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想いを君に  作者: 香織
1/5

間際

会話のなかった父子(オヤコ)のおはなし

「……っや、だっ…! ねぇ、死ぬなよぉ…っ!! 俺を一人に…し、ないで、よ! 父さん…!!」





泣かせちゃったな。俺、ダメな親父だなぁ……。






あぁ、(シノ)の声が聞こえる……。









「…父さん……っ!!」






でも、もう……。







体から伸びる幾つかの管。それは全て重苦しい機械に繋がれ、その機会たちが、今のこの間際の俺を繋ぎ止めている。



もう疲れたよ。もう十分頑張ったよ、俺は。

もう、お前には大事にすべきものができたんだから。俺なんかじゃなくて、そっちを見ないと………





ピーッピーッピーッピーッピーッ…………



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