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7.新たな仲間

「……」


 ホットケーキミックスは割と万能の粉のような気がする。


 混ぜる物を変えるだけで、様々なお菓子に姿を変える。


「…………」


 そしてやはり、最もスタンダードでありながら王道なのはホットケーキである。


 私も滅多にやらないが今回は小さなフライパンにたっぷり生地を注ぎ入れ、弱火でしっかり焼いていった。


 油は薄く、蓋をして、しっかり蒸し焼きにする。


 ここでは忍耐がモノを言う、だいたい8分か。ふつふつと表面が泡だったら返し時だが、中が生だと台無しである。


 ひっくり返した時にやキメの美しさはもはや数をこなすしかない。キッチンとフライパンの環境は、一人一人違うのである。


「! ここだ!」


 やん。きつね色!


 いい感じに焼きあがった巨大ホットケーキにはちみつとマーガリンをたっぷりつけて、短冊形にカット。


 熱いコーヒーを入れて、さぁゲームを始めよう。


 前回の続きを始めると、サファイアの試験を突破したことでフラグが立った。


 ピロリンとクエスト達成のお知らせ。


 ステータス欄には新たにAペット作成枠が出現したらしい。


 そしてクレソンのレベルもアップ。


 今更ながらだが、レベルアップするとレベルでアップするステータスとは別に、育成ゲージなるものが解放されたようだ。


 努力ポイントなる物はここか。


 これは後から好きなステータスにポイントを工房で振り分け直すことも出来るようだ。


 これは我がパーティが2体になることだし、役割を分けることが出来るということだろう。


 つまりAペットのステータス。


 HP アタック ブロック カラーアタック カラーブロック スピード


 このいずれかにポイントを入れ、何を伸ばすのか?


 今のところは大した違いは出ないだろうけど、しっかり育成出来る頃には、防御に優れたAペット、攻撃に優れたAペットが完成しているというわけだ。


 私は、さっそくマイ工房に戻って新しいAペットを製作することにした。


「イヤーどんなのにしようかな?」


 マフリマフリとホットケーキを口に運ぶテンポも上がっていくというものだ。


 私はさっそくテンプレートを選ぶ。


 クレソンは女性型だったから、今度は男性型にしようかな?


 私はヘ型の成人男性フレームを選択。パラメーターをいじって行く。


 なんかこう。男性型なら逞しい方がいいかな?


 しかも現実以上に誇張した方がいいだろうと、まずは体型から調整してみる。


 身長は2m超え。


 上半身を異様に巨大化。


 たくましすぎる筋肉のフレームが黒光りする感じで。


 肩幅は広く、胸板ははち切れそうに、しかし腹筋はこれでもかと内臓を締め付けているイメージ。


 出来上がったそいつは、我ながらやっちまったなと思うほどの異次元マッチョだった。


「うん。背中に鬼の顔が見える……そしてヘアスタイルは、スキンヘッドだろう」


 ちょっとつぶらな瞳をつけて、髭など生やせば出来上がりとしておこう。


 うん。クレソンとはまったく違う作品となったね。というか……ネタっぽいな。


「……なんでこうなったのかな?」


 それは誰にもわからない。


 出来上がった新型は世紀末とかなら活躍出来そうな迫力があった。


 ではこいつの名前は……スピニッチとしよう。


 何でかって? 明日の夕食だからだよね。ホットケーキと迷ったけれど。筋肉と言えばホウレン草な気がしたんだ。


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