2.5話 夢の回想
〜〜〜〜〜〜〜〜〜yume side〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私は太宰 夢高校1年生です。この春入学したため
何もかもが新鮮で有意義な毎日を送っています。
私に、なんと高校で始めて友達ができました。
中学3年間友達を作れなかった私がですよ!
大進歩と言わずしてなんと言う!!!!
友達ができたと家族に報告したところ、父さんは
「今日は出前だ!!」なんて言ったり、はたまた
母さんは涙を流して喜び、弟はそれを聞いた瞬間
「おい!頭打ったか」なんて言ってきたから
成敗したり、私の報告で家族がこんなに取り乱す
なんて夢にも思いませんでした。その友達というのは、森 花枝ちゃんと言って私と共通の趣味
だったためお友達になりました。入学式から2日後
私が本を読んでいた時隣の女の子が立ち上がり
その反動で机の中の本を落としてしまった。
私はそれに気づき本を持ち上げ返そうとした所
ブックカバーが取れ表紙が露わになると
私が読んでいた本と一緒だったので、その本を
話題に仲良くなったのが森 花江ちゃんです。
お隣同士なんですよ〜。運命ですね!
物静かでいかにも女の子っていう子がラノベを
読んでいたことに驚きでしたね。私も物静かって
言われました。多分誰とも喋らないからだと
思うけど……私の好きな
ジャンルは何かって?もちろん"ラノベ"ですよ!
なぜラノベを読むようになったかというと、
ある男の子が原因なんですよ…
私はその男の子を特別視してましたよ。
なぜなら毎日毎日遊んでいれば必然的にね?
彼に依存してしまうようになりました。
もう一つ理由があって、家がお隣同士
だったんですよ。雨の日とかは私の家か男の子の家で遊びましたね。晴れの日曇りの日は必ず
近くの公園で遊びました。
どうやって出会ったかって?
それは、私は小学生の頃から本を読むのが一番
好きでした。本が友達みたいな感じで誰とも
交流はありませんでした。なのにあの男の子は
私がベンチで本を読んでいたところ男の子は
私に向かって手を伸ばしながら
こう言いました。「そんなの読んでないで
俺と遊べよ!そっちの方が100倍面白い!」
私は理解に苦しみました。何を言ってるんだ
この人は…。私は無視して本を読むことに
決め本を読もうとしたところ男の子は私の手を
無理やり取り冒険へ駆り立てました。
その日はすごく楽しかった!人と遊ぶのが
こんなに楽しいなんて知らなかった!
彼が言ったことは間違っていなかった!
私は初めて家族と同じくらい心を許せる人間が
できました。しかし彼との別れは3ヶ月後に
やってきた。なんと彼のお父さんが東京に転勤に
なったため東京に行くことになったらしい。
私はそれを知りパニックになりました。
私は彼に本の良さを知ってもらうため色々と
薦めました。彼はアニメが好きなのでアニメの
原作つまりラノベを読むよう伝えたところ
ラノベにハマってしまいました。当時私は
ラノベは知っていたが評論や討論が書かれている
本が好きだったため彼とはいつも対立していました。その対立は彼が東京に行く前日にもありました。
その日は雨が降っていたため彼の家に
行きました。私は平静を装い、いつも通り
読書をしていたところ彼が「夢…今日が最後
なんだぞ?何か言い残したこととかないのか?」
「私が読んでるこの本オススメなんだけど?」
「本当に最後の最後まで本を勧めるな。
ガリ勉だもんな夢は。ガリガリガリガリ
言いながら勉強してるのか?」
私はいつも通りスルーした。
「私はラノベより評論文や論説文の方が
好きだな」
「それはないない」
私はカチンと来た。自分の好きなことを
バカにされる方が断然嫌いだ!
「ラノベを読んでても分からないだろうな」
「ガリ勉にしか分からないよ。そんな本。」
「翔の読んでる本、テンプレって言うの?
そういう作品ばかりじゃない」
「そんなことないし!ヒロインは夢より
100倍可愛いし優しいし完璧だし到底
夢には勝てないね」
私は泣きそうになった。良いなぁって思ってた
彼からそんなことを言われて悲しかった。
「いいもん。そんな仮想にしか生きることができない存在と比べないでよ!はっきり言って迷惑
だよ!翔のバカバカバカバカ!東京でも
どこでも行っちゃえ!」私は涙を流しながらそう言うと自分家へ走って帰った。
即自分の部屋へ行きベットで1人泣いた。本当はその日お別れを言おうと思って
いた。しかし最後の最後まで喧嘩するなんて
本当にバカだよね私たち。
そう、私が特別視していた男の子とは
漣 翔君である。
今では、それが心残りである。ちゃんと会って
謝りたいなあ。