プロローグ
んー、タイトルは仮です。
書き上がったら、変わります。
中身も、ある日突然大幅に変わるかもしれません。
フレイム・レッドはボルカノン・スラッシャーを振りかぶり、アブラーム男爵に切りかかった。
「ふはは、未熟なり」
アブラーム男爵は腰に下げたサーベルを抜き放ち、フレイム・レッドの渾身の一振りを受け止めた。
「貴様一人で我輩に勝てると思うなよ!!」
アブラーム男爵の言葉通り、鍔迫り合いの状態からジワリジワリとフレイム・レッドの体が押されていく。
「くぅっ」
どうにか踏み堪えるフレイム・レッドだが、劣勢は誰の目にも明らかだった。
「未熟、あまりにも未熟だぞ、炎の騎士よ。これ以上私を失望させるまえに、あの世に送ってやるわ!!」
その言葉と同時に、男爵の膝がレッドの腹部にめり込んだ。
「ぐあっ」
呻き、多々良を踏んで後退するレッド。その胸元に男爵がサーベルで切りつける。走る炸裂音、精霊の加護を受けた特殊スーツに火花が走る。
「とどめだー」
男爵がサーベルを振り上げた瞬間だった。
「スプレッド・シャボン」
大量の泡が男爵の周囲にまとわりつき、次々と破裂した。
「ぐわあ、何だと」
思わずよろめく男爵。レッドが見上げたその先には、凛と立つ四人の精霊騎士の姿があった。
「レッド、大丈夫?」
叫んだのは青の騎士。母なる水の騎士、アクア・ブルーだ。
「みんな!!」
「悪いな、遅くなったぜ」
いかにもお調子者らしい黄色の騎士。空駆ける風の騎士、ウィンド・イエロー。
「何とか間に合ったみたいね、ブラック」
温かみを感じさせる柔らかな声の白の騎士。包み込む光の騎士、フラッシュ・ホワイト。
「我を従えるリーダーならば当然だ」
どこか冷たさを感じさせる黒の騎士。飲み込む闇の騎士、ダークネス・ブラック。
「馬鹿な、アリッサとゴルゴームに足止めさせたはずだ!」
男爵の慌てる声。
「あんなの、どうってこと無いんだから」
とブルーが言えば、イエローもそれに続く。
「蹴散らしてやったぜ」
四人は次々とレッドの傍らに駆け寄ってきた。
「どうやら、形勢逆転ですね」
「諦めろ、男爵。我々が来たからには、そうそうやられはしない」
一度はデモンゲートに組したホワイトとブラックも、洗脳の解けた今は地球を愛する騎士の一員だ。
「おのれ、精霊の騎士ども、覚えていろ」
悔しげに男爵は捨て台詞を残し、空中へと姿を消した。
しかし、安心したのもつかの間。男爵と入れ替わるように現れる巨大な影。先ほど倒したゴルゴームがベヘリットの魔力により、巨大化して蘇ったのだ。
「ちぇっ、相変わらずしぶといやつだぜ」
イエローは天を見上げ、それでも余裕を見せていた。
「よし、精霊機を呼ぶぞ」
レッドの声で、他の四人もそれぞれの武器を天に掲げる。
『いでよ、精霊機!』