15.新しい仲間を作ろう 3体目
イヤービックリした。
こういうこともあるんだね、私ビックリした。
うん、アーカイブはしっかり見よう。今度から反省である。
水を鍋に入れ、しばし待つ。
お湯が湧いたら、お馴染みのカップに線までお湯を注ぎ入れタイマーをセット。
買った時付いてきた、ヌードルストッパーフィギュアも何なら使ってみるかな。
「…………よし」
私は三分より少し前に開けて、ジャスト3分に口の中に入れられるように準備して調整することに喜びを感じる。
こいつらの吸水スピードは、ほんの数秒が麺の硬さを劇的に変化させるのだ。
というわけで、予想外の出来事に狼狽えて、料理する余裕がない時にはこれ、カップ麺ー。
ゾゾゾゾゾゾー。
勢いよく麺を、すすり上げれば、混乱ゲージが減っていくのを感じた。
ともかく、私のファッションセンスとクレソンの美しさが証明されたということで、気分よく私はゲームを再開した。
なんかミニゲームでゲーム内の賞金も沢山入ったし、これだからオンラインのイベントは最高である。
はははは、潤沢な資金でゲーム内バランスを崩してくれる。私はそういうのどんとこいだ。
それにクリエイトに拘るなら、妙に資金がかかるのがこのゲームである。
ではまず新コミューンに行く前に、楽しみにしていた3体目のAペットをクリエイトしていくとしよう。
私は、自分の工房へ向かい、いざクリエイトだ。
今回のAペットは、どんなふうに作ろうか?
やはりここは飛び切り可愛い女の子型を作ろうかと、味を占めた私は考えたわけだが、そこで私の手はピタリと止まった。
うーん3体なのに女の子二人と、筋骨隆々の男という図は、今一しまりが悪くなかろうかと。
並べるとどうも……スピニッチが中心的な構図に見えないか?
それは解釈が違う気がした。
「なんというか……スピニッチのくせに生意気だな」
だからまず、私はパーティとしてのまとまりをとった。
もう一体は、スピニッチに勝るとも劣らないマッチョにしよう。
更にヘッドはモヒカン。
服装は……今はまだ早い。デフォルトタイツで我慢してもらう。
何せ新しいコミューンはもうすぐそこだから楽しみにとっておこう。
真ん中に美女を据え、両サイドを武闘派で固めるスタイル。
古き良き、伝統的な男女比に私はニッコリだ。
「彼の名は……ブロッコリー。そう、ブロッコリーとしよう」
だがひとしきり満足して作り上げたところで、単品でプロッコリーを見て私は思った。
「……あれ? なんか、自然にマッチョが増えたな?」
このマッチョとこれから、長い事冒険するのか……強そうではあるが。
戦う時はマッチョの後姿が常にあると。
まぁ念入りに調整を重ねた肉体美である、それはそれで面白そうだが…………。
それはどうなんだろうと不安がよぎった。
なんだろう、すごく考えたはずなのにキャラクリの2体目以降はネタに走る傾向があるな私。
だが一から作り上げるには私は気力を使い果たしていた。
残っていたラーメンスープを一口すすると、こだわりの分消費した時間の味がした。