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双龍は我が道を往く  作者: 神楽 弓楽
1章 「とある青年少女は異世界に転生する」
5/6

1話 「異世界に転生する」

修正しました。


修正しました。2

――トウヤside


異世界に転生した。


目覚めてすぐは『夢』という考えも出てきたんだが、目を開けて見た最初の光景で異世界にいることを実感させられた。


目の前に色とりどりの光の塊が漂っていた。

大きさは、大小様々。小さいものでパチンコ玉程で、大きいものの中には野球ボール以上もある。

そんな光球が明滅を繰り返しながら、フワフワと空中を移動していた。

その光景はとても幻想的でつい見惚れてしまうが、その光景は俺に現実を突き付けるには十分すぎた。


認めたくないことが、ロリ神は、俺に言っていた通り俺を異世界に転生させたみたいだ。




俺だって前の世界に思い残すことはあった。


やりたいことなんてたくさんあった。


親父達に死ぬ前に言いたかった文句は山ほどあった。

というかどうせ死ぬと分かってたら釘バット持ってお礼参りしたら良かった。釘バットぐらいじゃかなわないけどさ。


そもそも死にたくもなかった。どうせなら百何歳まで生きて大往生したかった。それがせめてもの夢だったのに

所詮夢は夢か……儚すぎる


どうせなら前の世界に生き返りたかったなぁ……そしたらアイツらに合って一言言えたかもしれないのに



今はそんな思いで胸がいっぱいだった。

しかし、その思いはどれも無いもの強請りだ。今からじゃどうしようもないことだ。うん。その辺は割り切れる。


だが、希望もないわけではない


あのロリ神は俺にこう言ったのだ。


『条件さえ満たせば好き勝手に世界(●●●●●●●)を渡り歩くこと(●●●●●●)もできるんだよ~』と


つまり、条件さえ見つけクリアすれば、前の世界に帰ることも不可能ではないと考えていいと俺は思う。


何年かかるか分からないが、一度でいい、一瞬でいい前の世界に帰って見せようじゃないか!


でだ

話が少し変わってしまうんだが

俺は一つ大変な思い違いをしていた。


転生って姿形は整然と一緒なんだろ?――と


だからこそあの時ロリ神に全てを任せたんだが…………そんな都合言いわけがなかった。


過去に戻れたのなら、あの時の俺をぶん殴ってやりたい。

というか転生と転移をごっちゃにしてた自分を今殴りたい。



異世界転生なのだ。間違っても異世界転移じゃない


転生とは、つまり別の存在(●●●●)として生まれ変わること。

姿形が一緒なわけがない。


生まれ変わるとは即ち、幼児から


つまり俺は赤ちゃんになっていた。




それに気づいた時、俺は絶望した。


『嘘だああああああああああああああああああああああああああああ!! 』



◆◇◆◇◆◇◆



――カナside



『嘘だあああああああああああ!! 』


「ふぇ!? 」


今の声何!?


「あうっ!? 」


突然頭に響いてきた声に驚いて、わたしは咄嗟に声が聞こえてきた方に目覚まし時計を止めるような感じに叩いてしまった。


叩いた手には何か柔らかく程よい弾力のある感触がして、舌足らずな幼い子供の声も聞こえてきた。


え?


「あうぅ………うっ、ぅあっ、うあぁぁぁ……」


聞き間違いかと思ったけど近くから赤ちゃんがぐずる声が確かに聞こえてきた。


もしかして………もしかしなくても赤ちゃん?


恐る恐る右手に視線を向けてみると、そこには潤んだ瞳でこちらを見ているくりくりっとした可愛らしい黒目の赤ちゃんがいた。


その子と目があった。



「あ……」


や、やってしまった。


こんな可愛い子殴っちゃった!


「あー! 」


何で赤ちゃんと一緒に寝てたのか分からないけど、わたしは慌てて、赤ちゃんの体に痣ができてないか確認するために左手を伸ばして赤ちゃんの頬を触った。


わっ、すごい。肌がつるつるぷにぷにしてる


って違う!

傷がついてないかちゃんと確かめないと!




幸い、赤ちゃんは見たところ当たったと思う鼻周りが多少赤くなっている以外には、傷や痣はなかった。見事なつるつるぷにぷにの餅肌だった


よかったぁー

怪我なんてしてたらどうしようかと焦ったよ。

何ともなかった事にわたしは、胸をなでおろした。


しかし………この赤ちゃんすごい美形……?


顔立ちも幼いけど整っている感じがするし、黒曜石のようなくりくりとした黒い瞳に、銀髪がサラサラっとしていてキラキラッと輝いている。


ようするに

めちゃくちゃ可愛い!! お人形さんみたい!


更に涙で潤んだ瞳がわたしの母性をくすぐってきて余計にその赤ちゃんが愛らしく感じる。


うーん、殴ったことは反省してるけど、こんな可愛いの見れてラッキー?


まぁ流石にそれは冗談として



このまま謝らないわけもいかないので、わたしは赤ちゃんに声をかける。


「あーーうっ!! ――ぅあっ? 」


大丈夫、赤ちゃん?

わたし的にはそう言ったつもりだった。


えっ――?

言葉が出せないことにわたしは一瞬驚きで頭が真っ白になった気がした。


身体がまるで別の身体になったみたい――って、あ



老神さんが最後に言っていた『新たな生を与えよう』ってもしかしてこのこと?


ああ……そっかぁ、そういうことか

今になって老神さんの言っていたことが理解できた。理解できると今の状況も納得できてしまった。


わたし、赤ちゃんになってたんだ。


改めて自分の手を見ればちゃっちゃな手だった。歯も生えてなかった



そりゃあ赤ちゃんだったら言葉しゃべれないよねー



感想待ってます。



14/10/16

改稿しました。

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