクは猫じゃないよ。君が犬好きなのは知ってるよ。というか君の事はなんでも知ってるんだけどね。』


意味ありげにニヤニヤして、おちょけ顔をしている。



「ーー!? なんでも、だって?」


『そう。なんでもだよ。あーんな事もこーんな事も。例えば昨日キミが寝る前にーー』


「ばっ! バカ! 言うな。 信じてないけど、とりあえず言うな! わかったから。…んで? なんなのチミは?」


猫みたいな物体は、腕を組み得意そうな顔で


『ボクは君だよ。 ん? なんか違うかな? いや、まあそんなところだよ! とにかく一心同体。 みたいな感じだよ。』


得意そうな顔をしていたが、イマイチ説明が下手くそだ。


「んー。 よくわからねーよ。 それにここはどこだ?こんな大自然みたいな所、小学生の遠足以来だよ」


『まあ そのうちわかるよ! よろしくね! レン』


俺の名前…そうだ。 レン。 俺の名だ。 29年間慣れ親しんだ。。。 そうか。 まあなんでも知ってるなら名前くらい知ってて当然か。


そう。若くは見られるが意外に少年とかではない。レンは幼い容姿でさらに頭の中も今でも中二病真っしぐらな青年なのだ。


「お前は何て名前なんだ?」(っていうか何者なんだよ)


『んー。名前かあ。ボク、君の中に居たから名前なんて無いんだ。今まで誰とも干渉してないからね』


「俺の中に? まあ、聞きたい事は山ほどあるけど、名前が無いのは可哀想だな。 …よし」


ドヤ顔して指をさし


「二ーチェ。 それが今日からお前の名前だ!」


猫(?)は目を大きくして頬を火照らし嬉しそうに


『ニーチェ。か…うん すっごく気に入ったよ。 ありがとう。 改めてよろしくね。 レン』


まぁ昔友人が飼ってた二チェって名前の猫をちょっとそれっぽくもじっただけなんだけどな。喜んでるみたいで良かった。


「こちらこそ よろしくな ニーチェ」


それがこの、どこかわからない場所と、訳の分からない1匹の生物との出会いだった。


そんな彼らの向こう側で鐘の音は鳴り響いていた。






皆さん初めまして。 よろしくお願い致します。


定期的に更新していく予定です。


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