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7話 翔の再開 後編

僕は職員室の引き戸を開けた…。

僕の視界には、先生が3人見えた。

僕が引き戸を開けた音でどうやら僕に

気づいたらしい、そしてある若い女性の教師が

椅子から立ち上がり僕に向かってきた。

「指定時間から15分前にいらっしゃいましたね。

あなたが漣 翔君でいいのかしら?」

僕に喋りかけてきた女性は実に美人だった。

10人にこの人美人ですか?って聞くと

10人美人ですと答えられるくらい美人だ。

例えるなら、俺ガ◯ルの平塚先生に似ている。

「そ、そ、そうです。ぼ、ぼ、僕が漣 翔です。」

安定のコミュ症でました〜〜心の中で

泣いていた。「そんなに緊張しなくても大丈夫よ

、私はあなたの担任なんだから。」

「そ、そ、そうなんですか?」

「私は塚本 静香と言います。これからいろんな

ことがあると思うけどよろしくね。」

「よ、よ、よろしくお願いします。」

「そうそう立ち話もなんだし、

別室に移動して書類を提出したり、学校のことを

話さないとだから時間大丈夫?」

「はい。大丈夫だと、思います。」

少しリラックスしてきたようだ。自分でも驚いてしまった。僕と先生は会議室2という部屋へやって

来て入室した。先生は僕を席に着くように

促した。この会議室は(たたみ)8畳くらいの

大きさだと思う。狭くも無いし広くも無い

といった感じだ。

「まず書類頂けるかしら」

「あ、はいどうぞ、お願いします。」

「はい。確かに受け取りました。それでは

明日からについての説明をしたいと思います。

まず、急な転入のため制服が届いてないの。

だから以前通っていた制服で明日は、登校

してきて下さい、

まずここで質問はありますか?」

僕は絶望していた。なんでみんなと一緒の制服

じゃないんだ!それじゃ僕が登校してきた時

目立ってしまうじゃないか!恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!

「あの〜明日って何時くらいに

行けばいいですか?」

「8時30分には職員室に来て欲しいです」

「なるべく遅く行ってもいいですか?

あ!ちゃんと8時30分には行くんで!」

「なんで遅く来るの?」

「恥ずかしいじゃないですか…1人制服が

違うのは…」

「可愛いのね翔君は。守りたくなっちゃう」

「からかわないで下さい!」

「ごめんなさい。いいわよ遅く来ても、でも

ちゃんと8時30分には来てね」

「分かりました」

「あとそれと、パンフレットを持っていって

下さい。この学校のことが詳しく書かれています

部活なんか考えているのなら是非(ぜひ)参考に

して下さい。話はこれで終わりです。

最後に質問や要望があったら聞きますよ?」

「いえ、ないです。」

「そうですか。昇降口まで見送りますよ?」

「大丈夫です、大丈夫です。先生は

お仕事頑張って下さい。」

「あら、そう。気をつけて帰ってね」

「これからよろしくお願いします」

「こちらもよろしくお願いします」

僕はお礼を言い先生側の昇降口へ向かった。

歩いている道中誰とも会わずに

昇降口に着き、靴を履き替え自転車置き場へ

向かった。自転車置き場に着くと

相棒に乗って家へ帰るのだった。

終わってみると意外とあっさりしているもんだ。

僕は家に着くなり自室へ入るとそんなことを

考えていた。現在時刻午前10時32分である。

今日はてっきり遅くなると思って

おばあちゃんに昼ごはんは要らないと言ったのでおばあちゃんは老人会で夕方まで居ないらしい。

僕は夕方まで少ないラノベを読んだり

執筆したりして時間を過ごした。

休日残業をしている方々に申し訳ないと思った。

突然玄関のドアが開く音に僕は気づいた。


玄関の方でおばあちゃんの声が聞こえたので

玄関に向かってみると、おばあちゃんが

大きな鍋にビーフシチューが入った鍋を

置いたところだった。正直僕は驚いた。

なぜなら10人前くらいの量があったからだ。

「おばあちゃんそれどうしたの?」

「老人会でビーフシチューを作ったんだよ。」

「そんなに作っちゃったけど、食べきれるの?」

「大丈夫。大丈夫。おすそ分けして行くから」

「翔お願いなんだけど…お隣さんの

太宰さん家に届けてくれない?」

僕は血の気が引いた。

今から夢の家へ行かなくちゃなのか…

「わかったよ。すぐ持って行く」

平静を装うので精一杯だった。

僕はタッパに入れたビーフシチューを

夢の家へ持って向かった。夢の家の玄関のドア

の前まできた。緊張しすぎて胸が痛い。

夢に謝りたいのに謝りたくないという謎の葛藤が

僕の心の中で起こっていた。僕はやっぱり

このままじゃいけないと思った、何もかもから

逃げだす今の自分を少しでも変えたいから

惨めな自分を変えたいから今勇気を出さなくて

どうする。自分を鼓舞して夢の家のインターホンを

押した。そうするとインターホンから夢のお母さんの声が聞こえた。「どなたですか?」

「あの漣ですけどおすそ分けに来ました。」

「はい。今すぐ行きます。」

ドアのガラスから夢のお母さんのシルエットが

見えた。そして鍵を開け、警戒するような顔から

僕の顔をみると夢のお母さんの顔は驚愕の表情に

変わった。「あれ!翔君じゃない!漣さんって

聞いたから、漣さんにこんな声の人いたかな

とかって思ったんだけどまさか翔君だとは

思わなかったわよ!」

夢のお母さん太宰 佳子さんです。

佳子さんはハーフなのかわからないが日本語と英語の

2カ国語喋れてしまう。夢に似ているが、妖艶な

感じといえば言いか、とにかく美人である。

「昨日帰ってきたばかりなんですよ」

「お父さん、お母さん元気?」

「多分2人とも元気だと思いますよ。

僕はなるべく暗い顔にならないように返答した。

「そう。よかったわ」

「おすそ分け持って来たんです。どうぞ

美味しいので食べて下さい。」

「預かりました。ありがとうね翔君。あ!

そうだ夢呼んで来ようか?」

「い、い、いえ大丈夫ですよ。」

「大丈夫だから!心配しないで。今呼んでくるから

待ってて。」佳子さんは階段を急いで登って行った。

僕は何も考えられ無かった。緊張しすぎて

頭の中が真っ白なのだ。考えようにも、

思考が勝手に遮断されてしまう。数分すると

階段を下りて来た夢と視線が交差する。

僕は夢を見て不覚にもドキッとしてしまった…







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