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異世界転生したぞ! これで勝つる

しがないオタクサラリーマンである主人公(31歳童貞)は、日々の仕事後、アニメやゲームをして過ごす日々。一応、誰もが知る某外資系IT企業にCTOとして務める彼は、金には困らない。日々の給料やボーナスを全てアニメグッズやゲームに費やしても、問題がない。

趣味ではなく、仕事の方もそれと言って嫌いではなく、仲間と共に複数のプロジェクトをこなしていくのは、RPGやシュミレーションゲームのようで楽しかった。


それは彼にとって幸せな毎日だった。


そうような日々を走馬灯のように蘇ってくる。周りの景色がスローモーションに見える。

目の前には大型トラックがいた。

彼は不幸な事故に会い、その若さで亡くなった。


◆◇◆◇◆◇◆




「オギャー、オギャー」


なんだここは、体の周りがベトベトしている。

というか、上手く動けない。目が見えない。

それに甲高いこの鳴き声はなんだろう。


「元気な赤ちゃんですね。フィオナ様ほらこんなに元気な声で泣いていますよ」


中年の女の人のような声が聞こえる。その声の人に俺は抱きかかえられている。

元気な声(俺が甲高い声と思っていた)のは、どうやら俺の声のようだ。


「ああ、こんなにも可愛い子が生まれるなんて、良かったわ。キリアちゃん、お母さんだよ」


フィオナはその白い指先で俺を触る。

触れられた瞬間、ぱったりと記憶を無くした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


状況説明をすると、俺は死んだらしい。前の世界でだけど。

そしてなぜか記憶が残っている。

これはさてはあれか。異世界に転生して、無双する例のパターンのやつか。

俺は心を震わせる。


「あら、キリアちゃん、なんだか幸せそうね。笑っているわ」


この透き通るような声の持ち主は、この世界での俺の母親となるフィオナ・リンデレーネ。


俺はまだ目が見えないが、

このゆったりとした優しい感じ、そして、『フィオナ』という名前から察するに、

絶対に巨乳金髪お母さん(25歳くらい)と相場が決まっているものだ。


そして、俺の名前はキリア・リンデレーネという名前らしい。

その名前を聞いて、性別の判断がつかなく不安だったのだが、一応男らしい。

まぁ、俺としては、転生先では美少女となり、キャッハウフフの百合的展開も悪くはないからどちらでもよかったのだが。


「は〜いミルクの時間よ」


俺はその豊満なおっぱいにしゃぶりつく。

本能のまま貪る。


「相変わらずすごい飲みっぷりですね、フィオナ様。私も色々な子を見てきましたけど、このような子は初めてです。乳首は痛くないのでしょうか」

「ばーや、不思議なことに見た目ほど全然痛くないのよ。時折赤ちゃんとは思えない感じで、舌が変な風に舐めてくるけど」


『ばーや』というのは、古くから努めているここのメイドらしい。

俺を初めて抱え上げたのも、このばーやである。ばーやという割には声は中年で、決してババアではなさそうだ。



二人の声が遠くなる。どうやらここまでのようだ。

まだ生まれたばかりというものもあり、はっきりとした意識があるのは、一週間に一度くらいなのだ。

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