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男と女のラブですゲーム  作者: 有氏ゆず
第三話 全部見えちゃうようです
14/24

3-4




……バケツ男が無理だったなら、もう選択肢はひとつしかない。


「関西人かあ……アイツも苦手なんだよな……」


だけど人は良さそうだった。それに馬鹿そうだし、案外こっちの話をちゃんと聞いてくれるかもしれない。


そうと決まればあの関西人の部屋に……




「……は?何だよこれ」


何となくポケットに手を突っ込むと、入れた覚えのない絆創膏が一枚入っていた。


「まさかアイツが……?」


いつの間に突っ込んだんだバケツ男。その早業に若干の気持ち悪さを感じながら、アタシは関西人の部屋の前へと向かう。




「……ここか」


今度は突然扉を開けられないように、距離を取ってノックする。


「はーい、どちらさん……ってヒメコちゃんか」

「話がある。部屋に入れろ」

「えー、どないしたん?まさか愛の告白とか!?」


……めんどくせえ。何で男はすぐに自分に気があると勘違いするんだ。気持ち悪い。


「そういうのいいから」

「あっ、真面目な感じの話なん?……ほな、誰にも聞かれん方がええな」


と、思ったけど。なかなか察しは良いらしい。アホっぽいのに。




「……じゃあ単刀直入に言う。お前、アタシと恋人になれ」

「ああ。それ、ボクも何で皆やらへんのやろって思っててん」


……どうやら目の前のアホそうな男は、思った以上に察しが良いようだった。




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