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●聖騎士選抜戦part3

 ……………………。





「あれ? 地面が元に戻ってる」





先ほどリティアが何らかの魔法で地面を抉ったのだがそれが消えている。





「次の試合に影響すると困るから土のメイジによって地形は直ぐに修正されるんだよ。そんな事より話がある」





いきなりサイモン教諭が真横に出現し、かなり驚く俺と対照的にリティアは全く驚いていない様子だ。


どこから沸いてきた……





「話って何ですか?」



「もうボードは見ただろうが次の相手は我が校の生徒会長であるパウル・レイロイドだ。今までの実力を見ると怪我をしないうちに棄権しておけ」



「嫌ですよ。折角学校の公認で真剣を使える機会なのに負けるならまだしも辞退なんて……それにこっちにはリティアが居る。負けることなど有り得ませんよ」



「そうか……くれぐれも無茶だけはしないでくれよ?」



「ご忠告どうも」





サイモン教諭は何か言いたげだったが足早にAブロックへ向かった。





「やぁ、君がシン・ヴェラード君か。僕はパウル・レイロイド、よろしくね」



「俺の事を知っているような口振りですね?」



「1年生で有望株、そしてなにより『魔力を全く持っていない』のに魔法を使う異能。それに……その使い魔は君に相応しくない」



「前者はわかるとして、最後のはいただけないなぁ……貴様に何が判る?」



「わかりますよ、私の使い魔は天使ライナス。貴女の事をある程度は知っているらしいですよ? 魔王さん?」





パウルの真後ろから金髪の隙間から蒼い双眸が覗いた……所謂男の敵、イケメンな天使が現れる。





「勝算があっての挑発なのだろうな?」





リティアが若干キレながら言う。





「無論、有りますよ。この試合では使い魔を無視して標的だけ倒せば勝ちなんですよ?」





ヤケに自信満々な生徒会長。正直ウゼェ……





「おい審判、始めてくれ」





既に一触即発な状態なので、審判に促す。





「それでは、試合始めっ!!」



「消え去れ!! {ディアボロスカーン}」





開始早々に、俺でも知らない魔法をかますリティア。


直後、視界が黒一面に染まる。





「フハハハハ!! 闇の神級魔法のお味はどうだ下級天使よ? ククク」





会場が沈黙に支配される。

視界から徐々に闇が消え、パウルの姿を確認すると半円形の光に包まれ、なんとか無事らしいが天使の方が、最早ズタボロである。





「ばっ…馬鹿げてる……何だよこのパワー……」



「さっきまでの威勢はどうした小童? 恐怖と驚愕で端正な出で立ちが台無しだぞ?」





先程までキレていたリティアはさぞ満足だろう。


天使はかろうじて意識があるものの戦力外だし当のパウルは失禁している。



Aブロックの地面はクレーター状に消え去り、地面からは黒い煙が立ちこめている。





「つまらんな。本気の100分の1も出していないと言うのに……」





冗談じゃない。今の魔法の100倍?このテスタニア王国ごと吹き飛ぶんじゃないか?





「しょ、勝者シン・ヴェラード!!」





「ワアアァァァ!!!!!!」





直後、観客席に居た生徒達が耳がつんざく程の歓声を上げる。





「よくやった!! シン・ヴェラード!!」



「ざまぁみろ金泥棒パウル!!」





何故に罵声が飛び交う?


俺に対してならわかるが生徒会長なにやってたんだよ……





「おほぉ!! お前の調子見にくれば面白い現場に遭遇したもんだ!!」





と、そこへキースが現れた。


ナイスタイミングとしか言いようがない。





「噂に詳しいキース君、この生徒会長って何かやってたのか?」



「おうともよ。部活動を潰されたくなきゃ金を貢げって各部活の部長に圧力掛けでカツアゲしてた糞野郎だよ。まぁ実力、ルックス共にそこそこだから今まで誰も口出し出来なかったんだが……よくやったよシン!!」



「やったのは激情したリティアだよ。あれで本気の100分の1らしいぜ?」



「えと……リリス……だよな?」



「はっ、しまった!! リリスは神級魔法など使えない!!抜かった……済まないシンよ……」



「なぁ、疑問なんだが何でそんなにプライド高かったり無茶苦茶強かったりするのに俺の使い魔になったんだ?」



「む……それは――」





『はいは~い!! そこの3人!! 試合は終わったんだから一旦そのAブロックから離れようか!? 一緒に埋めんぞコラァ!?』





大慌てで俺達はAブロックを離れた。





「ここで話すのは難だ。今夜にでも話そう」



「それもそうだな。解った。因みに次準決勝なんだけど…」



「ん? ああ、魔力の問題は無い。まだ殆ど使ってないからな」





因みに次の相手は一応3年生なのだが生徒会長パウルより下の部類らしい。(キース情報)



当のキースは受け付けのお姉さんを口説いている。


アフォが。





「……シン」



「ん?」



「その妖刀……殊音と言ったか……貸してくれないか?」



「良いけど……魔法使えなくなったらどうするんだよ?」



「なに、平気さ。こうすればな」





リティアはどこから出したのかラバー素材の手袋を付ける。



俺は妖刀をリティアに渡す。見たところ平気なようだ。





「ははぁーん、やはりな」



「どうかしたか!?」



「よく見ておけ?」





そう言うとリティアは妖刀に力を込めた。



すると眩い光が妖刀から放たれ、俺の意識は一瞬でブラックアウトした――。

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