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∨妖刀{殊音}の精神世界



何だここは―――?



夢なのにはっきりと意識がある―――



そしてなによりここはどこだ―――?





「君の使い魔は非道いね。まぁ魔王だから仕方ないっちゃあ仕方ないんだけど」





不意に後ろから声が聞こえる。



俺の今居る空間は一面が白。どこを向いても白一色。



声に反応して振り向くとそこには幼い少女が居た。


金髪で髪はショート。

服装は真っ赤なワンピース。

何より目を惹いたのは西洋人形と見紛うほど整った顔立ち。





「君は誰?」



「私は妖刀{殊音}の意志」



「此処は何処?」



「貴方の夢の中であり妖刀の内部でもある…そんな空間」



「何故今現れた?」



「現れた、と言うよりは引きずり出された、が正しいかな。あぁ、君の使い魔にね?せっかく気持ち良く寝ていたのに……」





眠って居た?なのに妖刀としての能力は失われていなかったのか?





「そうだよ?寝ていようが起きていようが基本スペックは変わらないもの」



「心まで読めるのか……で、起きていると何が有るんだ?」



「そうだね、今まで吸って蓄えた魔力を消費して具現化できるね」



「いつから寝ていた?」



「う~んと……ざっと1000年かな」



「どうして目覚めた?」



「君の使い魔の魔王リティアに引きずり出された。そうそう知ってる?君の使い魔はいずれ君を殺すよ?」





はぁ?リティアが?俺を?





「魔界に戻るためには呼び出した当人と契約し主を殺さなきゃ帰れないからね」



「へぇ~。で、俺にどうしろと?」



「冷たいなぁ。これでも君に対して評価はしているんだよ?何たって君の家系は………なんだからね」





っ!?


意味が判らない!!


からかっているとしか思えない……


でも……もしそうだとしたら俺はリティアを殺すことになるしリティアがその事に気付いていたのなら俺を殺すのにも辻褄が合う。





「さっすがぁ。飲み込みが早くて助かるよ」





まぁ、どのみちどうでも良い話だな。


仮に俺が……だとして、役割を果たすんだったら親父の方が適任だ。

技量、力、経験。その全てにおいて俺より格段に上だし魔法も使いこなせる。





「まだまだ餓鬼なようだね」



「いやいやいや、その見た目で言われても説得力に欠けるぞ」



「まぁいいさ。どの道君は殺し合わなきゃならない」



「はぁ…要件はそれだけか?だったら早く戻してくれ」



「そうそう言い忘れるところだった。これからよろしくね?色々とお世話になるよ」





それだけ言うと少女はまるで空気に浸透するかのように消え、俺は意識を現実に引き戻された。





「気が付いたか。どうだ妖刀との対面は?」



「最悪の気分だ」



「まぁそれが普通なのだろうな。危害は加えられなかったか?」



「いや?何か友好的だったよ。でも見た目が…」





幼女だよ幼女。すっごい大人びていたけどえらく不自然だったよ…





「寝起きのところ悪いがそろそろ試合の時間だ。準備体操でもしておけ」





俺は言われるまでもなく体をほぐした。

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