本当の子供好きな人
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
口先だけでは何とでも。
でも行動を見ていると、何となく分かるんですよ。
子供嫌いな人って、子供に近寄らないんですよ。
私は結構な子供嫌いである。予測の出来ない言動が何よりも苦手である。それ故に脳容量の大半を費やされるのが非常に苦しいから。
だから『子供が好き』という人を見ると、良い意味で眩しくて仕方がない。羨ましくて仕方ない。自分に出来ない人を見ると頭を下げたくなる。
口には出さないが、今日もそんな事があった。
自分の日常というのは、非常にありふれていて、退廃的だ。朝起きて、仕事をして、帰ってゲームするなりテレビ見るなりして、眠りに着く。
故に今日も同じサイクルとして、テレビを見ていた。やっているのは動物番組だった。今回は小さな子供と沢山の動物がいる家にお邪魔して、その生活を垣間見る、というもの。
其れを時間をただ消費する様に見る。テレビのコメントをただ聞き流す。
――やだぁ〜!! 可愛い!! 本当にいい子だなぁ。
子供が出る度に、動物が出る度に、歓声が沸き起こる。まぁよくある話だった。
ただどうにも私は歳を取りすぎて、いいや、元より偏屈なので、ついついその言葉の裏側を探ろうとしてしまう。本当に? 可愛い? 良い子って思ってる? と。
ただある一幕を見て、思わず黙り込んでしまった。
私、凄い子供嫌いなのね。何し出すか分からないし、善悪の基準がないし、分かりきった未来を予測出来ないから自業自得な事するし。
だからまず第一に、近寄って欲しくないの。何処か遠くへ行って欲しいの。あの小さな生き物が何か事件に会った時、『なんでお前が助けないんだ!!』って言われるのが怖くて仕方ないの。けれどもそれで助けたところで『犯罪者め!!』と叫ばれるのも同じくらい怖いの。
だから子供嫌いな人って、触ることは疎か、近寄られる事さえ精神負荷が掛かるんだけど、その人、今をときめくアイドルのお兄さん、子供の頭、撫でてたんだよね……。軽く、ぽん、ぽん……ってさ。しかも一度や二度じゃないの。何度も、何度も。カットが入る度に。
好きなんだろうなって思った。本当に心から可愛いと思ってるだろうなって。
そう思うとなんか……泣けて来ちゃって……世界ってこんなに優しいんだなって思ったの。そうならなきゃ駄目だとも思ったの。出来ないくせに。
そう伝える彼女はずっとボロボロと涙を零していた。
子供嫌いな人は幼少期に辛い経験をした人間が多いと聞いた。受け入れられ無かった反動が、巡り巡ってこうなるのだと。
だからきっと、彼女も頭を撫でて欲しかったのだろう。ただ、そうして欲しかったのだろう。
子供が出てくると『可愛い〜』って歓声が上がるじゃないですか。
あれ、本当に思ってる人どれぐらいいるんだろう。って思ってるんですよ。
善悪の基準が分からないから、平気で人を傷つける。
まだ経験が少ないから、間違った道へと平気で突き進む。しかも話を聞かない。その後で泣く。
自業自得!! と大人気ない事を叫びまくります。
でも一番怖いのは、その先の未来。
子供を助けても『ショタコン』『ロリコン』と呼ばれそう。助けなくても『なんで止めないんだ!! 良い大人が!!』と叫ばれそう。
それが一番嫌。理不尽だから。
だから近寄って欲しくないんですよ。
私にとっては天災みたいなもので。
だから私一個人の意見では、子供嫌いな人は触る事は疎か、寄って欲しくない、目も合わせたくない。関わりたくないんですよ。
それでも波風立てないように表向きは『可愛い』と言います。一種のマナーとして。
そうやってほの暗い精神性を宿してるので、子供を見て『可愛い』と言ってる人に若干懐疑的なんですよ。
で、ぼーっとテレビ見ていたら、今をときめくアイドルのお兄さんがロケ行って、子供と会ったんです。
『可愛い』と言ってました。
『そっかぁ……』と思いながら見てました。
そしたら、カット? って言うのかな、合間合間、そのお兄さんにスポットが当たらない何気ない時、子供の頭をぽんぽんと撫でるんですよ。猫でもする様に。
この人、本当に子供好きなんだな。って。嘘偽りなく好きなんだなって思って、ボロ泣きしました。
子供が好きで羨ましいなって気持ちと、懐疑的な気持ちの罪悪感から、感情ぐちゃぐちゃにされました。
薄汚ねぇ大人です。
でも保育園や幼稚園の先生は自分に出来ないことを必死でなさってるので尊敬してます。
頑張れ!!