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命を感じるとき

 きのうの話です。僕の住んでいるところを台風が通過しました。台風が通り、雨風がおさまってきた頃から、「みゃお、みゃお」と声が聞こえてくる。「なんだろう」と思ったけど、あまり気を留めず、自分のしたいことをしていた。


 1時間ぐらい経っても「みゃおみゃお」という動物の声がする。これは、猫の声だろう。しかも、家の周辺から聞こえてくる。外は、まだ雨がぽつぽつと降っている。はて、どこにいるのだろうかと外に出てみた。


 家の横を用水路が通っているが、その周囲には声の原因は見当たらなかった。人の気配を感じたのか、声もやんだ。家にもどり、探索をやめた。


 2時間ぐらいした時、また「みゃおみゃお」。しかも、今回は今までよりも近い。再び探索してみると、いました!子猫です。生後1〜2か月の子猫が、家の裏にある、風呂沸かし機と家の隙間にうずくまっています。挟まっているわけではなく、ただ静かにたたずんで、こちらを見ていました。1mぐらいの距離だが、逃げません。


 どうしたんだろう、母親とはぐれたのかな。そう思って、周りを見渡しても、母猫らしき存在はいません。そっと、牛乳を水で薄めたものをプラスティックの容器に入れ、それを子猫の前に置いて、そっと後にしました。


 少し経って確認したら、子猫はいなくなっていました。



 その日の深夜になると、また外から「みゃおみゃお」と聞こえてくる。人もいないので、いつもより大きく、長いあいだ鳴いていました。容器の中を確認したら、牛乳はもうありませんでした。子猫が飲んだのか、それとも違う何かが飲んだのかは、わかりません。ただ、餌付けはよろしくないので(加えて牛乳は下痢を引き起こすかもしれないので)、容器は回収しました。あとは、子猫の自力に託すしかない。


 一日経った今日。子猫の鳴き声が時折、聞こえてきます。まだ、子猫は母親に会えていないようだ。

 

 この二日、命の有り難さを感じている。





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