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休日といヤツ 後編

轟音が響いた。


一瞬、世界が揺れるほどの爆発音が周囲を包み、空気が焼けるような衝撃が辺りを駆け抜けた。



「ちょっと!? なんてことするのよ!」



怒鳴り声とともに、姫崎(ひめさき)アリアが土煙の向こうから飛び出してきた。鋭い目で目の前の男を睨みつける。


男は、黒いコートにフードを被り、顔を半分マスクで覆っている。


明らかに異様で、敵意に満ちた存在だった。



「頭ぶっ飛んでるわね……!」



そう吐き捨てるアリアの声は冷たく、そして強い。


彼女は氷羽(ひばね)学園の第二学年、武芸科首席。

その小柄な体躯に似合わぬ迫力を放ち、誰よりも早く前線に立つ実力者だ。


その手に握られているのは、妖艶な光を放つ日本刀──櫻月(さくらぎ)


彼女の祖父から受け継がれた名刀であり、選ばれし者にしか扱えない“()()”である。


刃文に桜が舞うような意匠が施され、抜刀した瞬間、ほんのりと花の香りが空気を震わせる。


桃色の髪はハーフツインに結ばれ、爆風でふわりと宙を舞う。


その姿はまるで、春の嵐の中を駆ける桜の精のようだった。


アリアは一歩踏み込み、鋭く刀を構える。



「名乗るつもりもなさそうだし、さっさと沈んでもらうわよ。こちとら約束があるのよ」



言葉の端に、圧倒的な自信と覚悟が滲む。


敵が返事をする前に、アリアの姿がかき消えた。






──交戦が、始まった。






一方、喫茶店の奥、少し落ち着いた雰囲気のテーブル席。




朝日(あさひ)の手元の端末が、通知音とともに震えた。内容を確認した瞬間、彼の眉がわずかに動いた。



「……来たな、これは、、C()O()V()からの脅迫状だ」



静かに告げられたその言葉に、場の空気がわずかに揺れる。



「C.O.V……!?そんな、まさか、、本当なのか……?」



(りん)が眉をひそめて小声で呟いた。彼女の声音には、驚きというよりも“確信”が混ざっていた。



「これって、あの……?」



控えめに、しかし明確な好奇心を抱えて、琴葉(ことは)が声を上げた。だが言葉は途中で止まり、曖昧に視線を陽翔(はると)に向けた。


陽翔は頷き、静かに言葉を続けた。



「C.O.V──正式名称はCradle (クレイドル)of(オフ) Vices(ヴァイシズ)。直訳すれば『悪徳の揺り籠』。世界中の異能機関や国家を敵とする、反逆者集団だ」



「……そんな組織が実在するなんて」



琴葉は思わず口に出したが、その表情は本気で信じられないというよりも、ただ“想像の外”だったという困惑が色濃かった。



「普通は知らない。C.O.Vの存在は、国家間での極秘扱い。俺たちのように情報中枢に近い立場か、直接関わりのある者以外には伝わってこない」



その“俺たち”という言葉に含まれていたのは、


――鷲宮である陽翔と雪乃


――国家情報部門に籍を持つ刀根朝日、


――鷲宮家を代々補佐する瀬戸家の後継者・凛。



そして、白鷺琴葉は――そのいずれでもなかった。ただ、生まれ持った天才だった。



「『O.S.』では──彼らをこう呼んでいる。“()()()()()()()()()”と」



その言葉を口にする陽翔の表情は、どこか冷たく、そして悲しげだった。

まるで、そこにかつての“仲間”を見ているかのように。


琴葉は何も言えず、小さく唇を結ぶ。



「このタイミングでC.O.Vが動いたってことは、今回の事件……想像以上に根が深いよだ。ただ事ではない」



凛が呟く。彼女の視線は既に戦闘時のそれに近い。



「……羽冠戦(ウィグラ)を前にして、派手にやってるな」



陽翔は小さく頷くと、冷静に、だが確実に言った。



「これはただの騒ぎじゃない。」



そして、誰もが黙った。


だがその静けさの中で、それぞれの心が、戦いへの覚悟を固めていた。いつ出動してもいいように。



「C.O.V.が相手ということは、俺が出動する。」



陽翔は静かに立ち上がった。


椅子の背から上着を取り、手早く羽織る。


落ち着いた口調だが、その言葉には揺るぎない決意が滲んでいた。


カウンターの奥で作業をしていた朝日が、画面から視線を外し、陽翔に向けて声をかける。



「まだ政府からの出動要請は来てないぜ?」



その声には抑えきれない焦燥と、わずかな警戒が含まれていた。


彼の手元には、政府の専用回線が繋がったノートパソコン。


更新を続ける暗号化通信には、まだ「()()」の文字は表示されていない。


政府の許可なく動けば、どれだけの実力者でも越権行為とされる──通常なら。


だが、鷲宮 陽翔(わしみや はると)は違った。


彼は日本が誇る最強一族「鷲宮家」の次男でありながら、国家の枠すら超えた存在。


世界七大精鋭で構成される異能統制機関、O(Order )(of )S・(Seven)の第一席


コードネームは──Regalia(レガリア)


絶対王者の名を与えられた男である。



「……命令があろうがなかろうが、俺が動く時は決まってる。」



陽翔はそう呟くと、ジャケットの内ポケットから黒いカードケースを取り出した。


中には、O・S・の関係者にのみ配布される金属製のIDカード。


一片の無駄もないその動作でカードを端末に翳し、緊急通信を起動した。


端末が数回光を放ち、政府本局とO・S・本部への連絡が自動で走る。



Regalia(レガリア)、緊急行動コード発動する。C.O.V.関与確認につき、即時出動許可を求む。──いや、通達のみで十分だ。」



冷ややかに放たれた声は、まるで王が布告するようだった。


一瞬の沈黙。


そして、受信側から返されたのはただ一言。



Regalia(レガリア)、全権限を認める。状況の制圧と情報確保を優先せよ。そして日本の無事を祈っています』



端末が静かに応答を終了する。


その場にいた全員が、陽翔の背中を見つめていた。誰も言葉は発しなかった。ただ、そこにあるのは確信だった。


──王は動いた。


そして、それが終わりの始まりを告げる合図であることを、全員が理解していた。



「雪乃、準備はできたか?」



陽翔が振り返りながら静かに尋ねた。


その声に、雪乃は僅かに頷く。


彼女は数分前からずっと、手元の端末を操作していた。

表情は冷静そのもの。

けれど、その瞳の奥には微かに緊張の光が走っていた。



「ええ、たった今、本部に繋がりました。」



そう答えながら、雪乃は手元のカードキーを一度タップする。


すると次の瞬間、彼女の目の前に浮かぶ小型端末が薄い青白い光のスクリーンを空中に投影した。


スクリーンには、政府本部の通信室が映し出されている。


防音壁に囲まれた重厚な空間。そこに整然と並ぶ機器と、監視員たちの真剣な表情が映っていた。



「こちら氷羽学園、O.S.第一席・Regalia殿下を通じ、緊急事案C.O.V.に関する初期対応を行っています。本部の支援体制、確認できますか?」



雪乃の声は淡々としている。しかしその端正な声には、現場の指揮官としての自覚と責任がはっきりと宿っていた。


通信先からは、即座に返答があった。



『氷羽学園の雪乃副長、回線は安定。緊急対策班がそちらの支援に入れるよう、調整に入ります。──Regalia殿下の指揮下、現場優先で進行してください。』



その言葉に、雪乃は再び小さく頷いた。



「──承知しました」



彼女が指先を軽く払うと、空中に投影されたスクリーンが一度暗転し、続いて複数のタブが展開される。


政府本部、氷羽学園の風紀委員本部、警備科、そしてO.S.の日本支部──あらゆる情報網が、一瞬にして掌の上に集約された。



「情報ラインはすべて接続済み。準備は整いました、会長。」



その言葉に陽翔は一度だけ深く頷いた。



「よし、今から指示を飛ばす。」



静かに、けれど確かに──王は前へと歩み出した。


そしてその隣で、冷静な副官は光の通信を指先で操る。

これが、彼らの"出撃"だった。


重々しく張りつめた空気のなかで、陽翔が一歩前へ出た。


背筋を真っすぐに伸ばし、淡い青のホログラムに照らされた瞳が、通信先の政府関係者たちを見据える。



「──ただいまより、緊急国家武芸会議を開始する」



その一声で、複数のホログラムモニターに映し出されていた政府関係者たちが一斉に姿勢を正す。


各国の指導者、軍事顧問、武芸部門の司令官たちがこの回線に接続していた。


陽翔は手元のタブレットをスワイプし、刀根朝日が直前に解析を終えたばかりの機密データを各モニターへと送信する。



「これが、C.O.V──Cradle of Vicesから、日本政府に送られてきた“脅迫状”だ」



一拍置き、陽翔の声が重く続く。



「簡潔に要約する。やつらは、“日本を政略支配する”と明言している。これは明確な国家への挑戦であり、O.S.規定第七条に基づく武装干渉対象に値する」



瞬間、各国の代表たちがざわめいた。声は抑えられていたが、その表情には驚愕と焦燥が浮かんでいた。


陽翔はその反応にも動じず、冷静に話を続ける。



「現在、日本・岐阜県──氷羽学園高等部管轄エリアにおいて、C.O.V.の幹部“Code(コード)Pride(プライド)”と、我が学園武芸科第二学年首席・姫崎アリアが交戦中であることが確認された」



即座に、ホログラムの一部がアリアのバトルログと映像記録に切り替わる。

彼女が櫻月を手に、敵の猛攻に立ち向かう姿はまさに修羅のごとき迫力だった。



「他の幹部メンバーは現在確認されていないが、O.S.本部の調査によれば──同時刻、C.O.V.関係者は世界各地で同時多発的なテロ行為を展開している。日本には、幹部ではないが組織に連なる反逆者集団が多数出現しており、交戦が続いている」



陽翔は視線を静かに全体へ走らせる。



「主現場である日本については、我々氷羽学園の生徒会が対応に当たる。現地指揮は、鷲宮雪乃(わしみやゆきの)が行い、国家本部との連絡・調整は、鷲宮朔真(わしみやさくま)に一任する」



雪乃は静かに一歩前に出て、端末を構えたまま深く一礼する。凛と朝日もそれぞれ任務に集中し、静かにうなずいた。



「他国の対応は、O.S.ランクSA級認定を受けている国家代表に指示を一任する。──情報は逐次共有され、必要時は即時支援を展開する。以上が、現時点での判断と対応方針だ」



言い終えると同時に、陽翔は腕を組み、再び正面を見据えた。


その瞳に宿っていたのは、王の意志だった。


たとえ世界が混乱の渦に包まれようとも、自らが前に出て道を切り拓く──


それが、第一席“Regalia(レガリア)”たる者の矜持である。



「──頼んだ、陽翔。」



低くも芯のある声が、空間に静かに響いた。


通信端末から聞こえたのは、鷲宮家の長男にして、国家情報統括本部の戦略顧問、鷲宮 朔真のものだった。


モニターに映し出されたその表情は冷静そのもので、緻密な判断と非情な決断力を併せ持つ男としての威圧感すら滲んでいた。


だが陽翔にはわかっていた。


兄・朔真のその冷静さの奥底に、どれほど強く弟を想い、そして妹たちの安否を案じている心があるのかを。


現在、朔真は神奈川県の国家情報本部・防衛制御局に詰めている。


陽翔は本来であれば兄の戦闘能力と指揮力を現場でこそ活かしたいと考えていたが──


今回は、日本全域に同時展開された危機への対処という観点から、国家本部に残り各地に即時対応の指示を出してもらうことの方が、遥かに合理的であると判断した。


それは、朔真もまた同じだった。



「……わかっている。現場の判断はお前に任せる。無茶はするな」



モニター越しに映る朔真の眼差しは厳しい。


だがその奥にあるのは、弟を信じる者としての覚悟と、そして何より──

“兄”としての深い情だった。


互いに、言葉には出さない。


だが、伝わっていた。

この“作戦”が、どれほど危険を孕んでいるかも、それでも陽翔なら乗り越えると、誰よりも信じていることも。


陽翔は短くうなずいた。


口元には、かすかに浮かんだ――かつて兄に手を引かれ歩いた、幼き日の面影すら残す、確かな決意の笑み。



「大丈夫だよ、兄さん。」



言葉少なに交わされたその会話には、

家族という最強の絆が、静かに、しかし確かに宿っていた。



「──陽翔、覚えておけ」



モニター越しに静かに放たれた言葉は、

まるで時間を一瞬止めるかのように、その場の空気を変えた。



「お前に何かあったら──」


「俺は、自分の立場や任務、全てを捨ててでもお前を助けに行くからな」



その一言に、空間が静まり返った。


陽翔の背中にひやりとした感覚が走り、

鳥肌が立った。


冷徹な国家の中枢にいるはずの兄が、そんな言葉を言うなど、本来あってはならない。


国家ランクSの任務遂行者たるもの、感情より任務を優先し、命令に従い国益を守ることが常である。


それを、たった一人の弟のためにすべてを投げ打つと――

平然と言い放ったのだ。


陽翔は一瞬だけ、息を飲み、そして小さく目を伏せた。



(……やっぱり、兄はすごい人だ)



心の奥底で、ふつふつと熱いものが込み上げてくる。


厳格で、どこまでも完璧な兄。

だがそれ以上に、誰よりも家族を想い、弟の命を第一に考えてくれる存在。



それに応えるためにも、──いや、それを守るためにも。


陽翔はまっすぐにモニターを見つめ、静かに、そして確かにうなずいた。



「……ありがとう、兄さん。でも大丈夫。俺は死なない。必ず、生きて帰るよ」




自らが率いるO・S・のレガリアとして、そして鷲宮の後継者として、戦場に赴く覚悟を胸に。



兄弟の対話は、それきりだった。

だが、互いの胸には確かに刻まれていた。



「この世界で、絶対に背中を預けられる相手がいる」という揺るがぬ信頼が。



「――緊急会議はここまでだ。あとは雪乃、任せた」


陽翔の言葉に、雪乃は静かに頷いた。


すでに複数の指令を各国家本部に送信し終え、彼女は瞬時に情報戦と司令系統の掌握に切り替わっていた。


端末の前で、目を細めながら空間投影された各国の通信網に視線を走らせる。


陽翔は素早く指示を出す。



「姫崎の応援に行く。俺と凛が前線に立つ。朝日は姫崎の状況次第で合流しろ。一旦、後衛に回ってくれ」


「了解」

と朝日は頷き、携帯端末に指を走らせながら既に支援用の情報ツールを起動していた。



「白鷺はいつも通り、サポートを頼んだ。補助展開と現場の情報解析を任せる」



「はい、任せてください」琴葉はすぐに手のひらサイズの展開式端末を操作し、結界術と情報サーチのプログラムを走らせ始めた。



「雪乃は司令塔だ。状況が変わればすぐに判断を委ねる」



「承知しました。すぐに行動に移れるよう、全データは共有しております。万一の回線断絶時にも即座にバックアップ通信に切り替えれます」



静かに、しかし確実に。氷羽の精鋭たちは、役割を果たすための準備を整えていた。


陽翔は全員を見渡し、改めて確認するように一歩前に出た。


装備を確認し始めると、各自の体に違和感なく馴染んでいるその一つが視界に映る。

制服ではなく私服の上から、それぞれの胸元や襟元に輝く「氷羽の校章バッジ」。



それは単なる飾りではない――


“想いに応じ、武器が具現する”。


氷羽学園における、唯一無二の装備許可証であり、武器召喚の核となる神器だった。


校章に意思を流すたび、登録された“その者だけが呼べる”武器が、次元を越えて具現化される。


だが忘れてはならない――これは単なるシステムではない。


武器には“意志”がある。選ぶのは人ではなく、武器のほうだ。


そして今――姫崎アリアがその手に握る刀、名刀・櫻月(さくらぎ)は、二代目として彼女を選んだ。


幾千の戦場を経て眠っていた霊刀が、再び目覚めたのだ。


それは、血と誓いと運命に導かれた“証”だった。


陽翔は静かに校章バッジへと指を伸ばし、その表面にそっと触れた。


その瞬間、空気がわずかに震えた。

周囲の音が消え、世界が一瞬だけ静寂に包まれたような感覚。


陽翔は目を閉じ、自らの内側に意識を沈める。


――反応したのは、()()だけではない。


それを知っているのは、この場にいる誰でもなく、陽翔ただ一人だった。


普通、武器に選ばれるのは一人一振り。だが陽翔には、複数の存在が応じていた。


(今回もお前の力を借りることになりそうだ)


心の中で、そう語りかける。

返答はない。

けれど、確かに「意志」は感じられる。


それは神聖なる気配をまとい、まるで光そのものが刃と化したような存在。


次の瞬間、陽翔の右手に降り立つようにして現れたのは、白銀に輝く剣。


名は《アヴァロン=セラフィム》。


神の階層に至る力を秘めし、選ばれし者のみにその姿を顕す、聖域の遺産――


柄から刃先に至るまで無駄のない美しい造形。


剣身には翼の紋様が刻まれ、持つ者の精神に応じて輝きを変える。


剣から放たれる光は、周囲の空間に聖なる結界を形成するほどで、見上げるだけで畏敬の念を抱かせた。


それを手にした陽翔は、目を開ける。


瞳の奥で、金色の意志が灯っていた。


生徒会長として、氷羽学園の象徴として、そして――O.S.の第一席《Regalia》として。


今、この世界の秩序を守るために、陽翔は再び剣を抜いたのだった。



外の陽射しは変わらず暖かく降り注いでいるのに、胸の奥に冷たい風が吹き抜けるような、不穏な気配が広がった。


いつもの平和な日常が、まるで幕が閉じるかのように、音もなく終わりを告げたのだ。


友人たちとの穏やかな会話、笑い声、和やかな時間はすべて、過去のものとなった。


それに代わって、現実の厳しさ、そして恐怖が目を覚ます。

この先に待ち受ける悲惨な試練の予兆を、誰もが感じ取っていた。



人知れず学園の奥底で動き始めた陰謀、壊れたAIシステム、そして今まさに交戦中の敵の存在。

その全てが、明日の平和を奪い去ろうとしている。


陽翔は静かに周囲を見渡した。


彼の瞳は鋭く、決意に満ちていた。


「もう後戻りはできない――俺たちの戦いが、始まったようだ。」


そう呟き、深く息を吸い込む。


喧騒の前触れのように、遠くで爆発音が鳴り響いた。


平和な日常は、確かに幕を閉じた。

これから始まるのは、厳しく過酷な現実の世界だった。






















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