11....もしかして、変なフラグを立てちゃった?
「これより模擬戦を行う。魔法や武器、体術なんでも使え!対戦相手は張り出した紙を見ろ。賞金と一人部屋目指して頑張れよ。」
あれから1週間、無事にやってきました模擬戦!
もちろん目指すは1位です。この日のために武器も作ったし、完璧!(キラッ
まあ、まずは模擬戦の相手を確認しなきゃ。
えーっと.......
「エルっちの相手はモブA君だね〜。蹴散らしてやれ!」
「エリーさん止めたげて!一応伯爵嫡子だから。」
張り出された紙には、男女別で全クラスの対戦トーナメントが書かれていた。全クラス合同なため、エリーと一緒に見ている。
「このイベントで、ヒロインは4位まで上り詰めるんだけど、使い慣れない魔法を暴走させちゃうんだよね〜。」
「けど対戦相手の攻略対象に助けられる、みたいな。」
「ひゅー!あるある!」
そんな事を話していると、早速第1戦が始まったようだ。
私は第3戦からだから、そろそろ用意を始めなければならないから、ここでエリーとは別れる。
ふと会場を見る。華々しい初戦は王子様対侯爵家次男だった。王子様は華麗な剣さばきで相手を打ち負かす。その時こちらに背を向けていた王子様の顔が一瞬見えた。
ーその表情に私は背筋が震えた。
いつも通り微笑んでいるが相手を侮っているわけじゃなく、ただつまらいというような瞳をしていた。
絶対にあの王子にも勝ってやる!あの表情を崩して悔しそうな顔をさせてやろう!
「次はーー対ーー。はじめ!」
第2回戦が始まり、私は慌てて控え室に行く。向かった控え室には、先程戦い終わった王子がいた。王子様もこちらに気づいたようで、視線が合った。ので、宣戦布告をした。
.......いや、悪気があったわけじゃないの。ただね、魔が差しちゃったの。うん、すごーく反省してるよ。
「どうも王子様。クラスメイトのエルです。さっきの戦いつまらなさそうでしたね。僕はあなたを叩きのめして1位を取るつもりなのでどうぞよろしく?」
ちょっと挑発気味に言ってみました!
王子様はキョトンとした後に、声を出して笑った。
「ハハッ!そうだね、ぜひ楽しませてくれよ。」
なんか馬鹿にされてない?確かに本当は女子だから、少しは華奢かもしれないけど…なんかむかつく。
「...そうだ!賭けをしましょうよ。負けた方が勝った相手の言うことを聞く!」
「僕は王族だよ?君が勝ったらいい事は沢山あるけど、僕に何の得があるのかい?」
「う〜ん....そうだ!僕が光と闇の属性を持っているのはご存知でしょう?一生を懸けて忠誠を誓いますよ!それに王子が勝てば、損することはないでしょう?」
私がこれでどうだとばかりの勢いで話すと、王子は腹を抱えて笑った。その様子を呆然と見ていると、王子がようやく笑い終えた。
「君は面白いね。その勝負受けて立とう。それと王子って呼ばれるのは少し寂しいからぜひアルトって呼んでね。」
そう言い残し王子...アルトは控え室を出た。
残された私はまだ呆然としていた。だって
「名前呼びは好感度が高くなってからじゃないっけ...もしかして、変なフラグを立てちゃった?」
と、そこまで考えて前提条件が違うことに気がついた。
そうだ今私は男装してるんだ。ということはお友達フラグか!
そんな推測をしていると、外から歓声が聞こえた。いよいよ出番か。
ーさあ、ショータイムだ!...すみません。言ってみたかっただけです。
ちなみに、エルは鼻血を止める魔法を開発致しました。(ご都合主義!)
本来は鼻血ドバドバです。