2.母さんやっぱすげえ
結果的に言おう。けっこう似合ってると思う。
腰まであった黒髪をバッサリと切った。そして学園の制服(もちろん男子用)を着る。もともと、女子の平均よりも背が高いし筋肉だってそこそこある。鏡に映った自分を見て「最初から男に生まれたかった。」と思ってしまった。
黒髪に少しツリ目な紅い瞳、少しだけ手足が細いぐらいで結構違和感ねえ。「うん、お似合いよ!攻略対象よりもイケメンなんじゃないの?」と母からのお墨付きも貰えた。
なんか作法とかいるのかなー?と思ってたけど、学園は表向きは無礼講じゃ!的な感じらしい。まあ、テキトーでいいってことよ。
学園には15歳になったら入学しなければならない。ということなので、めっちゃ剣の練習をした。座学も学んだ。一応作法も勉強した。魔法は…なんか止められた。極大魔法を打とうとしたからかなー?なんか父と母が慌てて、二人がかりで魔法を消してたよwわざとじゃないよ!
そんなこんなで、さあ15歳。来週から寮からの学園生活!母さんから「ヒロイン達の恋愛を出歯亀...もといクラスメイトとして見守り、国に目をつけられない程度なら暴れてもいいよ」と言われました。国に目をつけられないを強調して。国に目をつけられるってそんなこと、あるわけないじゃないですか!はーっつはっはっはー....はあ。できるだけ気をつけます。
私は父と母の影響か魔力をたくさんもっていて、しかも転生者。記憶が戻った8歳の頃から、前世の記憶を生かして新しい魔法を作ってました。世間には出てないから、使ったら目立つってことだろう。自重します。
ある日母さんに呼ばれて、母さんの部屋に行くと
「エリさん、エリさん。ちょーっとお願いがあるんだけど、これを使ってスチル撮ってきてくれませんか?」
とカメラらしきものを持って言われた。カメラってこの世界になかったはずなんだけど?
「この7年間ずっと研究して作った。このカメラの性能には1回魔力を込めると持ち主以外の人から見えなくなる。しかもフラッシュも無いし、音も出ない。完璧盗さ...完璧スチル撮りができるわ!」
母さんやっぱすげえ、普通のカメラの前に盗撮用カメラを作り出しやがった!ありがたくご頂戴いたします。