第1話
この物語はフィクションです。
「君は何故生きているの?」
そう突然聞かれて、すぐに答えを思い付く人間は少ないだろう。実際、私もすぐに答えることはできない。いや、今の私はいくら考えても、その質問の答えを見つけることはできないだろう。いままで17年間生きてきたのだが正直、自分が何故生きているのかなんて考えもしなかったし、誰も教えてくれなかった。大人達から教わったことと言えば、将来何に使うのかもわからない記号や歴史、それと大人のズルさや汚さ。まぁ、中には本当に私達、子供…17っていう歳を子供って言えるのか言えないのかは知らないけど、子供っていうことにして、子供のことを本当に理解してくれている大人もいたけどそれはほんの一握り程度の人だった。とにかく、私に生きている理由を教えてくれた人はいなかった。もし、私が人間以外の動物だったのなら答えは簡単だったろう、それは子孫を残す為だ。本来なら人間も動物なのだから子孫を残す為という答えがすぐに浮かぶはずなのだが…今の人間を見るとそんな答えは出てこない。私が生きている理由ってなんなのだろうか。私は何故、生きているのだろうか……
私がその質問をされたのは、いつものように代わり映えのしない毎日の中での、ある日のことだ。
その日、高校生の私は学校に行き、約10時間を学校ですごし、長い長い学生としての1日を終え、帰宅していて、帰宅路の途中の橋を渡っていた。そこに彼は突然、現れた。彼は黒いマントで全身を覆っていた。そして、片手には大きな鎌を持っていた。正直、見た瞬間、「死神のコスプレ…なんでこんなところで…」とか思ったりした。いや、おそらく、死神のコスプレ…あたりまで口に出してしまっていただろう。あまりにも突然でインパクトが強すぎて驚くのも忘れてしまっていた…いや、普通は驚くっていうことは忘れたりするものではなくて自然とそうなるものなんだろうけど…。彼と私は向かい合ったまま、しばらく相手を観察し合った。彼が私を観察していたかは定かではないが少なくとも私は彼を観察した。観察していて、ふと彼の顔を見た時に目が合った。すると、彼は現れた時のように突然話し始めた。
「はじめまして、中川八重さん、突然ですが僕は死神です。あなたに運命の質問をしに来ました。その質問にあなたが答え、それが僕の納得する答えなら、あなたには生きている価値があるとして僕はあなたに手を出しません。しかし、もし納得できる答えでなかった場合は、あなたの魂をいただきます」
聞いた時は、頭が働かず呆然と「この人、何を言っているの」と言わんばかりの顔で彼を見ていたのだが、しばらくしてツッコミどころ満載の彼に向かって返事をした。
「意味がわからない…。コスプレしてキャラになりきるのは君の自由だけど、そんな悪ふざけが過ぎた質問をいきなり名乗りもせずに初対面の私に向かってするのは失礼じゃないかな…」
すると彼は、おもむろに鎌を橋の上一面に敷き詰められたアスファルトを力強く突き破って咲いていただろうタンポポに近づけた。するとタンポポは枯れた…ありえないだろう…今まで花びらを黄色に染めて綺麗にそして、かわいらしく咲いていたタンポポが目の前で一瞬で枯れた。言葉が出ずに口をポカーンと馬鹿みたいに開いて枯れたタンポポを見つめる私、そんな私を無視して話し始める「死神」の彼。
「えーっと、失礼しました。僕の名前は夜鬼、正真正銘、本物の死神ですよ。…あの〜…聞いてますか?」
「あッ!は、はい!うん!聞いてるよ!」
「…まぁ、いいです。先程話したようにあなたに質問します。それに答えてください。では、質問です。」「ちょ…ちょっと待ってよ!なんで私がその質問とやらに答えないといけないの?ていうか、魂をもらうってなんなの!?」
「ん〜…あなたが質問に答えないといけない理由は僕…死神に質問をされたからです。答えない場合、魂をいただきます。魂をいただくというのは簡単に言えばあなたが死ぬ、ということです。わかりましたか?」
「わかるか!なんで私が選ばれたのよ!?」
「たまたま、僕の目についたからです。死神っていうのはそういうものなんですね。割りとテキトーです。まぁ、僕に選ばれたからには、あなたが死なずにすむ方法はただ1つ、質問に答えて僕を納得させることだけです。」
もはや抗議の言葉も思いつかず、私は彼の言うことを黙って聞くことになった。
「では、質問です。[あなたは何故、生きているのですか?]質問の答えを出すまでの期間は1ヶ月。その間、さすがに制限はありますが過去への行き来を自由にできるようになります。過去に行きたい時や質問がある時はこの笛を吹いてください。」
彼はそう言って首から下げていた笛を私に手渡した。彼の話の意味がわからず圧倒されて黙って笛を受け取る私…
「では、いい答えを期待しています。頑張ってくださいね。」
そういうと彼は姿を消した…本当に目の前から一瞬で消えた。
「…え?」こうして、私の生きている理由探しの物語は始まった…。
ここまで読んでくださり、有り難うございました。正直、かなり読み辛かったと思います。すみませんでした。精進します。




