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「……しょーこは、うちの友達だった。うちは大親友だとすら思ってた」
何となく予想はついていたが、私と彼女はとても親しい関係だったようだ。
「そうか。それは……すまない」
「仕方ないじゃん。記憶失ったのはしょーこのせいじゃない」
そう言って、彼女は私の頭を撫でてくれた。何だかくすぐったい。
「あはっ、そういや生きてた頃はしょーこがこうやってうちの頭撫でてくれてたんだよ」
「ふむ。だったら私も撫でた方が良いだろうか」
「えっ!そ、それだとうちがねだったみたいじゃん……!しょーこ具合悪いんだから、無理しなくていいし……!」
「いや、大丈夫だ。撫でさせてくれ」
彼女が答える前にその頭を撫でる。ふむ。確かにこれは何となく、手に馴染むような気がした。
「その他に、何か語れそうなことはあるかな。例えば私の家のこととか」
「えっ、うーん……うちも完全に思い出した訳じゃないんだけど……しょーこの家、結構お金持ちだったと思うよ。お父さんが社長?だったかな」
成程。生前の私は社長令嬢だったのか。……まあ、自分で言うことではないか。
「うちの親としょーこの親がめっちゃ仲良かったから、うちらも自然と付き合うようになってた。つーかもう、生まれた時からの仲?みたいな?」
「そんなに仲が良かったのか……。それなのに思い出せなくてすまない」
「わ、わーっ!だから別にしょーこのこと責めてる訳じゃないんだって!」
私が申し訳なさそうに謝ると、物凄く慌てた仕草を見せる。あまりにも分かりやすくて、思わず笑みが零れてしまった。
「……ふ。分かっている。早く君のことを思い出したいからね、もっと聞かせてくれないか?」
「つーかその、うちもしょーこに聞きたいことがあったんだよね」
……私に聞きたいこと?私は記憶喪失だから、答えられることは限られて来ると思うのだが。
「しょーこさ、さっきビアンだって言ってたじゃん」
「ああ、言ったな。そういえばその後に君もそうだと言っていたがあれは……」
「……うち、しょーこのこと好きだったんだよね」




