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男と女のラブですゲーム  作者: 有氏ゆず
第一話 どうやら死んでいるようです
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1-4




「じゃあ次はそこのー……」




「ふざけんな!!何でこんなことに参加させられなくちゃいけないんだよ!!」


レインが指す前にその男は叫んだ。


「ラブゲーム?馬鹿らしい!そんなことやってられっかよ!さっさと生き返らせろよ!」


その茶髪の男は立ち上がり、天使に掴みかかる。


「あらあら、イライラモードですか?やっぱりここは恋をしてハッピーな気分に……」

「うるせえんだよ!!何がハッピーだ!さっさと生き返らせろって言ってんだよ!!」

「きゃっ……!痛い……!」


茶髪の男は天使の首を掴んだままグイグイと締め上げる。




「……おい、そいつから手を離せ」


黙っていられなかったのか悪魔が口を挟む。だが、男は止まらなかった。


「悪魔!こいつを殺されたくなかったら今すぐ生き返らせろ!誰がこんな馬鹿みたいなゲームに付き合うかよ!」

「良いからそいつから手を離せ」

「ははっ、ならさっさと俺の要求を飲むんだな!」

「……はあ、」









「わあーっ、何か楽しそうですね!」









……俺達全員の背筋が震えた気がした。


今聞こえたのは?間違いなく天使の声だ。だけど天使は首を絞められている。声が出せるはずがない。


「は……?」

「楽しいですか?お人形さん遊び」


茶髪の男は何が起きているか分からなかっただろう。

その筈だ。首を絞めている筈の天使が、自分の横に立っているのだから。


「でも、よそさまの首を絞めるなんて幾ら楽しくても感心しませんね。そんな悪い手は無くしちゃいましょう!ぱーん!」


天使が手に持つステッキを振った瞬間だった。






「……!?あ、ああああ!!腕!腕が!!俺の腕がああああああ!!!!」


茶髪の男の腕が、破裂した。


「反省しましたか?もう人の首を絞めるなんて悪いことしませんか?」

「痛ぇぇぇ!!イテェよおおおおお!!!!」

「聞いてますー?ちゃんとお返事してください!ほら、悪いことしないって指切りげんまん!」


……何だ?今目の前で何が起こっている?


「……約束、出来ないんですね。残念です」


天使がもう一度ステッキを振る。すると。






ぱん。






今度は、男の頭が破裂した。


「……っ!きゃああああああ!!!!」


それと同時に俺の後ろにいたユズが悲鳴を上げる。


「な、何やねんそれっ……!」

「……有り得ません。そんな」

「やだやだ!うちら殺されるってーの!?」

「さ、流石の私も……ちょっとビビっちゃったね……はは……」

「人体が破裂……?そんなことが有り得るのか……?」

「ちょっと!何でお前ちょっと冷静なんだよ!アタシらもああなるかもしれないんだぞ!?」


それを皮切りに、全員(一部は冷静だが)パニックを起こす。




「……指切り出来ないだろ、腕消したんだから」

「あっ、そうでした。あたしってばうっかりさんです」


目の前で人が破裂したってのに、この天使と悪魔は普通に雑談してやがる。こんなの天使じゃない。両方悪魔だろ……!


「黙った方が良い。コイツを怒らせるとろくなことにならないからな」

「やだ、サガミさん。あたしそんなに怒りっぽくないですよぅ……!」


そうだ。静かにさせないと。この天使の気分次第で俺達は殺される。

でもこの状況で静かにさせるなんて絶対に不可能だろう。どうする。どうすればいい……!?









「名前決まったぜィ。オレっちの名前、イオリ。よろしくなァ」


パニックを落ち着かせたのは、先程名前を考えていなかった青髪の男だった。

……というか、コイツはこの状況でずっと名前考えてたのかよ……。




第二話に続く……




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