第一章 立浜高校入学
ジリリリリリリ…!!!
バンッ!
いつものように、目覚まし時計を、壊れるほどの勢いで止める。
俺は寝起きが悪いようだ。
今日は高校の入学式だ。
時間を確認する。
ん?
時計は8時をまわっていた。
「遅刻だー!」
俺はお決まりの食パンをくわえた格好で、かけだした。
「いってきまーす!」
(立浜高校入学式)
「おいっおまえ、起きろ!」
「んぁ?」
目覚めると、校歌を歌う前だった。
左の席の奴が起こしてくれたみたいだ。
「サンキュー。俺、真介!おまえは?」
「俺は安弘!やっくんでいーぞ。しかし、お前体格がいいなー。スポーツやってたのか?」
「俺は野球だ。おまえもスポーツ派だろ」
「やっぱり!?わかる!?俺めっちゃ運動できそうっしょ。見て、この筋肉、かっちかっちやぞ」
「はいはい、そうですね。で、お前何やってんの?」
「陸上だ。これからも続けるぞ。…あれっ?この学校野球部あったっけ?」
「ないんだよ、それが。あっ、そろそろ校歌だぞ」
司会の少し気難しそうな先生が言った。
「校歌斉唱!」
この学校の吹奏楽部はかなり有名だ。
去年の県の演奏会で、賞をとったらしい。
それで、今年の入部希望者はすごいらしい。
こんだけいるんなら、野球部があってもいいのに…
確かに、指揮を中心に、よくまとまっている。
俺の野球仲間、アキラもここの吹奏に入ると言っていた。
校歌が始まった。
立ちはだかる数々の困難
上手くいかない時もある
そんなときは自らの手で道を切り開け
ああ清き我が母校立浜高校