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10話 出発(学校に)前夜

〜〜〜〜〜〜〜〜〜sho side〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

どのくらいこうしていただろう…

さすがにもう30分ぐらい経ってると思うんだけど、僕は恥ずかしいという感情がこうも持続力が

あるとは知らなかった。田舎にある歩道なので

蛍光灯が無いお(かげ)で夢は暗くてわからない

かもしれないが僕の顔と耳は真っ赤で風邪を

ひいた人以上に真っ赤かもしれない。

それだけ僕は夢との抱擁(ほうよう)が恥ずかし

かった。そんなことを考えていた途中で夢の

抱きしめる力が弱まったので僕は夢の肩を

掴み僕から離した。夢の良い匂いと女の子の

感触が離れていってしまったことは少し

悲しかった。

「夢、少し付き合ってくれないかな」

夢は不思議そうな目をしてこっちを

見たに違いない。なぜなら夢の声は不思議そうに

聞いてきたからである。

「いいけど、どこに行くの?」

「僕たちに縁があって決して忘れては

いけない場所だよ。」

「うん。わかった。翔についていくよ、

翔の幼馴染だしね。」

僕は内心驚いていた。夢は僕が行くところに

気づいてしまったかもしれないことに。

さすがにわかるか。夢は昔から頭良かったしな。小さいころから遊んでいた僕たちはお互いが

考えていることも少しずつ理解できるまで仲が

良かった。その時と同様夢は僕の行く場所に

確信を持ったから、あんなことを言えたの

だろう。だから驚いたせいで声が裏返った。

「えー↑わかっちゃった?」

「わかるよ。昔の翔のこと1番知ってるのは、

私だと思ってるから。」

「なんだそうだったのか。なら行こうか、

出会いと別れを経験した場所に。」

僕は夢の手を取り歩きだした。夢の手を取った時

夢が小声で

「翔のバカ…強引すぎるよぉぉ…嬉しくて死ぬ

ぅううううぅぅぅ、もっと…」

夢の声を聞き取れたのはこれくらいだった。

歩きだした数秒間夢はこんな風に

独り言を呟いていたんだが、僕には言葉の意味が全く理解できなかった。そして目的の場所へと

向かうのだった。

久しぶりに夢に会えて僕は

舞い上がっていたのかもしれない。それだけ

この子は僕にとって大切で失くしたくなく

かけがえのない存在なんだと感じた。この時

翔に芽生えた感情に翔は気づいていなかった。

いや気づくのを恐れていたのかもしれない。




そんなこんなで目的の場所、出会いと別れを

経験した場所に着いた。僕にとって10年ぶりに

来た。それは懐かしの公園である。10年前と

比べると遊具は錆び(さび)が増え遊ぶことができなく

なった遊具があったり昔にあったはずの遊具が姿を消していた。しかし昔夢に手を差し出した時に夢が

座っていたベンチだけは新しいものに変わっていた。

僕はそこに夢を(うなが)し座らせた。沈黙が

なぜか僕にとって心地が良かった。なぜなら

ベンチから見渡す公園の風景は夢と遊んだことが

記憶の中から

(よみがえ)ってくるようで心地が良かった。

夢が僕を見ながらいつも通りの声色で話しかけて

きた。

「翔は、この景色を見てどう思った?」

「ここに来たら、夢と遊んだことや悲しいことが

蘇ってきた。率直に言うとね、時が進むのに、人間や

物、植物、は抗えないんだなぁと思った。」

「そうだよね。やっぱりかぁ。私は翔をここに

連れて来たくなかったんだよね。」

「なぜ?」

「だって昔とは違う…とても翔には見せられない

(みにく)い場所に変わったから。」

「そう?僕はそうだとは思わないよ。だって

僕たちと同じで10年という歳月を送って今に至る。

この公園は嬉しいと思うよ?今でも遊んでくれる

人がいるんじゃない?」

「私もよくは知らないけど、近くの家の子供なんか

が遊んでいるみたい。なんで遊んでいるって

わかったの?」

「1つ目は砂場に最近できた跡があったから、

3日前あたりに雨降ってたでしょ?」

「うん。それが何か関係あるの?」

「雨が降ると砂場にある跡は普通無くなるはずなんだ

だけど今砂場には沢山の踏んだ跡がある。

そして2つ目このベンチだよ。10年前はこんなベンチ

じゃなかったよね?」

「うん。老朽化が進んでていつ壊れてもおかしく

なかったベンチでしょ?」

「そうそう、普通遊ばれなくなった公園に新しい

物作るかな?」

「あ、なるほど!」

「だからね、僕は醜いなんて思わないよ。今でも

いやこれからも頑張ってくれる公園を醜いなんて

これっぽっちも思わないよ」

「翔、ごめん。この公園を醜いなんて言って。」

「大丈夫だよ。この公園の良さを知ってくれたら」

「やっぱり翔無しじゃ。生きていけないかも…」

「え?夢ごめん声が小さくてよく聞こえなかった」

僕の返答を聞いて夢は僕を強引に押し倒した。

夢の綺麗な金髪は暗闇でも綺麗に見えた。そして

二度と味わうと思っていなかった夢の

匂いと感触が僕の思考を

遮断した。僕は押し倒され、夢は僕の上で馬乗りを

しているようだった。そして夢は顔を近づけ自分の

唇を僕の唇に押し付けようとして来たのだった。



1週間以上遅れてしまい申し訳ありませんでした。

少し用事で時間が取れませんでした。

もう一つご報告があります。

投稿が不定期になってしまうことです。

誠に勝手ながら傲慢な思考を押し付けてしまい

申し訳ありません。

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