4-1
時は少し戻ってオーミとヒメコが天使に落とされた頃の別視点のお話。
この時点でバケツは二人が居ないという異変に気づき、探し回っていたのでこのことは知らない。
「……ふむ」
ここに来てから色々なことを考え、ひとつだけ思い出した……というか、気づいたことがある。
「諸君、ちょっといいかな」
そう。今回は私、ガラス視点のお話となるようだ。とりあえず、さっそく気づいたことについて報告することにする。
「どしたんー?急に?」
最初にこちらに来てくれたのはレインさんだった。それに続いて次々とメンバーが集まってくれる。……何人か足りないような気もするが、まあいいだろう。
「どうやら私はレズビアンらしい」
しん……。
そんな言葉が似合うくらい、一瞬にして静寂が広がる。それほど私はおかしなことを言っただろうか。ただ、恋愛対象が女性というだけの話だというのに。
「えっと、何でお前は今それをカミングアウトしようと思った?」
ごもっともな質問がカヨくんから飛ぶ。
「ああ。突然で驚いたかな。だから男の人に言い寄られても時間の無駄だよということを言いたかったんだ。こういうのは早めに言っておかないといけないからね」
「でもそれって、ここにレズビアンである女性が居なかったとしたら自分は生き残れないってことになりませんか?」
「ふむ、イガラシくんは頭良いね。つまりはそういうことだよ」
生き返れるものなら生き返りたいけど、私にはその確率は極めて低い……そんな感じだろうか。まあ、ここに私と同じような子がいれば話は別だが……。
「それマジ!?うちもなんだよね!」
……うん。どうやら話は別だったみたいだ。




