2.底辺作家、思わぬ落とし穴にハマること
エッセイの評価ポイントが、わずか半日ほどで3桁を越えた。
私は複雑な思いではあったが、とりあえず嬉しかった。このポイント数……このエッセイ、ひょっとすると日間ランキング入りできるんじゃね!?
そうしたら、もっと感想が来て、色々と話を膨らます事もできそうだ。
勢いで書き殴ったエッセイだけでは表現しきれなかったアレやコレや、感想欄で披露できるかもしれない!
私はそんなウキウキ気分のまま、仕事に出かけた──
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ところが、である。
エッセイの日間ランキング一覧をいくら探しても、私の書いたエッセイはどこにも載っていなかった。
おかしいな……ポイントは3桁越えてるのに……今のエッセイのランキングの総合ポイント余裕で抜いてるのに……?
これは一体どういう事なのだろう? ひょっとして今日手に入れたポイントの累計は、明日にならないと反映されないのだろうか?
いろいろ考えてはいたが、仕事中は当然家のパソコンをいじる事もできず……私は悶々とした時間を過ごしたのだった。
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仕事が終わり、帰宅。20時前くらいだったか。
やっぱり私のエッセイはランキングに載っていない。異様な不安に駆られつつ、私はS女史と連絡を取った。
S「……確かに妙だが……原因をわたしに聞かれてもね?
わたしも『なろう』は読み専だし、正直言って作品に関する事はよく分からないなぁ……」
S女史は私のエッセイを眺めながら首を傾げていたが……ふと、ある事に気づいたようだ。
S「LED。もしかしてこのエッセイ……」
え? 何? どういう事?
S「気になったんで、質問掲示板を確認してみたよ。
LED。『異世界転生』『異世界転移』タグ、このエッセイにつけてるだろう?」
うむ、確かにつけている。このエッセイ、その辺のテンプレに関しても言及しているからね。
S「原因、多分それだよ。どうもその2つのタグを入れていると、ジャンル別のランキングに掲載されないらしい」
なん…………だと…………!?
私はポケモンを全滅させられたポケモントレーナーのごとく、目の前が真っ暗になった。