表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/21

イリヤ編3 朱色の日記

そこは確かに勇者が入院していた精神科の跡地だった。

「瓦礫の山ですが私も手伝いましょうか?」

「いいえ、僕が探します。大切なものですから。自分で見つけたいんです」

勇者は内心何でこんなにも僕は必死なんだろう、と思った。

大切な妹だから?

また、お兄ちゃんって呼ばれたいから?

そうだ、僕はイリヤに笑っていてほしい。

イリヤの笑顔を見るために絶対見つけるんだ!!

勇者は瓦礫の山を素手で掘り始めた。

地面に這い蹲って、砂塵に落ちた一粒の米を見つけるときのように辛抱強く粘った。

手はあかぎれて、所々出血していた。

それでも勇者は探すのを止めなかった。

救急隊の人はやきもきしているようだった。

その時ポツリと雨が降って来た。

大雨になるだろうからと救急隊の人は勇者を車に入れようとした。

しかし、勇者は抵抗した。

もし、雨に濡れたら字がふやけてしまうかもしれない。紙が破れるかもしれない。

そんなことが起きたらイリヤは一生あのまま―――。

「うわあああああああ!!」

勇者は雄たけびを上げて瓦礫にしがみついた。

その時視界に朱が混じったような気がした。

自分の右足に、鈍い痛みが走った。

雨で瓦礫が滑って勇者の足に塊が落ちてきたのだ。

骨が折れたかもしれない。

しかし血は出ていない。

じゃあ、あの朱は……?

足元を見るとそこには日記帳が落ちていた。

赤い日記帳だ。

「見つけた……!!」

勇者はそれを胸に抱くと痛みと疲労で意識を失った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ