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双龍は我が道を往く  作者: 神楽 弓楽
0章 「とある青年少女は神と対峙する」
4/6

とある青年のプロローグ続

お気に入り登録してくださった読者の皆様ありがとうございます。

ハチャメチャ!!の頃から見て下さった読者の皆様ありがとうございます。


完結目指して誠心誠意頑張らせていただきます。どうかよろしくお願いします。


「うっ……ここは……? 」


 俺は……死んだんじゃなかったのか?



 生きてる……のか?



 状況が全く分からず、俺は起き上がって周囲を見渡した。



「白……? 」


 見渡す限りの白一色。

 限りがないのか視界の先では地平線のようなものが見えた。



 明らかに現実離れした光景。





 ………………寝よう。そしたら夢から覚めるはずだ。




「ねるなー! 」


 不意に、幼い声と共に寝ころんだ俺の腹に何かが圧しかかった。


「うぐっ!? 」

 

 腹に力を入れていなかった俺は、腹に響いた強烈な痛みに悶絶した。




「おおおぉぉ………」


「起きたー? 」


「起きたじゃねぇだ、ろ……? 」


 そこまで言ったところで襲撃者を目にした俺は、言葉に詰まった。



 見上げた先にいたのは、白いゴスロリ服を着たピンク髪の金色の瞳をした美幼女だった。


 そして、俺にドロップキックをしてきた張本人である。



 思わず目を擦って確かめてしまった。



 その幼女は、俺の行動を見て何を思ったのかふふんと偉そうに笑った。


「アハッ♪ もしかしてわたしに見惚れちゃった? 」



 いや、それはない。




◆◇◆◇◆◇◆




「神様ねぇ……」


「そっ! わたしは全知全能なるとーっても偉い神様なの! 」


 というわけで、目の前で偉そうに、ない胸を張るこの幼女は神様らしい。

 自ら発光しているような、全身が神々しい光に包まれているその姿は神様と言われれば、納得しなくもない。


 隕石の時の閃光で目がおかしくなったわけじゃなかったんだな。何度も目を擦って確認してしまった。


 まぁ、普段ならそれでも嘘だと即答しただろうし、仮に本物だとしても進んで神様なんかと関わろうと思わないんだけど……


 この状況からして、それは無理だろう。はぁ……



「で、その神様が俺に何のようなんだ? 」


 取りあえず、その神、いやロリ神が何の用で接触してきたのかは気になる。



「それはねー。わたしが君のこと気に入ったからだよっ」



「はぁぁ……」



「あぁぁ! 何で今ため息ついたの!? そこは喜ぶか驚くとこでしょ! 」


「めんどくせぇ……」


 君を気に入ったとか、俺にとったらただの面倒ごとの始まりなんだよ。


「むー……折角、わたしが死んだ君を異世界に転生させてあげようと思ったのに、この反応……面白くない! 」


 俺の反応が気に入らなかったようで、ロリ神はぷーと頬を膨らませてふてる。



 ん? ちょっと待て。今何て言った?


「俺が……死んだ……? 」



「あれ、気付いてなかったの? 君もう死んでるよ? 」









 ……今から現実逃避してもいいか?




◆◇◆◇◆◇◆




「そうか。やっぱり、俺あの時死んでたのか……」


 

 だけど、まぁ、そりゃそうだよな。

 あんな目の前まで隕石が落下してきていて、はい無事でした。ってなわけないよな。


 こんな現実離れした場所にいるから薄々感づいていたが、その事実を真正面から突き付けられると結構くるものがあった。


 


 死んじまったか……



「因みに君が死んだ理由知りたい? 」


「いや、いい……」


 あの状況で隕石以外の理由がない。


「それより転生ってことは、生き返ることは無理なのか? 」


「無理だよ。君はあの世界から既に『排除』されてるからね」


「そうか……」


 もうあそこに戻ることはできないってわけか。


 いや、止めよう。もう死んでしまってるのだ。こんなことを考えたらきりがない。今後のことを考えよう。


「それで、異世界の転生って具体的にはどういうことなんだ? 」


「おっ! やっと聞いてくれたね。いいよ。わたしが詳しく説明してあげるっ! 」


 ロリ神は待ってましたとばかりに満面の笑みで嬉々として俺に説明を始めた。


 

「本来、魂っていうのは死んだらその世界の輪廻に組み込まれて、再び同じ世界に転生する、所謂、輪廻転生が基本なんだけど、君のような世界から排除された魂や、神に気に入られた魂、それに何らかの原因で他の世界に渡ってしまった魂は、本来の世界の輪廻の輪から強制的に外されて『自由な魂』になるの。

 この自由な魂ってのが大事なの! 自由な魂になると、どんな力を持つ神でも弄ることができない魂が好きに弄れるようになるんだ!

 本来、魂っていうのは、神でも弄れないように、分かりやすく言えば防壁が幾重にも重ねられて厳重に保護されてるんだけど、世界の輪廻から外れるとその防壁が全部無くなっちゃって魂がむき出しになるの。だから、『自由な魂』には好きに能力を付けれるようになるし、わざわざ他の世界の輪廻に組み込まなくても、その世界に転生できるようになるんだよ。世界の輪廻に組み込まれずにいる魂って、条件さえ満たせば好き勝手を世界を渡り歩くこともできる存在にもなれるんだよ。

 どう、分かった? 」



「だいたいは」


 つまり、俺に色々能力与えて異世界に転生させてあげるよっていう最近のファンタジー小説でよくある感じの奴だろ。


 俺の知ってる作品だと最終的に、主人公が異世界で英雄とか勇者、王様になってたっけ?


 俺としては是非ともご遠慮願いたい展開だな。


 まぁ、どうせ架空の話だな。実際そう上手くはいかないだろ。俺は極々平凡に村人Aとして暮らさせてもらおう。



「因みに、俺が転生する異世界とか、何に転生するとか、与える能力とかって俺が選ぶことはできるのか? 」


 架空の物語の知識から、ロリ神に聞いてみる。


「えーやだよ。そんなのつまんない。転生させる場所はもう決まってるし、与える能力はわたしがきーめーたーいーのー。だからそれはだめー」


 ロリ神は、ダメーと胸の前で両手を交差させてバッテンをつくる。



 断るにしてももっとましな理由で断れよ。何様だよ。神様だったか。



 まぁいい。変に主張して機嫌損ねられたら目も当てられない。


「分かった。だけど、めんどくさい能力とかだけはつけないでくれよ」


「うん。このわたしにまっかせなさい! ここまで自由にできる機会は早々ないからね! 」


そう言ってない胸を張るロリ神。


 不安だ……ものすごく不安だ。



「じゃあ、そういうことでわたしが選んだ異世界に転生させてもいいよね! 『全て』わたしにまかせてくれていいよねっ? 」


「ああ………任せた」


 一抹の不安を拭うことができなかったが、ここまでくればこのロリ神を信じるしかない。


 俺は、ロリ神に任せることを了承した。



 すると、俺の体が眩しく発光し始めた。


 しかもどんどん体が透けていくおまけつきで



「なっ!? これは一体なんなんだ!? 」


 突然の発光現象に俺は動揺する。


「大丈夫だよ。それは君が転生する準備に入った印だから」


 そんな俺にロリ神がにこにこと笑いながら答える。


 本当か………?


 いや、ここは信じるしかないな。




「そうか。じゃあ信じてるぞ。ロリ神、ありがとな」



 そして、俺は再び意識を失った。





 そして、俺は異世界に転生した。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


狭間(ハザマ)刀哉(トウヤ) 享年18


死因:隕石の落下による体の蒸発

感想待ってます。


14/10/16

改稿しました。

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