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ばーやのステータス

「キリア様、どうされたのですか?」

ばーやは心配そうな顔をしてこちらを伺ってくる。

俺はショックのあまり言葉を返せず、固まったままだ。


「スキルに何か悪いものがついてたのですね。では私のステータス透視スキルでキリア様のスキルを確認してみます」


ボーッとしていて何を言っているのかわからなかったが、直ぐさま我にかえる。

非汗が一気に流れる。


本来の異世界転生では、

すごい能力だ! 皆がびっくりするので、この能力を隠なければ

とか

軍事利用される

とか

転生者だとばれる

とか

色んな理由をつけて隠すのだけれど、この理由は未だかつてないだろう。

『この能力を見られたら社会的に死ぬ』

というか、マジで引かれるだろう。


「ま、まっ」


ステータスの文字が空間に浮かぶ。

一歩遅かった。そして、俺の人生も終わった。


======================

ステータス

======================


* 名前 キリア・リンデレーネ

* 種族 人間族

* 性別 男

* 年齢 5歳

* 職業 なし

* レベル 1

- EXP 0/2

* 加護

- 村人の加護Lv1


* 基本スキル

- HP 5/5

- MP 0/0

- 筋力 2

- 防御力 1

- 素早さ 3

- 魔法攻撃力 0

- 魔法抵抗力 0


* 特殊スキル

- なし


「あれ?」

浮かんだ文字は先程確認したものと違っている。

主に社会的に死ぬ部分が綺麗に改訂されていた。


「キリア様、誤解されているようですけど、これは初期スキルにしては良いですよ。悪いスキルついていないですし」

「そ、そうかな〜、あはは」

俺はとりあえずその場を合わせることにした。


「普通は、虫歯とか、センス☓とか、サボりぐせとか、不眠症とか付いているものです」

それってどこのパワ●ロですか。


まぁ、普通であれば何とかなるかな。俺はなんてったって異世界の記憶があるんだし。

でも……異世界の記憶ってこの世界で通用したことあるか?

やっていける気がしない。


俺は深い溜息と共に投げやりな質問を投げかける。

「ちなみに、ばーやのスキルを見せてもらうことってできるの?」

「いいですけど、ただの家政婦のスキルですよ」


ばーやは腰をポンポンと叩き軽く伸びをした後、ステータスを空中に開いた。

「私はいいですけど、基本的にはステータスは人前で開かないこと」

ああ、はい、お決まりのやつね。

俺はばーやのステータスの文字を覗き込んだ。


======================

ステータス

======================

* 名前 バーヤ・ネクロマリア

* 種族 ヴァンパイア族

* 性別 女

* 年齢 202歳

* 職業 メイド


* レベル 90(MAX)


* 称号

- 草刈り名人、洗濯名人、料理名人、最高食材調達人、不世出の大格闘家、龍狩りの心得


* 加護

- 赤き月の加護、妖魔の加護Lv5


* 基本スキル

- HP 520/520

- MP 1020/1020

- 筋力 200

- 防御力 1230

- 素早さ 3300

- 魔法攻撃力 5500

- 魔法抵抗力 5000


* 特殊スキル

- 格闘Lv10

- 狙撃Lv8

- 血抜き


* 成長効率

- 火 10%

- 風 10%

- 水 10%

- 土 10%

- 闇 10%

- 光 10%

- 無 40%


なんだこのツッコミどころしかないスキルは……。

「ばーやって、”バーヤ”が本名なの?」

「?? キリア様おっしゃっている意味がよくわからないのですが」


深くため息をつく。

「ばーやってヴァンパイアなの? あの吸血衝動が暴走して、パワーアップして、血とか吸う奴」

「ヴァンパイア族ですが、血を吸うのは、400年位前に一部のヴァンパイア犯罪者が行っていた儀式が広まっただけです。今では一部の狂信者が血を吸うと言っているだけですが……誰かそのようなことを言っていましたか?」

ばーやはニコッと笑顔を作っているが、その心は笑っていないように思う。


「い、いや、どこかで聞いただけだよ」

手を振り適当にごまかすと、ばーやはそうですかと言い、いつもの真面目な表情に変わる。

……ばーやってもしかして少し天然入っている? と最近思うこの頃である。


「でも、メイドにしては、このスキル強すぎない? 龍狩りの心得とか、メイドの仕事に必要なの?」

「龍は美味ですからね。龍を食材として狩るのも、必要かと。その他諸々の戦闘スキルは、ご主人様をお守りしたり、食材調達に必要なスキルです」

明らかに過剰スキルだろと心の中で突っ込む。

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