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見えないところが見えるところを支える

 小学生から高校生ぐらいまで、書道を習っていた。

 

 書道には、大きく分けて硬筆と毛筆の二つの分野がある。硬筆というのは、鉛筆やペンで書く場合で、毛筆は墨汁を使って筆で書く。夏休みの課題で、書道を選んだ人もいるだろう。

 

 素人ながら、きれいに書くためのコツを言うとすれば、書いていないところも丁寧に書くことがあげられる。例えば、「は」というひらがなを書くとき、一画目ではねると、そのはねた方向に手を空中で動かし、二画目の横線へとつなげる。同様に、はねるやはらいがあれば、はねた・はらった方向に向かって次を書き進める。このように、紙(地上)と空中をつなげるように書くと、流れのある字を書くことができる。


 見えないところが、見えるところを支える例は、他にもある。プロのスポーツ選手であれば、裏でしている練習が、試合のプレイを支えている。練習以外にスタッフの頑張りが選手に反映しているかもしれないし、奥さんがいれば、その人の存在が選手を支えているかもしれない。


 見えないものが、見えるものを支えている。それは、目先に現れない。しかし、注意深い人が見れば、その人からなんとく感じ取れるものである。「この人、すごいな」「この人、尊敬できるなぁ」と思わせる人は、往々にして、見えないものが本人を力強く支えている。その見えないところを真似るのが、「学ぶ」だと言える。



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