表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/32

03.話し合い

 魔核結晶を台座から外した者が、今問題となっているフェンスを発動させた人物犯人であり、その人物が死ぬか、その人物以外の全員が死ぬ事でしかフェンスが解除されることはない。

 この事実を聞いて、この場は騒然となった。

 しかし、シドルツさんが一旦落ち着くようにみんなに声を掛けて仕切りなおすと、この場は段々とシドルツさんの提案通り、みんなで話し合おうという雰囲気になっていった。

 だが。


「くだらねぇ。俺は犯人じゃねぇから、てめぇらで犯人ぶっ殺しておけ」


 そう言って一人の男がこの部屋から出ようとする。

 全身黒ずくめの『盗賊やってますし、人も日常的に殺しています』みたいな格好をした男だった。

 全身黒で顔はマスクで覆われている。

 そのせいで声がちょっと籠もった感じになっていた。

 この協調性のなさは聞いていて清々しいほどだ。

 格好と言動が完全に一致している点も、正に期待を裏切らないといった感じで好感が持てる……訳ない。

 それにはさすがのシドルツさんも待ったをかける。


「待て。フェンスを発動させた犯人は当然自分は犯人でないと否定し、裏ではここにいる全員を殺そうと画策しているだろう。でも、他の人間は誰が犯人だか分からず、警戒を余儀なくされる状態にある。そんな中で少しでも怪しい行動を起こした奴は犯人と思われても仕方がない。今この場を抜けようとしているお前は犯人と思われても仕方がないということだ。ここにいる全員を敵に回してでも、勝手な行動を続けるつもりか?」

「俺はそのなんとかって物を見た覚えもねぇな」


 黒ずくめの男はそう言うが、犯人でも犯人じゃなくてもみんな違うと否定する状況だと、今シドルツさんが説明したばっかだろ。

 そう口に出して言おうと思ったが、下手なことを言って暴動でも起きたら余計混乱するかもしれないと思い、とりあえずの所は様子を見ておくこととする。

 その黒ずくめの男はシドルツさんの言葉を無視してこの場から去っていこうとするが、それをシドルツさんが止めようと更に言葉を掛けた。


「何処へ行く? 今はここで待機し、みんなで話し合いをしようと言ったはずだ。今は人がバラバラになることが一番良くない。犯人は個人で動いている所を襲撃するしか自分が生き残る方法はない。悪いが協力してもらえないのなら、犯人だと決めつけてみんなで殺させてもらうぞ」


 シドルツさんは黒ずくめの男に対して静かにそう言う。

 殺させてもらうなんていう恐ろしい言葉だったが、今となっては現実的だというのだから困る。

 そうだ。冷静に考えてみれば案外簡単なのかもしれない。いや、簡単ということにはならないが、パニックを起こすほど深刻な状況という訳では気がしてきた。


 犯人が取れる行動はシドルツさんの言うとおりひとつだけだ。

 誰にも見られることなく、ひとりひとり確実に殺していくしか方法が取れない。

 殺しを誰かに発見されたら、そいつが犯人確定だと周りに伝わるだろう。

 そうなれば数の暴力で終わる。

 ポイントなのが、犯人が一人しか存在し得ないという点。

 これだけの人数がいるんだ、犯人の方が圧倒的に不利なのは間違いない。

 みんなで固まって行動すればとりあえずの所犯人は手出しができなくなるはずなんだ。

 だからと言って、こっちから何か仕掛けることができるという訳ではないが。


 つまるところ、犯人だろうと犯人でなかろうと、人が単独で行動することが犯人にとって一番望ましい状況という訳だ。

 シドルツさんにそう論されて、黒ずくめの男は舌打ちをしながらも仕方なくといった感じで元の場所に戻った。


「じゃあこうしましょう。これから移動するときは絶対に単独行動は取らない。適当に二人組を作りませんか? 互いに監視し合えば犯人はどうすることもできなくなる訳です」


 そう提案してきたのが、さっき俺を馬鹿呼ばわりした青髪のオールバックの男だ。

 さっきは俺を馬鹿呼ばわりしつつ穴のあることを言っていたが、今回の発言は残念ながらまともだった。

 ただ、二人組というのは危うい気がしてならない。

 二人組というのは互いのソリが合わなかったら、口も聞かずに二人組の意味をなさない行動にでたりしそうだ。

 例えば俺とあの黒ずくめの男が二人組になっても、黒ずくめの身勝手な行動をいちいち全部止められる自信が俺にはないということ。

 出来れば三人以上がいいんじゃないかなと、俺は思う。

 だからやるんだったら三人以上の組を作ることを提案したいところなんだけれども、二人組の提案者があの突っかかってきた馬鹿野郎だ。


 ここで俺が提案したらまためんどくさい事になりそうなんだけど、どうしたもんか……。

 そんなことを考えているうちに、周りがその提案に同意し始めてしまった。


「あ、それいいかも! 二人組なら犯人に殺される可能性はぐっと減りそうだよね!」

「おぉ、いいなそれ!」


 言うタイミングを逃したか……なんて思っていたら、今度は違う方向から声が聞こえてくる。


「それはいいとして、まずは犯人を探さないか? 倉庫に入った奴を見かけたとか、台座から魔核結晶を取った奴を見たとか、誰かそういうのあるんじゃないのか?」


 最もな意見だ。

 その意見を言ったのが、割りと人の良さそうな、またジェイとは違った好青年タイプの男前な人だった。

 隣にフレイさんを少し思わせるような綺麗な女性が座っている。

 さっきちらっと様子を確認したけれども、恐らくその女性と一緒にここに来た二人組なんだろう。


 彼は続けて「誰か犯人見ていないのか?」とみんなに聞くが、みんなで互いに顔を合わせるだけで誰も名乗り出る人間はいなかった。

 自白もなし、目撃証言もなし、証拠隠滅機能付きなので、手がかりを探すのも難しい。

 完全に行き詰まってしまった。


「どうすりゃいいんだろうなぁこりゃ……」


 隣に座っているジェイがそんなことを呟く。

 みんな同じ心境だと思う。俺だって同じ気持だ。

 次に声をあげる人はおらず、静まり返ったこの場がそれを物語っている。


「長期戦を覚悟するしかないか……?」

「まぁ、俺は生きてここから出られりゃなんでもいいけどな」


 ジェイはそう言って少し余裕を見せながら苦笑いした。


 よく考えろ。

 この中に犯人は絶対に一人だけいるんだ。

 台座にアイテムがあったら誰だって取りたくなる故、犯人は実力のある戦士というだけで、計画的な犯行を行った知能犯という訳ではない。

 まぁ、見た感じ戦士じゃないっぽい人も中には混じってはいるようだが。

 とにかく、犯人は嘘を突き通すのがそんなにうまいという訳ではないはずだ。


 だったら、少し各々尋問してみれば、案外あっさりボロが出たりするんじゃないのか?

 尋問してここにいる人全員の話をぜひ聞いてみたいが、みんなからしてみれば俺だって犯人候補の一人だ。

 変にアリバイなんかを尋問したら、疑ってるのかと気分を悪くする奴もいるだろうし、ここで嫌な印象を持たれてしまってノケモノにされるのは、非常に危険だ。

 単独行動になった瞬間後ろから犯人に殺されかねない。


 こう、うまく合法的に……みんなが納得する形で各人を尋問できたりしないだろうか……。

 俺が犯人でない事が証明できればいいんだが、この状況でそんなことできそうにもない。

 憲兵みたいな奴がいればいいんだが……。


 いや、もっとよく考えろ。

 尋問するのは俺でなくてもいいんだ。

 今の段階で絶対に犯人ではないとみんなが認める人が尋問するなら、みんな納得して尋問を受けてくれるだろうか?

 ……みんな条件は同じだ。

 そんな奴がいる訳ない。

 隣にいる人畜無害そうなジェイですら、実は犯人でしたという可能性がある。

 これは、悪質な犯罪を行ったと訳が違うんだ。遺跡に潜り込んで、見つけたアイテムを取っただけのこと。

 それがたまたま不幸の引き金になっただけで、あらかじめ分かっていたら絶対に誰もやらない。

 故に、本当に人畜無害な奴が犯人だったということも十分に考えられる。


 でも、尋問するにしても、しっかりそれを行える人間がしないとグダグダになって終わってしまいそうだな……。

 俺は是非みんなに話を聞いてみたいとは思うんだが、俺が尋問なんて誰も納得しな……。


「あ」


 そんなことを考えていると、ちょっとしたひらめきが舞い降りたので、思わず声に出してしまった。


「どした?」


 ジェイに突っ込まれてしまう。

 絶対とは言い切れないが、限りなく白に近くて、なおかつ割りと人の話を聞けそうな人を思いついた。

 せっかくなので、この案をとりあえずジェイに評価してもらってみることにする。


「なぁ、一人一人尋問していくってのはどうかな?」

「尋問……。アリバイとかか?」

「そうそう。犯人も人間だ。ボロが出るんじゃないのか?」

「でも、誰が尋問するよ? ここに被疑者でない奴なんていないぜ?」

「この中で誰が一番犯人の可能性が低いと思う?」

「いや、この中でっつっても、俺はお前さんとシドルツさんとクルフくらいしか知らないからなぁ。というか、その三人のことだって良くわからないさ。それはお前さんだって一緒だろ?」

「そうなんだが、一人だけ白に限りなく近い人がいる」

「誰よ? 俺??」

「残念」


 ジェイはジョークっぽくそう言ってきたので、俺も笑いながらそう返してあげた。


「シドルツさんだ」

「シドルツさん……。あの人も立場は同じ……」

「ではない。彼は魔核結晶を台座から取り除いたら壁が作られてしまうということを知っている。知っているのにわざわざ台座から魔核結晶を取り外すなんてことはしない。犯人はまず間違いなく、そんなことは知らずにやってしまったんだろう」

「あぁ、なるほど……」


 話には続きがあったのに、簡単に納得してくれちゃった。

 構わず俺は話を続ける。


「シドルツさんが台座から魔核結晶を外した後に、魔核結晶を外せば壁が作られてしまうという事実を知ったというのも違う。もしもそうなら、あの壁……ラストフェンスだっけ? あの解除方法をべらべらしゃべるのは、自分の首を締めることに他ならない。シドルツさんが犯人なら、発動者が死ねば解除されるなんて不利な条件をみんなにバラす必要なんて全くない。それ以前にみんなを集めることなく、ひとりひとり確実に闇討ちしていった方が安全だし確実だ。という訳で、シドルツさんは恐らく白だ。絶対とは言い切れないが……」

「ほほ~う……。お前、頭いいんだな!」

「あ、いや、そういうのは今はいい。シドルツさんが俺も含めてこの場にいる全員を尋問してみるってのはどうだろうか?」

「いいんじゃね? 尋問されても、困るのは犯人だけだろ。ちょっと言ってみろって」


 一応ジェイからは評価をしてもらえたみたいだ。

 他人任せな感じがして、自分としてはグッドアイディアとは言い難いが、ここでずっとみんな黙りこくっているよりも進展はあるだろう。

 そう思って意を決し、その場に立ち上がって言ってみることにする。


「ちょっと一つ案を思いついたんだが、聞いてくれるか?」


 その一言で、この場にいる全員が俺の方へ視線をよこす。

 あまりこういうのは慣れていないので、少し緊張する。


「この中で、一番犯人じゃないと思える人間が、俺も含めてこの場にいる全員を尋問してみるっていうのはどうだろうか? もしかしたら犯人も焦ってボロを出してくれるかもしれない。ここで何もしないでずっといるよりは良いと思うんだが、どうだろうか? みんなの意見を聞きたい」


 俺がそういうと、すかさずツッコミが入った。


「一番犯人じゃないと思える人って、誰? 私、あなたのことだってよく知らないし、私からすればみんなが犯人なんだけど……」


 若い女の子だ。

 その子が極自然な、ジェイと同じ疑問を俺にぶつけてきた。

 すかさず俺はさっきジェイに説明したことと同じ説明する。

 みんな納得しながらうんうん聞いてくれていたが、ひと通り説明し終わるとすぐまたツッコミが入った。

 例の俺を馬鹿にした青髪オールバックだ。


「ちょっと待って下さい。彼を疑うわけではありませんが、それをしゃべれば自分が犯人ではないと思ってくれると見越してしゃべった可能性がありますね。私は結局みんな同じ立場だと思ってるんですけれども、違いますか?」


 ……うぜぇ。

 自分が犯人だと思われたくないから、わざわざ人を集めて、不利な条件も話した……ねぇ。

 その不利に働く要素と引き換えに、犯人だと思われにくくなるというメリットを得た……。

 不利に働く要素の方が大きくないかなぁ……。

 まぁ、それは確かに可能性としてはあるしその通りなんだけど、あくまで可能性が低いという話で、そんなこと言われたら何も始まらないじゃねぇか。

 いいや。こいつ無視して、他の人の話も聞いてみよう。


「他の人はどうだろうか? 特にシドルツさん」


 俺がそうシドルツさんに視線を送ると、シドルツさんは表情を一つ変えず冷静に応えてくれる。


「俺を犯人ではなさそうと言ってくれたのは有り難い話なんだが、反対だ。その方法だと、どうしても俺の主観が入る。万が一犯人だと思った人間がいたとして、それを俺が言えば、当たっているかそうでないかに関わらず、その人がどういう目に合うか想像は容易い。犯人でなかった場合はどうなる? そうなった場合の責任を負うことが出来ない。やるなら、全員が平等な立場のもとでやりたい」


 ……確かに。

 俺がみんなを尋問して、ある人物をが犯人だと思ってそれが周りに伝われば、その人物は最悪殺されるなんてこともあるだろう。

 もしもそれが俺の見当違いで犯人じゃなかったら、俺はどれだけそいつに詫びを入れても足りないくらいな感じになってしまう。

 これは慎重に慎重を重ねてやっていかなければいけないことなんだ。

 犯人からの攻撃を、三人組を作って防御するという対策を取ることはできても、こちら側から犯人に対して有効な攻撃手段を選ぶのは相当難しいぞ。

 下手すれば無実の人間を死なせてしまうことになるのだから。

 もしその対象が俺だったらと考えればゾッとする。

 安易な方法で犯人を見分けるのだけはやめておいた方が良さそうだ。

 犯人だと言われた人間も納得できるような根拠や証拠、出来れば自白を揃えるくらいの慎重さがないと、不幸な目に合う人が増えてしまう。


「じゃあさ、一人ずつ尋問役を交代していってやるっていうのはどうかな?」


 またさっきの若い女の子が意見を出してくれた。

 参加しているのかしてないのか分からないような奴もいるし、黙っている人も多い中、こうやって積極的になんとかしようと意見を出してくれるのは正直有り難い。

 有り難いんだけど、その意見は微妙だ。

 何故なら、尋問役がブレると、きっと尋問が不得手な人間もでてくるだろうしグダグダになって終わるのが目に見えているからだ。


 尋問は台本通りにやればいいというものではない。

 犯人かどうかの判断材料を引き出すためのもので、テクニックが必要だ。

 受け答えに応じて、臨機応変に質問を考えられないとただの質問だけで終わってしまう。

 ただ、何もやらないよりはいいとは思うので、周りの人間が賛成するかどうか反応を見てみたいと思う。

 だからその子の提案に対しての意見が出るまで様子を見ようと思ったら、誰も意見を出そうとしない。また変な沈黙が流れてしまった。


 しばらく沈黙が続いた後、今度はまた例の黒ずくめの男が籠もった声でこの場に言葉を投げてきた。


「めんどくせ……。クジ引いて壁が消えるまで片っ端からぶっ殺していけ。もちろん、俺は除いておけよ」


 聞けたのは、究極的に自己中で、究極的に物騒な、最悪の意見だった。

 もうお前が犯人でいいよと思ったのは俺だけじゃないはずだ。

 そいつのせいでさらに場が凍りついてしまう。責任取れよ強盗野郎。


「まぁ、何でもいいじゃん。とりあえず水も食料もあるんだしさ、楽しくやってかね?」


 そこで空気を読んだのはクルフ。

 この状況で楽しくやれる奴なんてお前くらいしかいないとは思うんだが、とりあえずはそれも悪くないかなと思えた。

 みんな一緒にここで生活しているうちに、シドルツさんが壁を解除する新しい方法を見つけてくれるかもしれないし、そのうち犯人がボロを出してくれるかもしれない。

 また、今の段階では情報が少なすぎる。その倉庫に置かれていた魔核結晶というのも良くわからないし、台座というのも見てみたい。

 ここにいる人達の行動とか言動とかも観察してみたい。

 そこから何か分かることが出てくるかもしれないんだ。


 そういう事なんで、とりあえず賛成の意思表示をしようと思った所、隣で座っていたジェイが立ち上がって声を出した。


「賛成だ。ここでみんなと延々語り尽くしても、犯人なんて分からないっしょ。とりあえず長期戦を覚悟して、ここで生活できるようにみんなでルール決めたりしようじゃないか」

「私も賛成かな」

「それしかないよな……」


 と、ジェイの声にみんなが賛成し始める。

 非常に助かった。あの凍ったような場の空気からなんとか抜け出したかった。

 別に壁が一定時間で爆発するとかはないんだろうし、ゆっくりとやっていけばいいんだ。

 ……爆発しないよな? 後でシドルツさんに確認しておかないと……。


「じゃあ話し戻して、常に二人で行動するとかのルールを決めない? それに、食事当番とか泊まる所も決めないとね」


 さっきの若い女の子の発言で、場は一旦仕切り直された。

 みんな納得したのかどうかは分からないけれども、一応この場の方針は決まったみたいだ。

 長期戦覚悟で、とりあえずはここで生活を安定させること。

 そうしながら、犯人の手がかりを探したり、シドルツさんは他に解除方法がないか探してみたり、みんなで定期的に集まって話し合いながらゆっくりと前に進んでいくという方向に進んでいく。

 この話し合いの結論はそうなったと考えていいと思う。




 それからはこの場でみんな共通のルールを決める運びとなった。

 犯人は恐らく一人であるから故に単独行動が危険だということはみんな理解しているようで、ある程度固まって行動するようにとルールを決めた。

 その過程で二人組にするとか三人組にするとか、元々二人で来ていた奴はそのままでいいよねとか、みんな立場は同じで公平にやりたいからアトランダムで決めようとか、戦闘の得意でない者もいるからそいつは優遇しろとか、ふざけんな公平にやれとか、その場では活発に意見が飛び交って結構揉めた。

 犯人がどうということよりも、これから自分がどう生活していくかという話の方が実感が湧くので意見を出しやすかったのかもしれない。

 結局暫定的に三人組をアトランダムで作って、極力その三人はまとまって行動するという方針に決定した。

 元々ここに三人組ないし二人組で来ていた人からは不平もでたが、それも『三人組の中のうち二人が元々知り合いだった場合に、残りの一人がどうしても居にくくなる』とか、やはりみんな公平にという観点から、あえて元々の二人組三人組を固めないという方針で決める運びとなった。

 ただし、例外的に非戦闘員かつ女性がいる二人組が二組あったので、その二組だけは一緒の組に入っていくということにもなった。


 食事の方は料理が好きな女の子、積極的に話に参加してくれた女の子の相方の女の子……というかその子の妹さんだそうなんだが、その子が中心となってやってくれるそうで、これから作る三人組のチームが持ち回りでその補助をしていくことに決まった。

 また、食事をするときは必ず全員がこの場に集まることというのも、ルールとして付け加えられた。


 寝る場所についてなのだが、シドルツさんが作ったこのシェルター内の地図をみんなで確認したら結構な数の部屋があったので、それぞれ三人組が一つ部屋を使って一緒に寝ることになった。

 このリビング以外に大広間っぽい場所も地図では確認できて、最初は全員固まって寝れば夜な夜な殺されることはないからそうした方が良いという意見も出たんだが、三人組ですら嫌だという人もいたし、万一殺される人がいたら、互いに確認しあってる三人組のアリバイをちゃんと把握すればすぐにバレるからとか、そんな理由で却下された。

 三人組を作って同じ部屋で寝て、そのうち二人が死んだら残った一人が犯人確定だもんな。

 犯人が確定したら犯人はそこでゲームオーバーだ。そんな馬鹿なことはしないだろう。


 また、シェルター内の物は早い者勝ちということで、勝手に個人の物にすることも許可された。

 ただ、本の類だけはシドルツさんに一度確認してもらうようにと、互いに協力する決まりも確認した。


 当然人のものを盗んだり、揉めごとを起こしたりするのはNGで、もしそうなった場合は即刻全員で処遇を決め合う裁判のようなことを執り行うことにもなった。

 犯人と思しき人間に殺されそうになっても、極力逃げて他の人のいる所に行くようになど、心構えも確認した。

 返り討ちにした場合、証拠がなければ返り討ちにした方が犯人だと思われてしまうからだな。


 こんなことを勝手にとんとんと決めていったんだが、話に参加してないような奴もいるので、少し怖い。

 この場にいる人達を全員数えてみたけれども、なんとその数17人。

 そのうち色々意見を出して場を進めているのは、俺とジェイ、クルフ、青髪オールバックの馬鹿野郎、俺と同い年くらいの女の子がほとんどで、たまにシドルツさんや、カップルらしい二人組の男の方、三人組の中の話の腰折り太郎さんなんかが参加してくれた。

 その他の人たちは聞いているのか聞いていないのか、ほとんど意見を出したりするようなことはなかった。

 聞いているんだけれども前に出て意見言えるタイプの人ではないとか、そういう人も結構いるっぽい。


 ルールなんてのは、みんなで納得して作ってみんなで守らないと意味がなくなる。

 例のサバトっつー奴なんて全然聞いてもいなかったようだし、守ってくれるような感じがしない。

 サバトに限って言えばコーラスさんがなんとかフォローしてくれそうなものだけど、その他にもサバトみたいな奴が2~3人いたから困る。

 まぁ、そいつらと一緒の組になった人がなんとか頑張ってフォローしてくれればいいんだが。


 そんな訳で、早速三人組を作ることになった。

 一応目視で16人、俺を入れて17人が今も確認できる。

 話し合いの途中に消えたなんて奴はいなかったようでほっとした。

 俺も一応ひとりひとり、シドルツさんではないけど、確認して特徴を捉えておくこととする。


 1人目はジェイ。

 俺と同い年くらいの男で、栗色の短髪に鉢金が特徴。

 話し合いにも積極的に参加してくれた、協調性のある良い奴だ。


 2人目は初っ端で俺を馬鹿にした馬鹿野郎。

 名前は分からないが、俺と同い年くらい……やや年上かな?

 藍色の髪をオールバックにして、後ろで結わっている髪型がぱっと目につく。

 結構仕切りたがりなのか、しゃべるのが好きなのか前に出るのが好きなのか、割りと積極的に場を引っ張るような感じで喋ってくれている。

 この話し合いの場としては何もしない人よりずっとみんなの役に立っているんだが、なんかちょっと絡みにくい印象だ。


 3人目はシドルツさん。

 年は30代前半といったところか。藍色の前髪を目に掛かりそうなくらい垂らし、表情を変えない非常にクールな人だ。

 この中で唯一古代語を解読でき、今の状況を解説してくれた物知りな人だ。これからも頼りにさせてもらいます。


 4人目はクルフ。

 本名はクルフローゼと言ったかな?

 年は30前後な感じで、やや小柄ながらもがっしりとした体つきをしている。

 ぼっさぼさな赤い髪が特徴だ。

 前向きでよくしゃべる人だが、テンションがおかしかったりするので掴みにくい。


 5人目はコーラスさん。

 俺と同い年くらいの人で、優しそうな糸目が特徴。

 ここに来る途中に少し話したけれども、相方のサバトさんと一緒にここまでやってきたそうだ。

 控えめな感じで、この話し合いにはあまり参加してこなかったが、話をしっかり聞いているというのは伝わってきた。


 6人目はサバトさん。

 コーラスさんの相方で、粗暴な風貌と口調をしている。

 黒髪の短髪で、ヒゲと無数にある顔の傷に特徴があり、一度見たら忘れない顔をしている。

 話し合いはつまらなさそうに黙って明後日の方向を向いていたな。


 7人目は若い女の子。

 話し合いにも積極的に参加してくれた子だ。

 年は俺と同い年くらいか、深い藍色のロングヘアをしている。

 割りと可愛らしい子だと思う。

 武器を持っている様子はないので、魔法使いなんだろう。


 8人目はその若い子の妹と言ってた子。

 姉よりも少し大人びてみえるが、妹の~と呼ばれていた気がする。

 話し合いには全く参加していなかったが、ずっと話し合いを姉の隣で聞いている様子だった。

 時折姉に話しかけて、それを姉がみんなに向けて話しているなんていう様子も見られたので、きっとシャイな子なんだろう。

 この子は非戦闘員だと姉が言ってた。

 なので、三人組に分ける際はこの子と姉がセットになってもう一人加わる~という形になる。


 9人目は、カップルの男の方。

 年は30前後だと思う。

 少し赤みがかかった髪もなんだかおしゃれに決まっている。

 話し合いにも時折参加してくれたし、なんだか相方の彼女を凄く気遣っている事が垣間見れた。

 カップルかどうかは分からないが、その気遣い方がカップルな感じだったので、とりあえずカップルの男の方と、心のなかで呼ばせていただくことにする。


 10人目は、カップルの女の方。

 年は20代後半くらいか。

 栗色の髪を後ろで結わっているおり、綺麗なお姉さんといった感じの印象だ。

 この人は回復魔法しか使えない非戦闘員らしいので、例外的にカップルの男の方と一緒の組に混ぜてあげる方向になった。

 三人組をこれから作るのだが、うち二人はカップルとか残された一人は拷問みたいなものだろう。俺はその一人に絶対になりたくない。


 11、12,13人目は、三人組だ。

 最初四人固まっていたので四人組かと思ったが、そうではないらしい。

 一人は屈強な戦士といった感じで、40代くらいのおっさん戦士。

 クマのように体格がよく、とても強そうだ。この人が犯人だったら一夜で16人全滅しそうな気がする。


 二人目は女戦士で、これまた気が強くて屈強そうな戦士だ。

 体もこの人も時折話に参加してくれていた。

 おっさんの方もそうなのだが、二人とも鎧を身にまとっている。

 普通こういった、見通しが悪くある程度距離を歩きそうな探索だと感じたら、重そうな鎧は装備しないものなんだが、この人達は鍛えられているのか、戦闘中でない今でも鎧を身につけたままにしている。

 こう、全身を覆うような鎧ではないのだが、それにしても重くないのかなぁと思ってしまう。


 三人目は、例の話の腰降り太郎さんだ。

 40代くらいのこれまたおっさんだが、さっきの鎧のおっさんと違って非戦闘員だそうだ。

 三人組でもこの人だけは身軽な格好をしている。

 結構身勝手に口うるさくしゃべる人なイメージだ。

 特例として姉妹とカップルの二人ペアは片方が非戦闘員だから、三人組を作るときは相方と一緒に~という流れになった時、この人も自分も非戦闘員だから三人一緒にしろと、しつこく食い下がってきた。

 でも、女戦士の人にうるさい黙れと論されて、しゅんとなっていたのが少し笑えた。


 14人目はその三人組の傍に今もひっついている、気の弱そうな男だ。

 年は20代くらいなんだろうが、童顔で10代に見えなくもない。

 よくここまでこれたなってくらい体も細く、一般人と見ても全然違和感がない。

 それでも非戦闘員ではないらしく、このシェルターに入る直前に隣に座っている三人組と合流したんだとか。

 話し合いにもあまり参加せず、終始おろおろきょろきょろ不安な表情で落ち着かない様子だった。

 こんな状況だし、不安なのは分かるんだがあまり挙動不審だと犯人だと思われそうだ。


 15人目は強盗野郎。

 途中で「クジで片っ端から殺していけ」みたいなこと言って場を凍らせた男だ。

 声で男だと分かりはしたんだが、黒装束にマスクなのでどんな奴なのかさっぱり分からない。

 きっと顔に強盗とでも書いてあるんだろう。


 最後、16人目は小さな少年……? みたいな男……だと思う。

 三人組の傍にひっついている弱そうな男よりも、さらに貧弱な体つきをしている。

 深緑のマントをつけていて、話し合いの途中もずっと端っこで知らん顔していた。

 黒髪だというのは分かるんだが、俯いたり全然違う所を見ていたりしたので、正直全然顔が分からない。

 この中でも圧倒的に身長が低く、体も細い。武器らしい武器も持ってない……というか、あの体だったら持てるものも限られそうなものなんだが、どうやってここまでやってこれたのか全然想像がつかない。

 とんでもない魔法でも使えるのだろうか。


 俺も合わせて全部で17人。

 印象としてはやはり20代くらいの人が多い感じだった。

 結構大人びているとか強そうな人も見受けられるので、俺はその中でも年下な方な気がする。

 これから実際に三人組を作っていく訳なのだが、出来ればちゃんと会話出来そうな奴と一緒だと嬉しい。

 サバト、強盗野郎と一緒の3人と一緒とかになったら、もう一日も耐えられそうにない。

 青髪のオールバックがその場を取り仕切るように前に出て、実際に三人組を作っていく。


「いいですか? 今から三人組を決めますけれども、寝るときも含めて極力三人離れないようにしてくださいね。犯人は単独でしか行動できないということを常に頭に入れておいて下さい。ルールを破った人は最悪犯人と決められて殺されるという覚悟もしっかり持って、ルールを遵守して下さい。また、この三人組は暫定的なものです。犯人が襲いかかってきた時に協力して対抗できるように協力関係を築くことも大事なので、互いを良く知ってもらうという意味で、しばらくしたらメンバーを入れ替えます。みんなで協力して、犯人を探し出しましょう!」


 その言葉に周りのみんなはうんうんと頷く。

 サバトさんや強盗野郎さんは素知らぬ顔をしていたけれども、ここで協力しないということはどういうことなのかは理解しているらしい。勝手にここから出ようとしたりせず、一応この場でみんなの提案を受け入れてくれている様子ではあった。


「えっと、三人組の作り方は……適当なクジでいいでしょうか?」


 そう言って青髪オールバックさんはクジになりそうなものを探し始めるのだが、いまからクジを作って~というのも面倒くさかったので、俺は適当な方法をその場で提案した。


「17人分クジ作るのも面倒でしょ。各自適当な数字を思い浮かべて、誰かと数字を交換する。全員交換し終わったら数値の低い人から3人ずつ組になっていけばすぐ作れるから、それでどうかな? あ、非戦闘員を含む二人組が決まっている人は、二人で一つの数字を思い浮かべて誰かと交換して下さいね」


 そう俺が三人組の作り方を提案すると、「じゃ、そうしようか」と場は受け入れてる方向に動いた。


「面白いクジの方法知ってるな」

「いや、今パッと思いついただけだ。いつもランダムで決めてる時は今持ってる小銭の下二桁とかで決めたりしてたんだけどな」


 と言って、ジェイと笑う。

 酒場で盛り上がった時に、誰が奢るとかそんな事をやっていた時に使っていたネタだ。

 こんな時に応用できるとは思わなかった。


 周りがそれぞれ数字を他の人と交換しはじめると、早速ジェイも俺に数字を伝えて交換してくれる。

「あい、俺0ね。あんたは?」

「300だ。ちょっと俺、交換できなさそうな奴の所いって交換してくる。発案者だし責任とらないと」


 そう言って周りを見渡し、明らかに交換できていなさそうな奴を探す。

 結構二人組とかでここに来ている人は多いので、割りとスムーズに交換できていそうだった。

 交換に困ってそうなのは、場を凍りつかせた盗賊野郎と……どうやってここに来れたのか分からないような小さな少年……かな?

 そう思って早速順番に番号を交換しに行く。

 最初は一番近い場所にいた少年からだ。


「悪いな、こんなのに付きあわせちまって。番号交換しに来たぞ」

「……38」


 少年は、フードを被って下を向いたまま、ボソリとそう呟いた。

 というか、声からして少年じゃない。

 こいつ、女だ。多分。

 何か凄く意外だったので、この人がどんな顔しているのか凄く興味を引きつけられた。

 俺はこいつの顔を確認しようと、さり気なく屈んで顔を覗いてみた。

 そこにあったのは色白で端正な顔をした少女……少年? の顔。

 赤いつり目が凄く印象的なかなりの美形だ。


「俺は0の番号を持ってきたから、あんたは0だ。覚えておいてな」


 そう言って俺はそいつの顔を見てニコッと笑った。

 そいつは一瞬俺と顔を合わせるも、すぐに違う方向を向いてしまった。

 あまり人と話すのが得意じゃないのか、なんかやましいことがあるのか。

 ともかく、一応話は聞いていてくれて、なおかつちゃんと番号を交換してくれたんで協力する意思はあるらしい。

 こいつが盗賊野郎のように自己中心的な感じでなくて助かった。

 俺はその少女……少年? もう小さい美形でいいや。

 小さい美形から貰った38の数字を持って盗賊野郎のいる所へ向かう。

 すると途中でカップルに声を掛けられた。


「すまない。俺達はまだ交換ができていないんだが、交換してくれるか?」

「あ、すんません。38っす」


 そういえば、カップルは二人で一つの番号だったんだな。

 二人は交換しているだろうと思い込んでいたので、目に入らなかった。

 俺は持っていた38の番号を渡し、カップルの持っていた101という数字を持ってあの盗賊野郎の方へ再び向かう。


「数字決まりました? 交換しに来たんすけど……」


 壁を背に微動だにしなかった男は、俺がそう言うと露出している目をこちらにギロリと向けた。


「マイナス3万」

「あ、そうすか。凄い数字っすね。こっちは101を持ってきたんで、あなたは101す。覚えておいてくださいね」


 声や目の様子から、恐らく30~40代の男を連想させられたので、なんとなく敬語を使ってやりとりをする。

 なおかつ、終始変な作り笑いで演じながらフレンドリーな空気を作ろうと頑張ってはみたけど、ダメだった。さっきの小さい美形と同じで取り付く島もない。

 この17人の中でもこの二人……あと、サバトさんは凄い心配なのだが、その心配が一層増してしまった。


 とりあえず、マイナス3万をいう数字を持って元の位置に戻る。

それから、全員数字を交換し終えたことを確認すると、それぞれ持っている数字を次々に言ってもらって、数字の低い方から順番に並べて行った。

 そして、数字の低い人から三人ずつ5組、最後の6組目のみ二人組という感じで、サックリチームを分けることができた。


 結果俺は例の小さい美形と、三人組のごっつい男の人と同じ組になった。

 なんだか美形君は絡みにくそうだけれども、明らかにやる気をなくすようなひどい組み合わせでなくて良かったとひと安心する。

 他の組み合わせも覗いてみる。


 2番目のグループは、サバト、青髪オールバック、小さい美形の次に弱々しそうなきょろきょろ男の三人組。

 オールバックの馬鹿野郎とサバトの組み合わせの相性が凄く悪そうで、この組からは嫌な臭いしかしてこない。


 3番目のグループは、カップルの二人とクルフの三人組。

 カップルの二人と一緒になる奴は大変だなぁと思ったが、この中で一番空気読めなさそうな奴が一緒となったので、逆にカップルの方がかわいそうな気がしてきた。まぁ、ここはうまくやってくれるんじゃないかなぁとは思う。


 4番目のグループは女の子姉妹の二人と、シドルツさんの三人組。

 凄く平和そうで羨ましい。

 シドルツさんもハーレムで羨ましいぞこの野郎。

 料理を補助するときは妹の方とも世話になるだろうし、シドルツさんとも色々話をしてみたいし、なんだかんだでお世話になりたいグループではある。


 5番目のグループはジェイ、三人組の屈強そうなな女戦士、盗賊野郎の三人組。

 あの盗賊野郎はどこに入っても扱いが大変そうだろうなとは思ったが、ジェイならなんとかやってくれそうな気がする。ジェイには苦労がかかりそうだが、穴を埋められる悪くない組み合わせかなと思った。


 最後の二人組はコーラスさんと三人組の話の腰を折り太郎さんだ。

 ここも折り太郎さんがめんどくさそうだけど、あの温和なコーラスさんならなんとかしてくれるんじゃないかという意味で、なんとか協調を守ってくれそうな組み合わせなだけに、実に良い感じで出来上がったと思う。


 全体としてみるとサバトとオールバックの組が怪しいけど、オールバックのお陰でチームとしての協調性は保たれそうではある。

 他もうまい具合に強調してくれそうな人が分散し、協調性のなさそうな奴も一緒に分散してくれたお陰で、これならうまくやってくれるんじゃないかなと思えるチーム分けになった。


 犯人は今何を思っているんだろうか。

 俺達はここから無事に脱出することができるんだろうか。

 不安だらけの中、17人によるシェルター内での共同生活が始まるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ