3話 到着 中編
〜〜〜〜〜〜〜〜〜sho side〜〜〜〜〜〜〜〜〜
自分でも本当に悪いことをしたと思っている。
今でも軽い自己嫌悪に陥ることがある。
理想は夢が帰る前にお別れを言おうと思ってた
のに…はぁー。「なんで俺あんな酷いこと
言ったのかなぁ」
知らないうちに独り言を
呟いていた。本当は、夢と別れるのが嫌だった。僕は傲慢で頑固で夢が居なくても東京でもやっていけるんだぞすごいだろうと見返したかっただけなのかもしれないし、はたまた無理にでも話題を作って友情を深めたかったのかもしれない。そういう強引な行動で夢を傷つけしまったことに変わりはないが、やり直したいなぁ、夢に謝りたい。
そうこうするうちに駅に着いた。この駅で新幹線
に乗って2時間くらいして電車に乗り換えて
1時間でやっと十六夜市に着く。僕は長い時間を
ラノベ執筆に専念した。カキカキカキカキカキ
電車に乗っている時
スマホが震え出したため慌てて確認すると
父さんから「十六夜駅におじいちゃんが
迎えに行く」おじいちゃんが迎えに来て
くれるらしい。有難や有難や。正直駅に着いたらどうすれば良いのか分からなかったため安心した。その連絡がなかったから、不安だったのだが無駄な思考のようだ。
十六夜市に着くと、まだおじいちゃんの姿は
見えなかった。時間を見ると1時12分だった。
僕は十六夜市に来るのは10年ぶりくらいだった。
毎年ずっと来ようと思っていたんだが、
父さん達の都合が悪く中々来れなかった。
僕はそれを理由に来たくなかったのかもしれない
。夢に謝りたい…けど時間が
経つにつれ億劫になってしまった。
僕は空を仰ぎ見ると雲一つない空が
僕を見上げていた。そうしていると白い
軽トラックがこちらに向かって来た。
軽トラの窓を開け僕に向けて手を振って
おじいちゃんがやってきた。恥ずかしかった。
「早く乗れよ〜!懐かしいな翔〜〜
お前だけ帰ってくるなんて言うからビックリ
したぞ〜」これが僕のおじいちゃん
漣 啄木。普通のおじいちゃんより馴れ馴れしい
かもしれないが、僕はこんなおじいちゃんが
嫌いではない。早速軽トラックに乗って
おじいちゃん家へもとい僕の家になる家へ
向かった。家に着くと昔の記憶にあった家が
思い出してくるようだった。家に向かってくる道中も見るものが全て懐かしく感じられた。
僕は軽トラックから出ると、自然と隣の…
夢の家を見ずにはいられなかった。