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……ピシッ。
ガラスにヒビが入ったような音が、頭に響き渡る。それと同時に、頭がジンジンと痛み出してきた。
「……そういう冗談はやめてくれ。笑えない」
「冗談じゃないし。うち、ずっとしょーこの親友やってきてたけど、本音はしょーこの恋人になりたかった」
……ピシピシ。
ガラスの音が止まらない。頭が痛い。止めて欲しい。でも、私は知らなきゃ。思い出さなきゃいけない。いやだ。思い出したくない。
「でもしょーこは《普通》だから。《普通》じゃないうちの想いなんか伝えられても、迷惑だろうって……だからずっと我慢してた」
……ビキッ。
先程よりも、大きな音が響く。
駄目だ、もう、止められない。
「でも、しょーこもうちと同じなんだよね?だったら……」
「うちと恋人になって、生き返ろうよ」
……パリン。
その瞬間、呆気ない音を立てて硝子は割れる。
「!?しょーこ!しょーこ!目、覚まして!しょーこ!!」
最後に私を呼ぶレインの声を耳に、私は意識を手放した……。




